現存天守12城は、江戸時代以前の天守閣が現在も残っている12の城のこと。松江城はその一つ。有名なのは松本城や姫路城。
相棒バイクを駐輪場に停め、徒歩で天守閣に向かう。
下から見上げると存在感が凄い。登城する武士の気分になる。
野面積み(のづらづみ)の石垣が特徴的。
興雲閣(こううんかく)
城内に突然現れる洋風建築。ちょっとびっくり。明治36年築。
館内に入る。入場無料。
1階廊下。
窓からの光が美しい。
階段踊り場。
2階ホール。
貴賓室(きひんしつ)
手前は絨毯、向こうは畳。和洋の組み合わせが面白い。
バルコニー。
外壁がすべて同色のペンキで塗りつぶしてある。内装に比べて芸がなさすぎ。
興雲閣を出て天守閣に向かう。
派手さはないが、これこそ本物の天守閣。
1607年築。木造複合式望楼型 4重5階地下1階。
前に出っ張っているのは、附櫓(つけやぐら)。
何とも印象的な石垣だ。
野面積み&乱層積み。コストを抑えて実用性重視。
木造部分の黒色が、石垣とよくマッチしている。
附櫓(つけやぐら)の正面。
中央に矢狭間(やざま)、左右に石落としが見える。
下から見上げたところ。右が矢狭間、左が石落とし。
私が敵方なら、こんなに近くまで来ず、遠くから火矢で攻めるな。
木造なので火攻めには弱そう。
附櫓の入り口。鉄で覆われた門扉が渋い。
反対側。下側に小さい出入口が付いている。実用性重視の設計。
附櫓の階段を登り、振り返ったところ。右下から入ってきた。
壁沿いの通路は、石打棚(いしうちだな)。この上から鉄砲や矢を打つ。
天守閣の地下にある井戸。籠城(ろうじょう)用。
井戸を覗き込む。穴の周囲が石積みだ。しっかり作ってある。
祈祷札(きとうふだ)のレプリカ。本物は保管してある。
これに書かれた日付で天守完成時期が明確になり、国宝指定の要因になったとか。
上層階に登る。
矢狭間と石打棚。形が異なるものがあちこちにある。
一番手前の柱は通し柱。地階と1階を貫く。
通し柱は、地階→1階、1階→2階、2階→3階、というように交互に組み合わせてある。築城技術の一つだ。
包板(つつみいた)で包まれた柱。心材の周りに板が貼ってある。
包板を留めていた鎹(かすがい)
柱に「十ノ九下」と彫られているのがわかる。
彫込番付(ほりこみばんづけ)は部品番号。設計図で指定された場所に使う。
う~ん。梁がじゃまになって、上下が本当に1本の柱なのか、確認できない。
花頭窓(かとうまど)
外からだとこう見える。
実用性一点張りではなく、ちょっとした飾りもあったということ。
並ぶ柱が壮観だ。
外に張り出した梁の上に5階部分の柱を乗せている。
力を分散する構造なのだという。これも築城技術の一つ。
最上階の5階へ上る。
パッと視界が開ける。四方が大きく開かれていて、涼しい風が吹き抜ける。
最高の気分だ。
この松江城は「望楼型」に分類される。確かに。納得。
城下を見下ろす。しばし城主気分を味わう。
と、そこへテレビクルーが、、、
消火設備や消火体制の説明をする係員。
首里城の火災を契機に防火・消火体制を取材しているのだろう。
この城が燃えたら切腹もの。
消火器・消火栓だけでなく、スプリンクラーなども検討しないと。
松江城近くの武家屋敷。
武家屋敷裏手の蔵。扉が印象的だ。
松江城は堪能した。
今日の宿、境港に向かおう。
【本日のデータ】
興雲閣:入場無料。
松江城天守閣:登閣料 680円。(ボランティアの)ガイドさんは日曜日のみ。予約が必要かも。
【本日の宿】
境港市。ゲゲゲの鬼太郎のキャラクター像が並んでいる、みずきロードの近く。