今日は、内子(うちこ)と大洲(おおず)を散策して西予(にしよ)に向かう。
これらはみな昔の町並みが残るところだ。
内子の宿を出て少し走り、内子座(うちこざ)に着く。
大正5年に建てられた木造の劇場だ。
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どこから見ても雰囲気があっていいですね。
老朽化で取り壊しになるところを市民の熱意で昭和60年に復元されたもの。
内子のみなさま、このような素晴らしい建築物を残していただき、ありがとうございます。
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屋根の上にいる動物。何かをくわえている。正体不明。2匹いた。
中に入る。入場料400円。
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おおっ。なぜかちょっと感激。昔の芝居小屋の雰囲気そのもの。
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左側の席。二階席もある。
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正面の二階席。大向(おおむこう)と呼ぶ。
大向には常連客や芝居通が多いので、この人たちを感心させるほどの出来ばえを「大向をうならせる」と言う。
とパンフレットに書いてあった。
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階段の壁に掛けてある旗。祝に贈られたものか? 詳細不明。
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花道(はなみち)を通り、舞台に向かう。
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広い。
円形に切れ目があるのは、回り舞台になっているから。
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回り舞台の切れ目から下を覗いてみた。
下の空間にライトが点灯している。
下の空間に行ってみた。
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地下へ降りる階段。
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この地下を「奈落(ならく)」という。昔は真っ暗で地獄のようだったから。
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コンクリートの部分が回り舞台の中心を支える。
少し右手に棒が下がっている。円形に6本ほど。この棒を押して舞台を回す。
帰り際、気になっていたことを受付嬢に尋ねてみた。
あの~、ご存じでしたら教えてください。
屋根の上に動物がいますよね。あれは何ですか?
ああ、あれはね。キツネです。
なぜキツネが?
お稲荷さん信仰だから。ここを守っていただくためだと思います。
そうなのか。じゃあ、くわえているのは油揚げ。
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ということで、改めて横から良く見たら、確かにキツネ様。
立派な尻尾もありました。
内子の町を相棒バイクでトコトコと見て回る。
道は狭く車も人もほとんど通らないので、歩く速さでゆっくり回れる。
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商いと暮らし博物館。元薬屋さんの建物。
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金看板が素晴らしい。
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写真屋さん。3つの丸窓、旗印のようなデザインが印象的。
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伊予銀行。白煉瓦のお洒落なデザイン。
明治・大正の銀行の建物にはいいデザインが多い。
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伝建地区(重要伝統的建造物群保存地区)に入る。
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白や薄黄色の建物が多い印象。白は漆喰、薄黄色は土壁らしい。
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本芳我家(ほんはがけ)住宅。重要文化財。
際立って印象的な建物だ。
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特に目に付いたのがこの部分。
二階の格子と一階の屋根の間、白い漆喰に並んでいる独特の飾り。
お洒落だ。
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左手の大きな蔵と右手の建物の間には赤い扉。
全体として、とても独特だ。
少なからず圧倒される印象。
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上芳我家(かみはがけ)住宅。重要文化財。
本芳我家から100mも離れていない。
このあたりは芳我家一族が力を広げていたようだ。
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建物側面の4つの庇。存在感がすごい。
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上芳我家敷地内の蔵。
すっとした女性のような美しい造りだ。
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少し進むと酒屋さん。
ガラス窓の中に目を引くものが飾ってある。
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古き良きオートバイ。
「葡萄酒倶楽部 SAWADA」の文字が光る。
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DIAMOND FREE Patent Motor
これで走ったら楽しそう。
きちんと分解整備すれば動くのではないか。主要部品の錆び具合にもよるが。
あっと言う間に12時を過ぎた。先を急ごう。
20分ほど走り、大洲に着く。
大洲まちの駅 あさもやに相棒バイクを停め、徒歩で観て回る。
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臥龍山荘(がりゅうさんそう)入口。
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門を入り、建物を見上げる。石垣に組み込まれた樹木。
樹木が先にあったらしい。切らずにデザインとして組み込んだ。
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入場料550円を払い、まず庭を見学。
雨が降り出したので、傘を借りる。
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不老亭(ふろうてい)。
庭の先端にある。
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かなり崖の外にせり出している。
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家を支えるのは3本の丸柱。
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中からの風景。
外を流れるのは肱川(ひじかわ)。
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天井の造りが凝っている。
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外廊下の真下まで肱川が迫る。
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板の隙間から緑が見える。
古い木造なので突然グラっとこないだろうな、、、と頭をよぎる。
頭がクラクラしそうだ。
不老庵を出て臥龍院に向かう。
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長い一枚岩が2枚。石まで凝っている。まさかコンクリート製じゃないよね。
臥龍院に入る。
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中庭。
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神棚。
白い欄間が洒落ている。透ける光が模様を作る。
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脇の欄間。こちらも透ける光が模様を作る。
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この欄間も洒落ている。透かし彫りなどは多いが、これは独特。センスがいい。
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これも独特。鳥のような龍のような花のような。
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天井と障子の間の小窓、センス抜群!
さらに驚くのは、内側からだと四角だが、、
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外から見ると丸なのだ。
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霞月の間(かげつのま)
襖は鼠色で薄暮を表現。汚れてるわけじゃない。
とパンフレットに書いてある。
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コウモリ細工の引手。
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わざと壁を塗り残して荒れた農家を表現している、とのこと。
でも、右側が直線的すぎる気がする。
まてよ。あえてか。自然に剥がれ落ちたわけじゃないよ、と。
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3枚の棚板は「通し落とし掛け」という造り。
うしろの壁には接していない。掛軸がその証拠。
左右の壁に埋め込んだ部分だけで棚の自重を支えている。
左側は廊下なので、左手の壁は普通の厚さ。
右側は押し入れなので、右手の壁の厚さは不明。襖を開けて確認したかったのだが、触れちゃダメ、ということなので未確認。おそらく普通の厚さだろう。
壁の中にどんな構造が隠れているのだろうか。興味深い。
臥龍山荘は不老庵・臥龍院ともに思った以上に凝っていた。
愛媛に来たら立ち寄ることを強く推奨。他ではなかなか見られない。
他はどうかな、と思いつつ、ポコペン横丁に向かう。
う~ん、この名前ではあまり期待できないが、、、
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昭和レトロのそれっぽいものを集めた広場。
これといったものはない。
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ちょっと珍しいかったのは本当の原動機付自転車。
エンジンとペダルの両方がついている。荷台にはガソリンタンク。
ペダルを漕いで走り出すとエンジンがかかるという仕組み。
ポスターには面白いものがあった。
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焼き鳥大ちゃん堂 伊予国・大洲 まぼろし探偵団本舗
とぼけたユーモアがいいですね。
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万国百貨大盤振舞(おおばんぶるまい)
少年マンボ
品質優良モダン玩具 文化的駄菓子屋
まぼろし探偵団本舗
少年マンボって何だろう?
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ある時はポンまめ屋
ある時は綿菓子屋
またあるときは
お堅いお役人
しかして
その実態は
いりまへん課の
ナゾのおっちゃん達
伊予国・大洲
いりまへん課
まぼろし探偵団本舗
いりまへん課って何だろう?
そもそも、まぼろし探偵団本舗ってどんな商売をしているの?
ナゾは謎を呼ぶ。
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夢屋 アンティック&レトロ
天使が乗るのはベアリングか? 手に持つのは何? こちらも謎だ。
思ひ出倉庫という施設に入る。入場料200円。
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昭和レトロの収集物が所狭しと並ぶ。ブラウン管テレビに映像がずっと流れていた。
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昭和の散髪屋さん。うちの親も散髪屋だったので懐かしい。
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最上部に「CACHREGISTER」の文字。手動式のレジです。
「親切勤勉」の文字が泣かせる。レジ係はこれを見て初心に帰り続けます。
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本町陸閘(りくこう)
肱川(ひじかわ) との間の堤防を分断する通路。
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肱川が増水したときはこの扉を左右から閉めて、、、
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このネジでしっかりと締めつける。これで水は入ってこない。
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肘川の方から見る。石垣+土塀風のガッチリとした堤防が続く。
こんなに見事な堤防は珍しいのでは。
観光案内の冊子に記載がないのはもったいない。
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おおず赤煉瓦館。
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元は大洲商業銀行。
「資本金六十万円 積立金二十万円」の表示が面白い。
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内部はいくつかの部屋にわかれている。
それぞれに鉄の扉があるのが銀行らしい。守りが厳重。
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ある部屋に掛けてあったオードリーヘップバーンの写真。
なぜここに? 意図不明。写真より額縁が大きすぎるのも残念。
でもヘップバーンは好きだから、よしとしよう。
大洲まちの駅に向かう。
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老朽化した木造家屋。瓦などの落下防止に網がかけてある。
「古い町並み」タイプの観光地が抱える悩みがここに凝縮されている。
蔵造りや煉瓦造りならましだが、木造の場合はとても深刻だ。
保存・修繕コストをどう捻出・回収するのか。簡単に答えは出ない。
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大洲城。
中に入る時間がないので、見上げるだけにした。
雲が、風雲大洲城! の雰囲気でグッドだ。
■今日のヒット賞
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ぴちぴちと張りきった健康な若肌こそ初夏の魅力です
まったく同感。
■本日のデータ
内子座:入場料400円。安い。
臥龍山荘:入場料550円。安い。
ポコペン横丁:入場無料。ポスターが面白かったので50円ぐらい払ってもよい。
思ひ出倉庫:入場料200円。妥当。
おおず赤煉瓦倉庫:入場無料。妥当。一部が売店になっている。
■本日の宿
愛媛県西予市(せいよし)宇和町(うわちょう)卯之町(うのまち)
まちなみ広場付近のビジネスホテル