2021/09/04 吉良川町の伝建地区を観て、室戸岬へ(D317)

今日は、まず吉良川町(きらがわちょう)の重伝建地区(じゅうでんけんちく)に行く。室戸岬はそのあとだ。

0940 宿を出発。

0955 吉良川町に着く。

重伝建地区は重要伝統的建造物群保存地区の略。
伝建地区(伝統的建造物群保存地区)の頭に「重(重要)」が付いている。
伝建地区は市町村が指定する。それらの中で国(文部科学大臣)が特に価値が高いと認めたものに「 重(重要)」 が付く。
看板の最上部に「国選定」とあるのは、そういう意味だ。
ちなみに私が住む川越にも重伝建地区がある。蔵造りの町並みで有名だ。

案内マップ。メインストリートの両脇に有名な建築物が並んでいる。
相棒バイクを停め、歩いて回ることにした。

池田邸。
手前の建物の造りが面白い。

家と袖壁との間に隙間を開けてある。
これだと光や空気がよく入る。凝った造りだ。

池田邸の蔵。
外壁は土佐漆喰(とさしっくい)を使っている。厚塗りができ、きめ細かい仕上げができるのが特徴。

外壁から突き出ている数段の庇(ひさし)を水切瓦(みずきりがわら)と言う。
外壁を雨から守るための工夫。
この蔵では3段もの水切瓦が周囲を囲っている。最上部の短いものと最下部のも含めると5段にもなる。

角の瓦が鋭く伸びているのが目を引く。何か意味があるのだろうか。

細木邸。
この地区の特徴を備えた造り。格子があり、袖壁があり、「つし」がある。
「つし」は天井高が低い二階。「つし二階」と呼ばれる。物置として使う。

細木邸を回り込む。
こちら側にも細木邸の建物が続いている。大きな屋敷だ。
道の先に御田八幡宮(おんだはちまんぐう)の鳥居が見える。

道の反対側。こちらも細木邸。

つし二階の外壁に付いた水切瓦が特徴的だ。

二階に鉄格子が付いている。忍び込まれないため? 面白い。

武井邸。
煉瓦を組み合わせた造りが独特。
二階の外壁に水平の水切瓦が無く、垂直に仕切りがあるのも独特だ。

松本邸。
水切瓦が存在を主張する。

角田邸。
白い水切瓦のデザインが独特。美しい。

熊懐(くまかい)家住宅。旧郵便局。

収納式縁側がある家。

この部分が収納式縁側。
棒を外すと、持ち上げてある縁側が手前に倒れてくる。
L字型の脚が回転して垂直になり、縁側が水平になるよう支えるという構造。
妻籠か馬籠か、どこかの宿場町の家々がこれを備えていた。

偶然見つけた看板。「川越」に反応してしまった。

御田八幡宮。
端正なデザインが素晴らしい。
むやみに華美でない、こういう建物が好きです。

境内の休憩所。
外側に柱を立てず、中央に集めた構造が素晴らしい。開放的な気分になる。

「いしぐろ」と呼ばれる塀。
上部の丸い石が並ぶ部分は、半割りにした石の断面を外に出している。
この「いしぐろ」のある家があちこちにある。

いしぐろに囲われた家。
門の右手のいしぐろ。
小さめの丸い石が並ぶ。
角がお城の石垣風なのも面白い。
下部の石積みは、石の形が整っていて亀甲積み風。

同じ家。こちらは門の左手。
上部の丸い石が少し大きい。
下部の石積みも乱積み風。

門の左右で造りを変えてあるのが興味深い。

伝建地区特有の悩みはここでも同じ。

新店舗へ移ったようだ。よかった。
でも建物をどうするかは悩み。取り壊して更地にしてしまうのも問題だろう。

台風で吹き飛びそうな廃屋。形だけは何とか保っているが、、、

空き地に壊れかけた壁だけが残る。

国指定の吉良川町でさえ、この状態。他の地域はもっとたいへんだ。

1130 室戸岬に向かう。

1230 室戸スカイライン山頂展望台の駐車場に到着。

この一帯はジオパークになっているので、要所要所に解説板がある。

室戸岬は「海成段丘(かいせいだんきゅう)」という構造だって。
だから、一番高い部分は平らで、そこをスカイラインが走るわけだね。

ホエールウォッチングで東西両方に行って、両方のクジラが見られたら面白いね。

展望台に登る。
室戸岬には恋人の聖地が3つある。ここはその一つ。

カメラスタンドには鍵がたくさん。
あれ、最近登った展望台も鍵がたくさんあったぞ。

こんな文字が書かれた鍵を発見。
愛の誓いということか?
今、調べたら、「愛の南京錠」と言うらしい。知らなかった。

展望台からの風景。

海岸へ降りる。

海岸のジオパーク案内板。
ゾーニングされていてわかりやすい。

海岸を歩く。
岩だらけ。

解説版には「しましまの地層」とある。
深海にあったものが隆起した。

ここでは、縦スライスと横スライスが隣合わせになっている。

横スライスがL字型に捻じ曲げられている。
深海で、凄い圧力が加わったわけですね。面白い。

振り向くと、小さく白く室戸岬灯台。
地形がよくわかる。確かに上は平だ。

アップで。
カメラの性能がいいので茶色い錆びまで写っている(笑)

灯台のずっと下に展望台がある。
行ってみよう。

中岡慎太郎さんの後ろが展望台の登り口。

ここも恋人の聖地。
鍵は一つもなかった。雰囲気的にね。鍵かけるならあっちだな。

海岸を見下ろす。
ついでに慎太郎さんも見下ろす。
トンビが、ぴーひょろろ、と鳴きながら慎太郎さんの頭上を飛んで行った。
写真右上に写ってます。ギリギリのタイミング。

遠くには船と船。

そして船。

1415 室戸岬を出発。

さあ、これから徳島市まで120キロを一気に走るぞ。

でも、ここだけは寄らねば。

むろと廃校水族館。
廃校を活用した水族館だ。

元は椎名小学校。
時間がないので、外から見ただけ。
駐車場は7割ぐらい埋まっていた。人気があるようだ。

道に出るときに目についた掲示。

両隣の水族館・博物館をご紹介。いいね。

さあ、急ごう。
海岸沿いをひた走る。

「ここから津波浸水想定区域」の掲示。
徳島までに2~3回見た。
海抜が低いところだ。11mだと津波浸水想定区域になっていた。境界が何メートルかはわからない。

途中、土砂降りに会い、30分ほど雨宿り。
レインウェアは降られる前に着たものの、あまりの激しさに走るのは危険と判断。
偶然に見つけたJAの屋根付き駐車場に逃げ込む。

雨があがって走り始めたら、空には虹が。
気分爽快。

1830 途中、スーパーで夕飯&お酒を買い、徳島の宿に到着。

ヘトヘトなので今日はブログ書きは無理だろう。
2連泊なので明日は宿でブログ書きだな。

■本日のデータ
吉良川町重伝建地区:見学無料。見応えがある。さすが国指定。
室戸岬:見学無料。あまり特色がない。展望台からの眺めも平凡。
室戸岬から徳島までの海岸線:平凡な海岸や山道が延々と続く。観光地がない理由がわかった。
燃費:昨日ガソリンを入れてから181km走ったところで、今日2.9Lを入れた。
   181km÷2.9L=62.4km/L

■本日のお酒

純米原酒 射手座造船所 本家松浦酒造所(鳴門市の酒蔵)
10本限定の販売セールで1500円の半額750円。
ラベルデザインも名前も変わっていて、うさん臭い気もしたが、残り3本だったのでゲット。美味しい。やや甘口。買って正解。

■本日の宿
徳島市のビジネスホテル。競争が過激なのか3000円台。
部屋は広いし、無料朝食付き。質素な食事だが朝食としてはOK。
作業机が横に長く、ブログを書きながら飲食をするのに便利。
当日の12時まではキャンセル料が発生しないので、そこもいい。

2021/08/24 卯之町の伝建地区を散策(D306)

ここは、愛媛県(えひめけん)西予市(せいよし)宇和町(うわちょう)卯之町(うのまち)だ。
ふりがな無しでこの地名をすべて正しく発音できる人は少ないだろう。
「せいよ」か「にしの」か、「うわちょう」か「うわまち」か、「うのちょう」か「うのまち」か。
「愛知」は「あいち」で「愛媛」は「えひめ」、なぜ「姫」じゃなく「媛」と書く?

ニホンゴ、ムズカシイ。ムヅカシイ? ムツカシイ?

宿の近くがたまたま伝建地区(重要伝統的建造物群保存地区)だった。
知っていて宿を取ったわけではない。たまたまだ。
せっかくだから観て行こう。
(日本一周中は「観て」か「見て」か迷うことが多い。「観て」は「見物」だから、当事者意識なしで見る、ということになる。)

宿の近くの一般住宅。
電柱(電信柱かもしれない)に「中心街」の標識がある。
このあたりが卯之町の中心街なのか、と思いつつ歩く。
※電柱は電力会社の所有する柱、電信柱は通信会社の所有する柱。正確に使い分けるのは難しい。

木造三階建ての家。
これを建てたころ、木造三階建ては認可されていないはず。
どのように建築許可を取ったのか、不思議だ。

親亀の上に子亀を乗せて、子亀の上に~、という歌を思い出した。
何のためにこれを? 不思議だ。

同じ敷地内の向かいの家。
何のためにこれを? 不思議だ。

「旧武蔵」という建築物。
明治期に「武蔵(屋)」という屋号で商いをしていたから。
今は「昔のくらしを体験する」施設になっている。

大門(鳥居門)
江戸後期築。詳細未確認。

造り酒屋。(株)元見屋酒店。
「長期熟成(拾年以上)純米酒 開明」とある。
長期熟成の純米酒、あまり聞いたことがない。美味しいのだろうか?

文化の里休憩所。
建物の左右に「うだつ」がある。由緒ある建物か。詳細未確認。

松屋旅館。
江戸時代創業。

宿泊した有名人の名前を記した看板。
知っているのは新渡戸稲造(にとべ いなぞう)ぐらい。
「元国連事務総長」とあるが、確か「事務次長」だったと思う。
五千円紙幣の肖像とか、東京女子大の初代学長のほうが知っている人は多いはず。
あと、種田山頭火は知っていますが、友人までは知らないです。

旅館の向かいの小倉屋。詳細未確認。

看板がないので一般住宅か? だと目立ちすぎる色合い。詳細未確認。

アパートか? 案内マップには「飾り瓦」とだけ記載がある。

その飾り瓦がこれ。シンボルは大根。詳細未確認。

この建物にも飾り瓦が。

水滴か栗に見える。詳細未確認。

こんな飾り瓦も。大黒様はどこへ行っても人気です。

「うだつ」のある建物。左右の小さな屋根が付いている部分が「うだつ」です。
火災から守る防壁。お金がないと作れなかったので、「うだつがあがらない」と言われたらしい。

大正時代の煉瓦壁。向こうは末光家住宅。

末光家住宅。卯之町らしいデザインが残る町並みの代表的な町家。
と案内マップに書いてある。

開明学校。
明治15年築。擬洋風の小学校校舎。

おそらく一般住宅。詳細未確認。
雨漏りをどう直すか、職人さんと家主がご相談中。
そう、この手の家屋は設計ミスによる雨漏りが多く、根本的に直すのが難しいのだ。
職人さんは、根本的に直さないとすぐ雨漏りするよ、と言っている。
家主さんは、でもお金がかかるでしょ、と言っている。
ホントにたいへんですね。

さて、立ち聞きはやめて宿に向かおう。

École Mai Ballet
個人バレースクール。
町や建物とは異質な感じ。でもいいですね。何だかホッとする。

なぜホッとしたのか考えたら、どんどん息苦しくなっていたことに気づいた。

その理由は、以下の写真を見ていただければわかると思う。

老朽化したままの家々。
伝建地区でも修繕ができず放置に近い状態だ。
おそらく町に予算がないのだと思う。
観光客はお金を落とさず(私もそうだ)、税収は増えず、でも文化遺産の保存は重要だ。
国の助成金は微々たるもので、寄付する企業・個人もいない。
八方塞がり。残るのはクラウドファンディングか?
卯之町は悩みを抱える伝建地区の象徴かもしれない。
(この部分、あくまで個人の推測で未確認です。)

0930から始めて1100に終了。1時間半で回り終えた。

さて、次の目的地、宇和島に向かおう。

途中で立ち寄った法華津峠(ほけづとうげ)からの風景。
手前の海は法花津湾(ほけづわん)。
同じ「ほけづ」なのに「華」と「花」。地名は難しい。

午後は早めにチェックイン。
早くブログを書き終えて、宿泊計画を変更せねば。

宇和島城見学を組み込んでいなかった。
明日からの宿をすべて組み替えて日程をずらさねば。
今日中にキャンセルすれば、キャンセル料はギリギリセーフ。
頑張るぞ。

■本日のデータ
入場料が必要なところはすべて臨時休業。
伝建地区は外から観て回るだけならすべて無料。これが問題なのだが。

■本日の宿
宇和島駅の近く。

2021/08/23 昔の町並みが残る、内子・大洲を散策(D305)

今日は、内子(うちこ)と大洲(おおず)を散策して西予(にしよ)に向かう。
これらはみな昔の町並みが残るところだ。

内子の宿を出て少し走り、内子座(うちこざ)に着く。
大正5年に建てられた木造の劇場だ。

どこから見ても雰囲気があっていいですね。
老朽化で取り壊しになるところを市民の熱意で昭和60年に復元されたもの。
内子のみなさま、このような素晴らしい建築物を残していただき、ありがとうございます。

屋根の上にいる動物。何かをくわえている。正体不明。2匹いた。

中に入る。入場料400円。

おおっ。なぜかちょっと感激。昔の芝居小屋の雰囲気そのもの。

左側の席。二階席もある。

正面の二階席。大向(おおむこう)と呼ぶ。
大向には常連客や芝居通が多いので、この人たちを感心させるほどの出来ばえを「大向をうならせる」と言う。
とパンフレットに書いてあった。

階段の壁に掛けてある旗。祝に贈られたものか? 詳細不明。

花道(はなみち)を通り、舞台に向かう。

広い。
円形に切れ目があるのは、回り舞台になっているから。

回り舞台の切れ目から下を覗いてみた。
下の空間にライトが点灯している。

下の空間に行ってみた。

地下へ降りる階段。

この地下を「奈落(ならく)」という。昔は真っ暗で地獄のようだったから。

コンクリートの部分が回り舞台の中心を支える。
少し右手に棒が下がっている。円形に6本ほど。この棒を押して舞台を回す。

帰り際、気になっていたことを受付嬢に尋ねてみた。

あの~、ご存じでしたら教えてください。
屋根の上に動物がいますよね。あれは何ですか?

ああ、あれはね。キツネです。

なぜキツネが?

お稲荷さん信仰だから。ここを守っていただくためだと思います。

そうなのか。じゃあ、くわえているのは油揚げ。

ということで、改めて横から良く見たら、確かにキツネ様。
立派な尻尾もありました。

内子の町を相棒バイクでトコトコと見て回る。
道は狭く車も人もほとんど通らないので、歩く速さでゆっくり回れる。

商いと暮らし博物館。元薬屋さんの建物。

金看板が素晴らしい。

写真屋さん。3つの丸窓、旗印のようなデザインが印象的。

伊予銀行。白煉瓦のお洒落なデザイン。
明治・大正の銀行の建物にはいいデザインが多い。

伝建地区(重要伝統的建造物群保存地区)に入る。

白や薄黄色の建物が多い印象。白は漆喰、薄黄色は土壁らしい。

本芳我家(ほんはがけ)住宅。重要文化財。
際立って印象的な建物だ。

特に目に付いたのがこの部分。
二階の格子と一階の屋根の間、白い漆喰に並んでいる独特の飾り。
お洒落だ。

左手の大きな蔵と右手の建物の間には赤い扉。
全体として、とても独特だ。
少なからず圧倒される印象。

上芳我家(かみはがけ)住宅。重要文化財。
本芳我家から100mも離れていない。
このあたりは芳我家一族が力を広げていたようだ。

建物側面の4つの庇。存在感がすごい。

上芳我家敷地内の蔵。
すっとした女性のような美しい造りだ。

少し進むと酒屋さん。
ガラス窓の中に目を引くものが飾ってある。

古き良きオートバイ。
「葡萄酒倶楽部 SAWADA」の文字が光る。

DIAMOND FREE Patent Motor
これで走ったら楽しそう。
きちんと分解整備すれば動くのではないか。主要部品の錆び具合にもよるが。

あっと言う間に12時を過ぎた。先を急ごう。

20分ほど走り、大洲に着く。
大洲まちの駅 あさもやに相棒バイクを停め、徒歩で観て回る。

臥龍山荘(がりゅうさんそう)入口。

門を入り、建物を見上げる。石垣に組み込まれた樹木。
樹木が先にあったらしい。切らずにデザインとして組み込んだ。

入場料550円を払い、まず庭を見学。
雨が降り出したので、傘を借りる。

不老亭(ふろうてい)。
庭の先端にある。

かなり崖の外にせり出している。

家を支えるのは3本の丸柱。

中からの風景。
外を流れるのは肱川(ひじかわ)。

天井の造りが凝っている。

外廊下の真下まで肱川が迫る。

板の隙間から緑が見える。
古い木造なので突然グラっとこないだろうな、、、と頭をよぎる。
頭がクラクラしそうだ。

不老庵を出て臥龍院に向かう。

長い一枚岩が2枚。石まで凝っている。まさかコンクリート製じゃないよね。

臥龍院に入る。

中庭。

神棚。
白い欄間が洒落ている。透ける光が模様を作る。

脇の欄間。こちらも透ける光が模様を作る。

この欄間も洒落ている。透かし彫りなどは多いが、これは独特。センスがいい。

これも独特。鳥のような龍のような花のような。

天井と障子の間の小窓、センス抜群!
さらに驚くのは、内側からだと四角だが、、

外から見ると丸なのだ。

霞月の間(かげつのま)
襖は鼠色で薄暮を表現。汚れてるわけじゃない。
とパンフレットに書いてある。

コウモリ細工の引手。

わざと壁を塗り残して荒れた農家を表現している、とのこと。
でも、右側が直線的すぎる気がする。
まてよ。あえてか。自然に剥がれ落ちたわけじゃないよ、と。

3枚の棚板は「通し落とし掛け」という造り。
うしろの壁には接していない。掛軸がその証拠。
左右の壁に埋め込んだ部分だけで棚の自重を支えている。
左側は廊下なので、左手の壁は普通の厚さ。
右側は押し入れなので、右手の壁の厚さは不明。襖を開けて確認したかったのだが、触れちゃダメ、ということなので未確認。おそらく普通の厚さだろう。
壁の中にどんな構造が隠れているのだろうか。興味深い。

臥龍山荘は不老庵・臥龍院ともに思った以上に凝っていた。
愛媛に来たら立ち寄ることを強く推奨。他ではなかなか見られない。

他はどうかな、と思いつつ、ポコペン横丁に向かう。
う~ん、この名前ではあまり期待できないが、、、

昭和レトロのそれっぽいものを集めた広場。
これといったものはない。

ちょっと珍しいかったのは本当の原動機付自転車。
エンジンとペダルの両方がついている。荷台にはガソリンタンク。
ペダルを漕いで走り出すとエンジンがかかるという仕組み。

ポスターには面白いものがあった。

焼き鳥大ちゃん堂 伊予国・大洲 まぼろし探偵団本舗

とぼけたユーモアがいいですね。

万国百貨大盤振舞(おおばんぶるまい)
少年マンボ
品質優良モダン玩具 文化的駄菓子屋
まぼろし探偵団本舗

少年マンボって何だろう?

ある時はポンまめ屋
ある時は綿菓子屋
またあるときは
お堅いお役人
しかして
その実態は
いりまへん課の
ナゾのおっちゃん達

伊予国・大洲
いりまへん課
まぼろし探偵団本舗

いりまへん課って何だろう?
そもそも、まぼろし探偵団本舗ってどんな商売をしているの?
ナゾは謎を呼ぶ。

夢屋 アンティック&レトロ
天使が乗るのはベアリングか? 手に持つのは何? こちらも謎だ。

思ひ出倉庫という施設に入る。入場料200円。

昭和レトロの収集物が所狭しと並ぶ。ブラウン管テレビに映像がずっと流れていた。

昭和の散髪屋さん。うちの親も散髪屋だったので懐かしい。

最上部に「CACHREGISTER」の文字。手動式のレジです。
「親切勤勉」の文字が泣かせる。レジ係はこれを見て初心に帰り続けます。

本町陸閘(りくこう)
肱川(ひじかわ) との間の堤防を分断する通路。

肱川が増水したときはこの扉を左右から閉めて、、、

このネジでしっかりと締めつける。これで水は入ってこない。

肘川の方から見る。石垣+土塀風のガッチリとした堤防が続く。
こんなに見事な堤防は珍しいのでは。
観光案内の冊子に記載がないのはもったいない。

おおず赤煉瓦館。

元は大洲商業銀行。
「資本金六十万円 積立金二十万円」の表示が面白い。

内部はいくつかの部屋にわかれている。
それぞれに鉄の扉があるのが銀行らしい。守りが厳重。

ある部屋に掛けてあったオードリーヘップバーンの写真。
なぜここに? 意図不明。写真より額縁が大きすぎるのも残念。
でもヘップバーンは好きだから、よしとしよう。

大洲まちの駅に向かう。

老朽化した木造家屋。瓦などの落下防止に網がかけてある。
「古い町並み」タイプの観光地が抱える悩みがここに凝縮されている。
蔵造りや煉瓦造りならましだが、木造の場合はとても深刻だ。
保存・修繕コストをどう捻出・回収するのか。簡単に答えは出ない。

大洲城。
中に入る時間がないので、見上げるだけにした。
雲が、風雲大洲城! の雰囲気でグッドだ。

■今日のヒット賞

ぴちぴちと張りきった健康な若肌こそ初夏の魅力です

まったく同感。

■本日のデータ
内子座:入場料400円。安い。
臥龍山荘:入場料550円。安い。
ポコペン横丁:入場無料。ポスターが面白かったので50円ぐらい払ってもよい。
思ひ出倉庫:入場料200円。妥当。
おおず赤煉瓦倉庫:入場無料。妥当。一部が売店になっている。

■本日の宿
愛媛県西予市(せいよし)宇和町(うわちょう)卯之町(うのまち)
まちなみ広場付近のビジネスホテル