2021/08/26 宇和島から足摺岬へ(D308)

今日は宇和島から足摺岬の宿まで行く。
120キロほどあるので、できるだけ早く出発しよう。

0400 起床。ブログ書き。昨日の分を出発前に終了するのだ。

書きながらコーヒーを飲み、瀬戸内レモンタルトを食べる。

0700 ブログ終了。出発準備。

0900 宿を出発。

少し走ると、こんな看板が、、、

初恋の味、カツ丼弁当
バイカル湖より深い味‥‥唐揚げ弁当

どんな味だろう? ひと口ずつ食べてみたい。
などと考えながら走っていると、ランボルギーニがずらりと並ぶお店が出現。
お店の人にお願いして写真を撮らせていただく。

その中の1枚がこれ ⇩

向かって左、濃い緑色の車が、ランボルギーニ ミウラ。
一般的にはカウンタックが有名だが、名車と言えばミウラだ。

あの~、いくらするんですか?

3億。

さ、3億!

じゃあ、あっちのは?

あれは安いよ。1千万。

確かに安い!
のか?

宇和島・南予(なんよ)のPR誌に ❝津島町岩松 小西本家離れ座敷「色ガラスの家 再生」❞という記事が載っていた。

夜は美しそうだが、昼間でも色ガラスの家が見られたら楽しい。
立ち寄っていこう。

と、岩松の小西本家に向かう。

小西本家到着。
真新しい雨戸が閉まっている。残念。

説明板の最下部に「岩松の町並み」という記載がある。
よし、せっかくなので、観てみよう。

確かに、古い町並みがある。
ほとんどの家に説明板はない。すべて詳細不明。
まあ、ご覧ください。

川の対岸からの風景もどうぞ。

町の駐車場の壁に描かれていた絵が面白かった。
ご覧ください。

ね。なかなかでしょ。
作風が同じなので同一作者のものだと思われるが、制作者未確認。

「古い町並み」エリアでいつも遭遇するものがある。
また遭遇した。

う~ん、お金がないよ。どうしたもんかなぁ。
日本全国どこへ行っても「古い町並み」エリアが抱える悩みはこれです。
(あくまで個人の推測です)

観るのは楽しい。
住むのはつらい。
観ると住むの落差が大きい。

足摺岬へ向かう。

何かの養殖をしている。何の養殖だろう?

港に行ってみた。
答えが落ちていた。

は~い、牡蠣だと思います。
正解。

愛南町(あいなんちょう)に紫電改(しでんかい)(※)の展示場があるという。
ずいぶんマニアックな展示場だ。ゼロ戦ではなく紫電改とは。
なぜ紫電改? なぜ愛南町?
謎だ。
※紫電改:太平洋戦争末期の戦闘機。昔、『紫電改のタカ』(ちばてつや、全6巻)という漫画を読んだ記憶がある。コミックではなく漫画と言っていた時代の作品だ。

ということで立ち寄ることにした。
行けば謎が解けるだろう。

足摺岬へのルートから少しそれて紫電改展示館に着く。

向こうの塔は、宇和海(うわかい)展望タワー。
相棒バイクを停め、歩いてタワーに向かう。

展望デッキが昇降するタイプだ。いいね。
で、入ろうとすると、、、

運行中止。う~む、耐震基準の問題かぁ。

トボトボと展示館に戻り、中に入る。
入場無料。いいね。
愛媛県か愛南町の税金で運営されているのかな。ありがとうございます。

曲がった4枚のプロペラが目を引く。
4枚というのも紫電改の特徴だ。ゼロ戦は3枚。
胴体下の写真は、この機体を含めて帰還しなかった6機のパイロットたち。

20ミリ機関砲。左右に2挺ずつ、計4挺あるのが特徴だ。
ゼロ戦は1挺 ずつ、計2 挺 。

機体の修復は紫電改を製造していた人たちの手によるもの。

敵の機銃掃射であいた穴。
できるだけ手を加えずに、沈んでいたときの状態を残すようにしたらしい。

この機体は、長崎鼻から200メートル沖の海底から発見されたもの、という解説がある。長崎鼻はここから30Kmほどだ。

海底から引き揚げたときの写真。
ここに展示館を作ったのは、沈んでいた海が見える場所だから、という理由。
謎が解けた。

さあ、足摺岬へ向かおう。

山間部を抜け、足摺サニーロードに入る。気持ちがいい道だ。

叶崎(かなえざき)の橋の欄干。カツオか?

こちらはトビウオ。

白く、叶崎灯台が見える。

相棒バイクを停め、灯台に向かう。

5分ほどで灯台。
さらに岬の先端まで進む。

細い道を少し下ると視界が開ける。

透き通った海が美しい。

陽が傾き、岩はシルエットとなる。

竜串(たつくし)海岸の少し手前。赤いのは海中展望塔。足摺海底館と言う。
水深7メートルの海底が見られるらしい。

竜串ビジターセンター うみのわ に立ち寄り、資料をいただく。
う~む、竜串海岸は面白そうだ。

1700 足摺岬より少し手前の宿に到着。

今日は竜串海岸を見る時間がなかった。明日、時間が許す限り見てみよう。

■本日のデータ
カツ丼:初恋の味。
唐揚げ弁当:バイカル湖より深い味。
ランボルギーニ ミウラ :3億円。
岩松の町並み:閲覧無料。有料施設の存在は未確認。
岩松の駐車場壁画:閲覧無料。
紫電改展示館:入場無料。海から引き揚げた紫電改を永久展示するための施設。
宇和海展望タワー: 運行中止。
竜串ビジターセンター うみのわ :新しい施設。資料が豊富。展示もグッド。係員は親切。竜串海岸に行く前に立ち寄ることを推奨。

■本日の宿
足摺岬の近くの民宿。四国で初めての2食付き。周りにはスーパーもコンビニも無い。

2021/08/25 宇和島城の天守に登る(D307)

宇和島城は、現存12天守(※)の一つだ。
当時の構造と材料を生で見られるので、天守マニアにはたまらない。
その天守を見る時間を計画に入れ忘れ、昨夜あわてて宇和島滞在を1日増やして再スケジュール。
※江戸時代かそれより前に建築されて、現在も残る天守。全国で12しかない。

0700 起床。昨夜の計画を煮詰める。民宿はネット予約ができないところが多いので、電話番号をメモ。予約&キャンセルを行う。
朝食は昨日買ったパンとコーヒー。

0900 朝食&宿のキャンセルと確保が終わる。

1000 出かける準備。宇和島城VRアプリをダウンロード。

1100 相棒バイクで宿を出発。10分弱で宇和島城に着く。

三之丸跡でVRアプリを使ってみる。

スマホを向けた方向に昔存在した建物が表示される。

スマホの角度を変えると建物の映像も変わる。

5分ほど登り、長門丸(ながとまる)石垣に着く。

角石(すみいし)が鋭角に削られている。ノミ打ちによるスダレ加工という。
と解説板に書いてあった。

坂を上っていると美しい尻尾のトカゲが、、、
おお、素敵な青ですね! と言ったら、少し止まって写真を撮らせてくれた。

石段を登る。今日は暑い。
晴れるのは嬉しいが、暑いのは嫌だ。わがままな私。

本丸石垣の解説板。
青い線の左側(外側)が伊達が改修した新しい部分、右側(内側)が高虎時代の古い部分、と書いてある。

で、確認してみた。

赤い線あたりはわかるが、上は無理。草が繁ってわからない。

石垣を登ったところの解説板。
五角形の郭の2辺が海に面していたとのこと。
だから宇和島水軍がいたわけか。

江戸時代、あのビルが立ち並ぶところは海。
ずいぶん埋め立てたものだ。

VRを観る。なるほど。

ARに切り替える。スマホのカメラで実際の風景を映し込み、合成して表示している。
サイズ感がチグハグなのが面白い。敵があんな大きな旗を持って攻めて来たら恐怖だ。

15分ほど登り、天守に着く。
整ってはいるが、こじんまりとした天守だ。

伊達政宗の長男がここの領主になって(宇和島伊達家という)、その子供(2代目)が天守を造り直した。その天守が現存していて、それがこれ。
それ以前の天守は、藤堂高虎が築城した。
せっかく高虎さんが実践的な名城を作ったのに、伊達の2代目が「もう戦は無いからカッコ良くしよう」と自分好みに作り直しちゃった、というわけ。

高虎さんの名城がこれ。

ARに切り替えて、両方を重ねてみました(笑)

伊達家には3種類の家紋があるが、それらが天守に並んでいるという。

赤丸を付けたところが伊達家の3つの家紋。
真ん中のが暗くてわかりにくい。

真ん中の家紋をアップで。雀が2羽いるのが特徴です。

天守に入る。入場料200円。

江戸時代末期の改修時に作られた精巧な模型。
改修作業用なので内部まで厳密に正確に作ってある。

カメラのレンズ部分だけ内側に入れて撮ったのがこれ。まるで本物。

こちらは本物。一階の武者走り(廊下)の天井部分。
複雑な構造で二階・三階を支えている。

一階の梁。柱の数倍太い。

二階に登る階段。角度がすごい。まるでハシゴ。

手摺りがお洒落。さすが伊達。
ちゃんと見てね、と解説板に書いてあった。

二階に登る。

二階の武者走りの天井部分。これで三階を支えている。
現存天守は、こういう構造をいろいろな角度から見られるのが魅力。

二階の梁。太い。頼もしい。

三階(最上階)へ登る階段。ハシゴの角度。

登ってから見下ろしてみた。

最上階から外を見る。窓は小さいが殿様気分。

宇和島城の天守、ちいさいので全体の構造がよくわかる。
一見の価値あり。強く推奨。愛媛に来たらぜひお立ち寄りください。

北側登城口から入ったので、南側登城口にある「上り立ち門」を見ていない。
お城の外を相棒バイクで走って行ってみた。

上(のぼ)り立ち門。

薬医門という形式らしい。
薬医門についてはこちらの「薬医門と高麗門」をどうぞ。

1400 宇和島城見学終了。

さて、九島(くしま)を一周しよう。
10分も走れば島に渡る九島大橋に着くだろう。

九島は周囲10Kmほどの小さな島だ。
こういう島には面白いものが多い。ここはどうだろう。

九島大橋を渡り、宇和島側を眺める。
望橋園という展望所からの風景。お墓の上にある休憩所です。

一周を始めようとしたら、こんな表示が。
二輪ならオーケー、のようだ。

狭い道を進む。確かに車ですれ違うのは無理ですね。

はこざきフラワーガーデン。
にしては、ちょっと寂しいかな。

猛禽類が海上でダンス。

10羽以上が低空飛行。

見る見る空に舞い上がり、小さくなっていく。

お~い、待ってよ~。置いてかないで~~!
と叫びながら猛禽ダッシュ。

いいなぁ、あんなに自由に飛べて。生まれ変わるなら絶対に猛禽類だ。
ワシ、タカ、ハヤブサ、サシバ、トンビ、どれでもOK。贅沢は言いません。

あとはずっと単調な風景が続き、一周は30分で終了。
少し早いがスーパーで夕飯を買って宿に帰ろう。

■本日のデータ
宇和島城天守:入場料200円。安い。とても安い。
三之丸から天守まで近く、天守も小ぶりなので、2時間あればゆっくり観られる。

■本日のお酒

土佐鶴酒造 純米酒 酔って候 720ml 1000円ぐらい。

■8/22 砥部のお酒(載せ忘れ)

栄光酒造 酒仙栄光 辛口純米八拾 無濾過生酒 720ml 1000円ぐらい。

■本日の宿
昨日と同じ。 宇和島駅の近く。 2連泊。


2021/08/24 卯之町の伝建地区を散策(D306)

ここは、愛媛県(えひめけん)西予市(せいよし)宇和町(うわちょう)卯之町(うのまち)だ。
ふりがな無しでこの地名をすべて正しく発音できる人は少ないだろう。
「せいよ」か「にしの」か、「うわちょう」か「うわまち」か、「うのちょう」か「うのまち」か。
「愛知」は「あいち」で「愛媛」は「えひめ」、なぜ「姫」じゃなく「媛」と書く?

ニホンゴ、ムズカシイ。ムヅカシイ? ムツカシイ?

宿の近くがたまたま伝建地区(重要伝統的建造物群保存地区)だった。
知っていて宿を取ったわけではない。たまたまだ。
せっかくだから観て行こう。
(日本一周中は「観て」か「見て」か迷うことが多い。「観て」は「見物」だから、当事者意識なしで見る、ということになる。)

宿の近くの一般住宅。
電柱(電信柱かもしれない)に「中心街」の標識がある。
このあたりが卯之町の中心街なのか、と思いつつ歩く。
※電柱は電力会社の所有する柱、電信柱は通信会社の所有する柱。正確に使い分けるのは難しい。

木造三階建ての家。
これを建てたころ、木造三階建ては認可されていないはず。
どのように建築許可を取ったのか、不思議だ。

親亀の上に子亀を乗せて、子亀の上に~、という歌を思い出した。
何のためにこれを? 不思議だ。

同じ敷地内の向かいの家。
何のためにこれを? 不思議だ。

「旧武蔵」という建築物。
明治期に「武蔵(屋)」という屋号で商いをしていたから。
今は「昔のくらしを体験する」施設になっている。

大門(鳥居門)
江戸後期築。詳細未確認。

造り酒屋。(株)元見屋酒店。
「長期熟成(拾年以上)純米酒 開明」とある。
長期熟成の純米酒、あまり聞いたことがない。美味しいのだろうか?

文化の里休憩所。
建物の左右に「うだつ」がある。由緒ある建物か。詳細未確認。

松屋旅館。
江戸時代創業。

宿泊した有名人の名前を記した看板。
知っているのは新渡戸稲造(にとべ いなぞう)ぐらい。
「元国連事務総長」とあるが、確か「事務次長」だったと思う。
五千円紙幣の肖像とか、東京女子大の初代学長のほうが知っている人は多いはず。
あと、種田山頭火は知っていますが、友人までは知らないです。

旅館の向かいの小倉屋。詳細未確認。

看板がないので一般住宅か? だと目立ちすぎる色合い。詳細未確認。

アパートか? 案内マップには「飾り瓦」とだけ記載がある。

その飾り瓦がこれ。シンボルは大根。詳細未確認。

この建物にも飾り瓦が。

水滴か栗に見える。詳細未確認。

こんな飾り瓦も。大黒様はどこへ行っても人気です。

「うだつ」のある建物。左右の小さな屋根が付いている部分が「うだつ」です。
火災から守る防壁。お金がないと作れなかったので、「うだつがあがらない」と言われたらしい。

大正時代の煉瓦壁。向こうは末光家住宅。

末光家住宅。卯之町らしいデザインが残る町並みの代表的な町家。
と案内マップに書いてある。

開明学校。
明治15年築。擬洋風の小学校校舎。

おそらく一般住宅。詳細未確認。
雨漏りをどう直すか、職人さんと家主がご相談中。
そう、この手の家屋は設計ミスによる雨漏りが多く、根本的に直すのが難しいのだ。
職人さんは、根本的に直さないとすぐ雨漏りするよ、と言っている。
家主さんは、でもお金がかかるでしょ、と言っている。
ホントにたいへんですね。

さて、立ち聞きはやめて宿に向かおう。

École Mai Ballet
個人バレースクール。
町や建物とは異質な感じ。でもいいですね。何だかホッとする。

なぜホッとしたのか考えたら、どんどん息苦しくなっていたことに気づいた。

その理由は、以下の写真を見ていただければわかると思う。

老朽化したままの家々。
伝建地区でも修繕ができず放置に近い状態だ。
おそらく町に予算がないのだと思う。
観光客はお金を落とさず(私もそうだ)、税収は増えず、でも文化遺産の保存は重要だ。
国の助成金は微々たるもので、寄付する企業・個人もいない。
八方塞がり。残るのはクラウドファンディングか?
卯之町は悩みを抱える伝建地区の象徴かもしれない。
(この部分、あくまで個人の推測で未確認です。)

0930から始めて1100に終了。1時間半で回り終えた。

さて、次の目的地、宇和島に向かおう。

途中で立ち寄った法華津峠(ほけづとうげ)からの風景。
手前の海は法花津湾(ほけづわん)。
同じ「ほけづ」なのに「華」と「花」。地名は難しい。

午後は早めにチェックイン。
早くブログを書き終えて、宿泊計画を変更せねば。

宇和島城見学を組み込んでいなかった。
明日からの宿をすべて組み替えて日程をずらさねば。
今日中にキャンセルすれば、キャンセル料はギリギリセーフ。
頑張るぞ。

■本日のデータ
入場料が必要なところはすべて臨時休業。
伝建地区は外から観て回るだけならすべて無料。これが問題なのだが。

■本日の宿
宇和島駅の近く。