6月19日(火)17日め 西吾妻山登山(後編):残雪を歩く

30~40分も話してしまったので先を急ぐ。

3本めのリフトを降り、しばらく登ると残雪に出会う。

この残雪を横切らないと進めない。

靴が雪に潜る。

水芭蕉かコバイケイソウ。どちらかわからない。あちこちでかわいい芽を出している。

人形石に出た。ちょうど出会った人とお互いに撮影しあう。

さらに進む。下は大凹(おおくぼ)からお花畑あたりの風景。湿原で景色がいい。

黄色い小さな花が一面に咲いている。(たぶん)チングルマ。

残雪が残る。このあたり一帯は高山植物の宝庫らしい。

その後は岩場が続き、やっと梵天岩に着く。

頂上は見晴らしが悪いらしいので、ここで記念撮影。手に持つのはポッキー風船。ペンション アミティエ さんでいただいたやつ。下山したら「西吾妻山山頂まで登ってきた風船」ということでお返ししよう。

天狗岩に着く。写真のような岩場がずっと続く。見た目よりずっと歩きにくい。遠くに見えるのは吾妻神社。

もみじの新緑が美しい。秋は素晴らしい景色が見られそうだ。

山頂到着。周りは樹木だけ。ぱっとしない風景なので、絵になりそうな角度で撮影してみた。△の赤い標識に「西吾妻山」とある。

山頂から西吾妻小屋まで10分ほど。無人の避難所だ。トイレを使わせていただく。

あとは登りと同じルートで下山する。岩場が多く、くるぶしとひざがガクガクしてくる。リフトの終了が1600なので間に合わないとたいへんだ。タイムリミットがあるのは辛い。

なんとか間に合い、リフト2本を乗り継いで降りる。最後のリフトには乗らず、ゲレンデをグラススキー気分で歩いて降りることにした。

このゲレンデはグラススキー用に芝生を植えて整備したのだそうだ。どんなゲレンデでもグラススキーができるわけではないのだ。

グラススキーをしている目線で撮影してみた。気分だけでも味わえるかな?

ごきげんな感じでペンションまで戻り、預かっていただいた荷物を受け取り、風船をお返しし、ロープウェイに乗る。17時で終了なので乗り遅れないよう気を遣う。

西吾妻山は日本百名山だがマイナーな感じだ。頂上の景色の悪さと岩場の歩きにくさが原因だろう。ロープウェイやリフトの時間の制約があるのもつらい。リフトを使うので歩く距離は短いのだが、脚を酷使する点では磐梯山よりも厳しい。ただ、残雪の中を登りたいならここだ。

【本日のデータ】

走行歩数:21041歩

登山時間:8時間(うち約40分は高橋富幸さんとのおしゃべり)

6月19日(火)17日め 西吾妻山登山(前編):グラススキーの67歳、人生はドラマだ

朝から良く晴れた。登山日和だ。

0845 Tomさん手作りのオニギリを持ち、リフトに乗る。リフト3本乗り継いだところから登山がスタートするのだ。

リフトから見下ろすとグラススキーの準備をしている人が見える。リフトに乗りそうな気配。

お話ししたら面白そうなので、一本目を降りたところで待つことにした。

来た!

こんにちは。若者だと思ったら違いますね。

オレ? 67歳。

元気ですねぇ! 転んだら痛くないんですか?

転べば痛いよ。でも、転ばんよ。元スキーヤーでインターナショナルチームのメンバーだったこともあるから。まあ、それなりにうまいんよ(笑)もちろん、転んだ時に備えてプロテクターは着けとるけど。

これみんな、モトクロスバイク用。何年か前にやってたから。

これがグラススキー。ヨーロッパから輸入したやつ。黄色く見えるところがな、キャタピラみたいに回るんよ。ビニール被せてな、草が絡まんようにしてるのさ。

なるほどね。ところで、どちらからどの位の頻度で来てるんですか?

米沢に住んでる。週に3日ぐらいかな。天気がいい時を選んでな。

若いときは横浜で日産の品質管理しとった。ゴーンが来て人員整理で営業に回されてな、北海道に15年ぐらいいたかな。営業は性に合わんで、仕事のストレスで直腸ガンになってな。ガンが見つかったときは5年も経ってたから、死ぬ覚悟したな。

どうみても営業ってタイプじゃないですもんね。今はずいぶん元気そうですね。

そうか? 肛門や腸を取ったから人工肛門付けてる。ほらこの膨らんでるのが人工肛門だ。

触ってもいいですか? なるほど、固いですね。

どうせ死ぬなら生まれた米沢でと思って帰って来た。そしたらドンドン元気になってな。やっぱりストレスがないのがいいな。

普通のスキーはやらないんですか?

気温が低いとな、免疫力が低下してダメなんよ。だからスキーは暖かくなる3月以降に滑ってる。ここは5月まで滑れるからな。

ネットで探せば出てくるかもしれないので、お名前を教えてください。

高橋富幸。フリースタイルのモーグルってあるだろ。あれで優勝してるから出てくると思うよ。

ありがとうございます。探してみます※

※本当に出てきます。モーグルの初代優勝者。すごい選手です。

滑っているところを写真に撮ってブログに載せていいですか?

ああいいよ。じゃあ、こっちからそっちにこんな感じで滑ればいいかな。

ということで撮ったのがこれ。 

颯爽と滑る姿はさすが! カッコイイ! 滑りまくってドンドン元気になって、いつまでも楽しんでくださいね。

(後編に続く)

6月18日(月)16日め カメラ退院→ペンションでライブにノリノリ

朝、カメラが完治したとの連絡があり、急遽、郡山に受け取りに行くことに。

1000 福島市を出発。

1145 郡山のパナソニックサービスセンター到着。完治したカメラを受け取る。レンズユニットをまるごと交換したようだ。

完治した LUMIX TX2 これが私の専属カメラマンなのだ。

1215 明日は晴れそうなので西吾妻山登山に向けて麓を目指す。ネットで探すと、天元台高原のロープウェイで登ったペンションでは夕食のあとライブがあるらしい。面白そうなので予約。ロープウェイの終了時刻17時の30分前には着かないと。荷物をまとめるのに時間がかかるのだ。

1625 ヒヤヒヤしたがなんとか間に合う。途中で食べたトマトラーメンが最高に美味しかったが、グルメレポートは割愛。

1720 ペンション アミティエ 到着。TomとMieが出迎えてくれる。

ウェルカムコーヒーを飲みながら、かなり突っ込んだ自己紹介。というか、こちらがいろいろ尋ねたのだが。

1900 夕食後のライブが始まった。いきなり、ノリノリ。

お客は私だけだし、二人がノリノリなので私もやり放題!

Mieはとっても若くて可愛く見えるけど実は☆歳!Tomは私と3歳しか違わない。

壁にかけてあるギターのうち3本はTomの製作。どれがそうかわかるかな?

食事もTomが作るし、ペンションの修理もみんなTom。これはTomの作ったディナー。

Mieは、お洋服作ったり、お掃除したり。これはMieの作品。ネット販売もしてるとのこと。

これはMieの作ったデザート。甘いものはMieの担当。ま、そりゃそうだよね。

Mieが一番大切なのはお客さまのおもてなし。Mieが私のリクエストに応えて、お色直し。

次はここに来る前に住んでいた福岡から持ってきたMieのギターで独奏。

真顔で弾くMieと心配そうに見つめるTom。Tomは絵にならないので写真は無し(笑)

福岡は二人の故郷。ここに移って1年と半年ぐらい。

TomはまじめでMieは優しい、とってもいい夫婦。2人が選ぶ曲はお互いへのラブソングのように聞こえる。ジャンルはオールディーズ※。

このヤロー!と心の中で叫ぶ私でした。

最後に、わざとらしい記念写真でお開き。

おやすみなさい😘🌙💤

※オールディーズ (Oldies) は、1950年代~1960年代のアメリカやイギリスのポピュラー音楽。ロックンロール、ロカビリー、ドゥーワップ、ポップスなど幅広い。

【編集後記】

もちろん、ビジネスは大変だ。なんといっても訪問客の絶対数が少ない。10件ほどあるペンションで一般客相手に通年営業してるのはここぐらい。あとは辞めたり、学生やスキーヤーや常連客に特化したり。二人も売り物を買い取ってやってきたのだから。

たいへんなのは最初からわかっている。でも、二人は自分たちの大好きな音楽を楽しむためにペンションという場を支え続けることを選んだ。

二人のお伽の国よ、永遠なれ!