今日は、玉陵(たまうどぅん)&首里城に行く。
世界遺産群の中心的存在だ。
玉陵(たまうどぅん)
※「うどん」ではなく「うどぅん」。
チケット売場。地下が展示室になっている。
まず展示室に行く。
概要説明によると、玉陵は王族の納骨堂。
納骨室の模型。納骨室が3つある。
向かって左が王と妃。真ん中が洗骨室。右が一族。
骨を入れる厨子甕(ずしがめ)。沖縄では、ジーシガーミ、と言う。
中に入ること、触れることを禁じます。
Prohibited to touch and enter inside.
中に入る? 入れるの?
四角いほうはD200×W300×H300mmぐらい。
丸いほうは直径200mmほど。
でも、きっと誰かが入ったんだろうなあ。そうでなければ、この貼り紙は無いはず。
入ったとすれば四角いほうか。
2歳ぐらいの幼児なら入ることもあるかも。
と、考えてはみたものの、今でも釈然としない。
係員に尋ねればよかった。反省。
玉陵に向かう。
外壁。
中央の門から入る。
入ったところ。何もない広い空間。
奥にも門がある。
門を入ったところ。納骨室が並ぶ。
写真は向かって左側。歴代の王&妃が眠るところ。
右側。一族が眠るところ。
3つの扉が面白かった。
向かって左の、王と妃の扉。左扉が黒く、右扉が白い。
真ん中の洗骨室の扉。左扉が白く、右扉が黒い。王と妃の扉とは逆。
向かって右の一族の扉。左右とも白い。
この配色は意図するものか偶然か?
単に、黒い扉は昔からのもの、白いのは最近のもの、というだけかもしれないが。
係員に尋ねればよかった。反省、その2。
さらに、これらの扉、閂(かんぬき)の違いが面白い。
王と妃の閂。左右均等の長さ。左側の留め具がない。破損した感じ。鍵もない。
王と妃の納骨室がこのままで大丈夫なのか?
係員に尋ねればよかった。反省、その3。
洗骨室の閂。閂は左が短く、留め具は左右の扉に付いている。鍵は左の扉。新品。
一族の閂。閂は左が極端に短い。留め具は左1つ右2つ形つ。鍵は右の扉。新品。
3つがこんなに異なるようにしたのは偶然? 意図的?
係員に尋ねればよかった。反省、その4。
洗骨室付近の壁をガリガリとひっかいている作業員。
お仕事中すみませ~~ん。何をなさっているんですかぁ?
△%&☆シダを取っているの。
苔は残してもよくて、△%&☆シダだけ取ってる。
△%&☆シダはほっとくと増えるんだなぁ。
そうなんですかぁ~、お疲れさまですぅ~。
△%&☆の部分、聞いた直後は憶えていたが、3歩あるいたら忘れてしまった。
掃除が終わったエリア。苔だけ残っている。
これから作業するエリア。シダと苔が混在している。
チケット売場のおねーさんたちに質問してみた。
取り除いている植物の名前は何と言いますか?
さっき聞いたんですが、忘れてしまって、、、
後ろにいた男性職員が出て来て回答してくださった。
取ってるやつ? ホウライシダ。はいっ。
と、見せていただいたのがこれ ↓
除草指示書。なるほど。
アレっ? 苔は取らなくてもいいって作業員の方がおっしゃっていましたが、、、
壁はそのままでいいんですが、地面のは取るんです。滑って危ないから。
なるほど。指示書、写真撮らせていただいていいですか?
いいですよ。どうぞ。
ずうずうしい観光客にも親切な対応。学芸員かもしれない。
東の詰所。
西は詰所跡。
さあ、次は首里城だ。4年前に来ているので2度め。
今回は、今年2月から公開された御内原(おうちばら)を見るのがメイン。
あと、城壁全体をちゃんと見る。
結果的に、上の図の赤線部分を歩いた。
こうしてみると、けっこう歩いたなあ。
園比屋武御嶽石門(そのひゃんうたきいしもん)
門の後ろに回り込む。
御嶽は門の後ろのこの空間。
守礼門の下を通り、歓会門に着く。
他の城(グスク)には門の上の木造建築は復元されていなかった。
首里城は復元されている。あると雰囲気が違うね。
向かって右側の隅頭石(すみがしらいし)。
隅頭石は今回の旅で気に入ったものの一つ。美的だ。
中城城(なかぐすくじょう)のもよかった。
門を入って、後ろから見る。
雨が直接当たらず汚れていない石垣部分はきれいだ。
石積みが面白い。
布積みのようだが違う。横を直線にそろえず、ずらしている(写真赤丸)。
布積みだと横にズレやすいはず。その弱点を解消する積み方だ。
おそらく、整層乱積み(せいそうらんづみ)。
素材の琉球石灰岩は柔らかそうなので、加工しやすさを生かしている感じ。
このような積み方も、かなり厳密に復元しているはず。
復元過程について調べたら面白そうだ。
門に続く城壁部分。ここも縦横のラインをずらしている。
気をつけて見ると、あちこちがそうなっている。
チケットを買い、御庭(うなー)に入る。正面が正殿。
赤(敷瓦)と薄黄色(石灰石)を組み合わせた床面のデザインが独特だ。
中央はさながらレッドカーペット。浮道(うきみち)と言う。
独特のデザインセンスが面白い。優秀な建築デザイナーがいたのだろう。
正殿に入る。
ガイドさんの無料案内に申し込む。15名限定。
ガイドさんの案内を聞きながら見学。
内部は撮影禁止だが、外を撮るのはオーケー。
ガイドさんを撮るのも(たぶん)オーケー。
正殿脇の南殿・番所で企画展を開催中。
琉球で使われているさまざまな赤色の展示会。撮影NG。
深い赤や鮮やかな朱など、たくさんの種類の赤がある。
製法もいろいろで、虫を煮て色を抽出するなど、面白かった。
王家の秘宝展。撮影NG。
写真にある二本の脇差。鞘がとても美しかった。
左:青貝巴紋散合口拵(あおがいともえもんちらしあいくちこしらえ)
右:青貝微塵塗印籠刻鞘合口拵(あおがいみじんぬりいんろうきざみさやあいくちこしらえ)
奥書院に掛けられていた掛軸。空気に触れるため、これは複製。
原本は黄金御殿(くがにうどぅん)のガラスケースに入っていた。撮影NG。
正殿二階の大庫理(うふぐい)。
ここで使われているさまざまな赤についてガイドさんが解説。面白かった。
玉座台の脇の彫刻。リスとブドウは幸福を招くのだそう。ガイドさん一押し。
王冠。
玉璽(ぎょくじ)。国王が持つ実印みたいなもの。
大きい。5cm角ぐらいだったと思う。
いよいよ正殿の裏手、御内原(おうちばら)に入る。
国王や家族の生活空間。女性がすべてを取り仕切る大奥みたいなところ。
全体の配置はこんな感じ。
正殿を裏に抜けたところ。後之御庭(くしのうなー)。
寄満(ゆいんち)。国王と家族の食事の準備をしていた場所。
女官居室(にょかんきょしつ)。
世誇殿(よほこりでん)。国王の即位の例が行われた場所。
脇を通って後ろに進む。
金蔵跡。宝物の保管庫。資料がなく復元できないので場所だけ。
さらに進むと、白銀門。
白銀門を入ったところ。寝廟殿(しんびょうでん)。
国王が亡くなったとき、遺体を一時的に安置した場所。
資料がなく、建物は復元できず。基壇のみ。
寝廟殿脇の階段を登る。
東(あがり)のアザナ。城の最東端にある物見台。
城下が一望できる。国王になった気分。
高いのが正殿。裏から見ている形。
東の方向に遠く久高島が見える。細長く霞んで見えるのがそれ。
神が最初に降りた島。
最初のうち国王は久高島までお参りに行っていた。そのうち斎場御嶽(せーふぁうたき)から久高島を拝むことで済ませるようになった。
どちらにしても久高島は信仰対象。
東(あがり)のアザナのすぐ脇。鐘楼があった場所。
時を知らせる鐘。ここなら、あたり一帯に鳴り響いたことだろう。
正殿の方向(西)を望む。城壁の曲線がよく見える。
北側には沖縄芸大。独特のデザインなのですぐわかる。
奥まで行きついたので、戻る。
湯殿跡。正式名称記録忘れ。
女官たちが湯あみする姿を想像するのはご自由に。
世誇殿に戻る。
イベントの真っ最中。
正殿を横から。屋根の上の龍をじっくり見たことがなかった。
よく見ると、とても精巧に復元してあるのがわかる。
髭がピロロン~と曲がりながら伸びているのが面白い。
北殿に入る。今は土産物売場だ。
売場脇の壁。首里城 Q&A。
22問ある。さあ、あなたはいくつ正解できるか。
問題と解答は次のブログを待て(笑)
北殿を出て、城壁の外を東に向かう。
淑順門(しゅくじゅんもん)の前を通り、さらに東に向かう。
ガマ遺構。女官たちの息抜きの場だったという伝承がある。
右上の高いのが、先ほど登った東(あがり)のアザナ。
正面に見える階段は登らず、左に回り込む。
最も外側の城壁を見下ろす。曲線が美しい。上部中央は右掖門(うえきもん)。
西に向かい、右掖門の脇を通り過ぎ、
久慶門(きゅうけいもん)から外に出る。外に出て振り返ったところ。
城壁の外側をまた東に向かう。城壁に沿ってグルっと半周しようという計画。
今いるのは、マップ中央の青い★あたり。
これから時計周りにグルっと回る。
城壁らしい城壁が続く。
左手は沖縄芸大。
東に進むにつれて高くなる。正面に東のアザナ&鐘楼エリアが見えてきた。
東のアザナ&鐘楼エリアの下を通り過ぎ、、、
城壁のカーブに沿って先に進む。
継世門(けいせいもん)が見えてきた。
継世門から中に入る。
正面に美福門が見える。ここからは中には入れない。
右手にある階段を登って、東のアザナのすぐ下に向かう。
左が東のアザナ、右が鐘楼エリア。
階段を右に降りるとガマ遺構。
今いるのは、マップ最上部の黄色い★あたり。
階段を美福門側に戻る。
美福門の前を通り過ぎ、ずっと西まで歩く。
西(いり)のアザナ。
正面の赤い屋根は首里杜館(すいむいかん)。首里城公園レストセンター。
レストラン、カフェ、ショップなどがある。
木曳門(こびきもん)から外へ出る。
門の上には木造の建築物があったはずだが、復元はされていない。
建物があった凹みに雑草が茂っているだけ。
ローカルな門は無視されがちだ。ちょっと哀愁がある、こんな門が好き。
ちょうど歩き終わったタイミグで雨が降り始めた。
カッパのズボンを履く。
カッパの上を着る。
ヘルメットをかぶる。
傘をさす。
スマホと小さなビニール袋を持って樹の下に行く。
Googleマップに宿の近くのスーパーマーケットをセットする。
スマホにビニール袋を被せて相棒バイクに戻る。
フォルダーにスマホをセットする。
傘をしまう。
エンジンをかけて走り出す。
雨が降ると一つ一つに手がかかる。
【本日の宿】
那覇、泊(とまり)ふ頭付近。若い人たちが運営する大規模ゲストハウス。2泊め。
【本日のデータ】
歩行距離:5km
歩数:10,416歩
登った階数:25階
すばらしい。これはすばらしい記事です。
ネット上でこれより詳細でしかも私のツボを突いた首里城のレポートを見たことがありません。
石積みの形が本当に面白いんですよね。
おっしゃるとおり、単純な布積みではなくて、横目地が通らないように工夫されている。
テトリスみたいだなと私は思っていました。
この積み方の面白さがあまり紹介されていないような気がするんです。
「整層乱積み」という言葉、初めて知りました。
御内原のレポートもとても面白いです。
やっぱり資料が少ないんでしょうね。復元できない建物が結構あるんですね。
それにしても、首里城から久高島が見えたんですね!
玉陵の職員に聞けなかった疑問点、これは私にもわかりません(笑
沖縄の師匠にお褒めいただき、とても光栄です。
首里城の石積みは実用面でよく考えられている上に美しいんですよね。
首里城復元に尽力した人たちをドラマにしたら面白いだろうなあ、と思いました。
視聴率がどのくらい取れるかはわかりませんが(笑)
>首里城復元に尽力した人たち
ドラマではありませんが、NHKの『プロジェクトX』で扱ってましたよ。
情報ありがとうございます。
ちょっと調べてみたんですが、この回のようですね。
078回 2002年2月5日 炎を見ろ 赤き城の伝説 ~首里城・執念の親子瓦~ 首里城再建(奥原製陶)
世界遺産に登録されたのが2000年12月なので、タイミング的には合っていますね。