8月26日(日)73日め キャンプ場隣の温泉で骨休み

どうも眩(まぶ)しいと思ったら、とっくに夜は明けている。

子供たちのはしゃぎ声が聞こえる。

あわてなくてもいいけれど、身体の声を聴きながら起きるとするか。

テント宿泊は思ったより快適だった。芝生+銀マット+自動膨脹マットのクッションはなかなかいい。

隣にテントを張った自転車の青年とお話しながらテント一式を畳みバイクに積み込む。雨がパラパラ来る。たいしたことははない。

自転車の青年は17歳、大学1年生。夏休みを利用して東北1周中。

撤収完了。青年も自転車で走り出す。じゃあ、お互い事故には気を付けような。頑張れよ~。

今日の宿は10kmも離れていないので移動は簡単。夕方までキャンプ場の隣の市営温泉でのんびりすることに。

行ってみると、まだ9時だというのにメチャクチャ混んでいる。ファミリーキャンパーたちが多い。キャンプのあとはお風呂でさっぱりしたいのは皆同じだ。

入浴料200円。安い! 今日は「お風呂の日」だからとのこと。ラッキー。

ということで、夕方までのんびり過ごす。

夕方、宿に向かって走り出した直後に目に入ったのがこれ。

温泉とキャンプ場の周辺一帯が広い公園になっていて、この橋もその一部。

のんびり走って宿に到着。ひさぶりにゆっくりした1日だった。

【本日のデータ】
テント撤収:約20分
入浴料:200円(お風呂の日特別価格)

7月23日(月)51日め 羅臼で海と山の露天風呂!

羅臼には海の中に露天風呂がある、というので行ってみる。朝から露天風呂、というのも乙である。

羅臼町から半島の先端に向かって22km、30~40分走るとそこに着く。

瀬石温泉(セセキ温泉)だ。

写真右下に見えるのが露天風呂。確かに海の中だ。

鈴木なにがしの句碑がある。

露天風呂に秋めく浪のささと寄す

今は夏だが、まあ「夏めく浪のドウと寄す」とでもすればよかろう。

これが入り口。個人所有の温泉なので声をかけるのが礼儀だ。

付近の家を探したが誰もいない。出かけているのだろうから勝手に入ることにしよう。所有者が来たら事情を話せばいいだろう。

ということで家の陰で服を脱ぐ。もちろん全裸だ。プールではない。

木の階段で海岸に降りる。

岩風呂の向こうに遠くうっすらと国後が見える。

アップで ↓

振り返って道路側を見上げる。

遮るものは何もない。

この環境の露天風呂に入れるのは、羞恥心を無くした者だけが持つ特権だ。

入っているところを専属カメラマンが撮影してくれた。

潮が満ちてくると湯船が水没する。この時期は、干潮が午前6時ごろ、満潮が午後6時ごろ。今12時少し前なので半分ほど満ちたところか。

まだ湯船に海水は入り込んでおらず、下から湧き出た源泉だけで満たされているようだ。ちょうどよい湯加減。

最後まで所有者とお会いできなかったのが残念。

お風呂を使わせていただき、ありがとうございました。とてもいいお湯でした。

せっかくここまで来たのだから半島の先端に向けて行けるところまで行ってみる。

途中の相泊(あいどまり)温泉でスーパーカブで旅する人と出会う。20分ほどカブ談義。

この相泊温泉も海岸にあるのだが、小屋が作ってあり、外からは見えない。瀬石温泉ではなく、こちらに入る人が多い様子。みな羞恥心があるらしい。

例によって記念撮影。

そのあと少し走るとすぐ終点。

相棒はちょっと走り足りない様子だ。ま、引き返そう。

引き返す途中で昆布が海岸に干してあるのが目に留まる。

近くにいた生産者の方に声をかける。

すごいですねぇ。海にたくさんブイがありますけど、あの下にロープが下がっていて昆布が生えているんですか?

下に下がってんじゃないの。ブイとブイがロープで横に繋がっていて、そのロープに昆布が付いてんの。

最初はね。この細いロープで株を作るの。

仕事を中断して丁寧に説明をしてくれる。すごく親切なのでビックリ。

最初はね、こっちの細いロープで株を作るんだ。

これで1年かけて株を作ったら、太いほうでもう1年育てるの。昆布の養殖には2年かかるわけさ。

天然ものを獲りにいくのはこの船。小さくシンプル。

こいつを使って獲る。

こっち側が手で持つほう。

こっち側が昆布の根元に絡めるほう。先端。これを垂直に海の中にず~っと沈めて行くわけさ。深いときはパイプを継ぎ足すわけ。深さが10mぐらいになるときもあるよ。それで先端を昆布の根元に絡めて、手にもっているほうをグリっと回して絡めとるわけ。

うわっ、考えただけでもたいへんな作業ですね。

こっちへおいで。伸ばすところを見せてあげる。

と、向かったのがここ。この中にいろいろ設備があるようだ。

ここが乾燥室。ほら、中を見ていいよ。

すごい! 昆布で部屋が埋まっている。

どのくらいの時間乾燥させるんですか。

夜干して、次の日の朝まで。朝5時ごろ起きて準備して7時ごろから昆布を外して、そのあと昆布獲りに出て、夕方から夜は獲って来た昆布を広げて乾燥室に入れて、寝るのは夜2時ごろだ。ほとんど寝る間がないな。それが昆布の時期が終る11月末まで続くんだよ。たいへんだよ。

う~ん、たいへんな生活ですね。

こっちへおいで。平らに伸ばすところを見せてやるよ。

中では女性二人が昆布を機械に入れていた。これで平らに伸ばすのだ。この人が(たぶん)奥さん。

こちらの人が(たぶん)お母さん。一家総出だ(と思う)。

こっちは、養殖。

奥さんとおぼしき女性も親切に説明してくれる。

で、天然物がこっち。

ホントだ。パッと見て、全然違う! 大きいし、色が濃いし。立派だ。

天然物はこの下。

わざわざ重しをどけて板をめくってくれる。ほら、こうやって重ねて伸ばすわけ。

うわ、すごい。こうやるんですね。

ご丁寧にいろいろ教えていただき、ありがとうございました。仕事中にすみませんでした。

ほら、これをやるよ。小さくちぎって噛んでもいいし、出汁を取ってもいいし。

うわ、ありがとうございます。遠慮なくいただきます。

ということで、いただいたのがこれ。手のひら2つ分ぐらいある。

出発しようとすると、女性二人が干してあった昆布を片付けていた。

「いろいろありがとうございましたあ!」3人に聞こえるように大きな声でお礼を言って出発した。

う~ん、たいへんな仕事だ。

漂うブイを見る目がさっきまでとは少し変わった気がする。

さて、次は山の露天風呂に入らねば。

羅臼からウトロ方面に少し走ると熊の湯がある。

付近にクマが出没したから熊の湯。

いで湯橋。これを渡る。

渓流。さわやかだ。

渡り終わると、渓流に沿って少し下る。

まず女湯。建物に沿って進むと、、、

おおっ。おおらかな風景。まさに自然の中のお風呂だ。

着替え部屋。

熊の湯入浴十ヵ条。

4つめが面白い。「(例えば十人いるとして)二、三人が熱いと言ってもその人達には従わなくてもよろしいです」 多数決で決めてね、と。

ということで、ここでも記念撮影。着替えが終った人にお願いして撮っていただいた。

すぐ後ろの赤い管から熱い温泉が出ている。熱いのを我慢しているので腰が浮き気味。肩まで浸かれない。熱いのを我慢したせいか、少し健康になった気がする。

さて、今日はウトロ泊。これから半島を横断しなければ。明日は知床五湖散策に再挑戦するのだ。

知床峠は今日も霧。2日連続だ。

霧に包まれた公衆トイレ。黄色の貼り紙が気になる。

本当にヒグマが多いんですねぇ。

こちらは外国人向け。

少し走ると、霧で濡れそぼったキツネが、、、

バイクを停めて写真を撮っていると、トコトコとこちらにやってくる。

何ももらえそうもないのがわかったのか、悲しそうな目つきで草むらに消えていった。

【本日のデータ】

瀬石温泉:混浴。無料。朝~お昼ごろまでがおススメ。所有者がいたら声をかけること。

熊の湯:女湯は女性のみ。もう一方は混浴。ほとんど男性だけが入っているが、女性も歓迎。無料。

6月25日(月)23日め 仙台散策:東北大学の学食で食べてみた

今日はのんびりと仙台市内を散策。

ケヤキ並木で有名な定禅寺通(じょうぜんじどおり)では、結婚式の記念撮影をしていた。

じゃまにならないよう遠くから撮ったので、この写真ではわかりにくいが、道路に敷物を敷いて和装の新婚さんが正座している。撮影は式場のプロカメラマンらしい。

定禅寺通を西に向かって7~8分歩くと高瀬川に出る。川の手前が公園になっていて蒸気機関車が鎮座していた。

説明書きによると、C60系は秋田-青森-仙台-平-上野を走っており、現存する唯一の車両らしい。※写真はすべてクリックすると拡大できます。

公園から高瀬川を望む。南側。

北側。

う~む。

青葉城恋歌に「広瀬川流れる岸辺 想い出は帰らず 早瀬躍る光に 揺れていた君の瞳」とあるので岸辺を歩けると思いこんでいたのだが、、、

これでは岸辺を歩くのは無理だ。

諦めて仙台城址に向ったが、伊達政宗のころのものはほとんど残っていないので、心が躍らない。

調べると二の丸跡地に東北大学が入っているらしいので、そっちのほうが面白そう。さすがに国立大学。広大な敷地に多数の学舎が立ち並んでいた。

大学へ行ったら学食で食べるのが基本だ。豊富なメニューから、ご飯もので最も安い「レギュラーカレー 259円」を注文。

シンプルだが美味しくボリュームもあった。

ハラールメニュー自主基準が掲示されていた。さすが。

満腹になったので市内の酒屋さんでお酒を買って松島に向かう。今回のお酒はこれ。

酒屋さんが宮城県の蔵元「若之井」に頼んで「中取り」をしてもらったものだそう。これに決めた。

※中取り:お酒を搾るときには「あらばしり」「中取り」「押切り」の3つの段階がある。その2番目の段階で汲んだもの。

松島の宿では、露天風呂から島にかかる月が見えた。

なかなかの景色である。

【今日のデータ】

東北大学 レギュラーカレー:259円

若之井 特別純米中取り無濾過生原酒:2620円