9月2日(日)80日め 鳥海山に登る(1日め)

1日目は標準的な速度で6.5~7時間のルートなので、最低でも8時間はかかるだろうと予測。余裕を持って早めに出ることにする。

ちなみに今回の登山ルートはこれ ↓


『山と高原地図 8 鳥海山・月山・羽黒山』昭文社

地図の左上「大平登山口」から出発。右端の「鳥海山」まで登る。山頂は、「新山」(しんざん)、「七高山」(しちこうさん)だ。新山のすぐ南に「御室」(おむろ)小屋がある。ここに泊まる。

0530 起床。

0630 朝食。昼食用のオニギリも受け取る。

0720 相棒バイクを山荘に置き、徒歩で出発。

山荘の下が駐車場になっている。

20分ほど車道を歩く。

0740 大平登山口に到着。

さあ、出発だ。

登り始めはコンクリートの登山道。表面が細かい石なので歩きやすい。

赤い実がなっている。いつものことだが名前がわからないのがちょっと寂しい。

しばらく歩くと低木になり、見通しがよくなる。

眼下に昨夜泊まった山荘が見える。向こうは日本海。

いい天気だ。あっ、月が出ている。

見事な半月。

黒と赤の実が綺麗だ。

夜露に濡れた高山植物。しっとりした雰囲気がいい。

見晴台に着く。標識があるが文字が読めない。向こうは庄内平野。

写真ではなだらかに見えるがそこそこの傾斜。どんどん登る。

花が群生するエリアに出る。ひと休み。

湿地帯に出る。清水大神。登山マップには「涸れること多い」とあるが涸れていない。雨が多かったのだろう。

登山マップに「吹浦口コース」とあるところ。登山道がよく整備されている。

敷いてある石に削岩機の跡がある。石を割って敷いているのだ。このような人たちのおかげで快適な登山ができる。ありがたいことだ。

河原宿というところ。岩がばらまかれたように点在する。

今日のチョコレートはピーナッツブロックチョコ。偶然だが岩そっくり。

少し歩くと分岐点。

どちらに行ってもOK。右手の「鳥海湖」のほうに行くことにする。

高山植物が咲く。時期的には少し遅いのか、枯れ始めているものが、、、

整備された木道になる。正面は鳥海山。ほぼ山頂まで見える。

山肌を進む。鳥海山にガスがかかってきた。

御浜・鳥海湖分岐点。御浜に向かう。

鳥海湖を見下ろしながら歩く。右端の白い線は鳥海湖へ向かう木道。

右手が御浜。ここからは尾根を歩く。

遠く月山(がっさん)が見える。月山も鳥海山と並んで山形県を代表する山だ。

鳥海山山頂のガスが晴れた。見るたびに変化している。

右手に遠く御浜小屋が見える。

雲が眼下に湧きあがる。

庄内平野を望む。

御浜小屋が近づいた。

アップで。大勢の登山者が休憩している。

御浜小屋入り口。

売店の前を通り抜ける。

公衆トイレ。きちんと整備されている。

1110 御浜小屋に到着。登山口から3時間30分。

イスに座ってオニギリを1つ食べる。隣に座った登山者といろいろお話。

ついつい話し込んでしまった。そろそろ出発しよう。

左手が山頂。ほぼ稜線に沿って歩いていく。

しばらく岩場が続く。

砂利道になる。樹木がないので見晴らしがいい。稜線を歩くのは好きだ。

鳥海湖と庄内平野と日本海。

1200 御田ヶ原に到着。鳥海山の山頂はガスっている。

「山頂 3.6km」とある。登山口に「山頂 7.4km」とあったので、半分ほど歩いたことになる。登山口出発が7時40分だから4時間20分かかっている。この調子だと8時間30分ぐらいかかるか。まあ、予想どおり。

鳥海山に向かってどんどん歩く。石が敷かれた登山道。こんな上までよく整備されている。

すれ違った登山者の(たぶん)ご夫婦が「△#$%が咲いてる」と言っていたので撮影した。形の整った綺麗な花だ。花の名前を聞き取れなかったのが残念。忘れたわけではない。念のため。

八丁坂。少しずつ険しくなってくる。

谷あいを抜ける。

七五三掛(しめかけ)。少し広くなっているので休憩ができる。

丸太の椅子で休憩する人たち。

こちらは立ったまま水を飲むだけ。休憩では座らないことが多い。そのほうが気分が持続する。

水を飲んだらすぐ出発。

青い空と白い雲。疲れていても気分上々 ↑

しだいに険しくなってくる。上に白い標識が見える。分岐点だ。

外輪山と千蛇谷の分岐点。どちらからでも新山や御室小屋には行ける。

見下ろすと千蛇谷に下る道が見える。

谷を歩くか尾根を歩くか?

少し遠回りだが尾根を歩くことにする。天気がいいので海を見ながら歩きたい。

外輪山コースに進む。こっちのコースは下らずに登るのだ。

遠く尾根を歩く人が見える。先に行く人が見えるのはいいもんだ。安心する。

あらら、行く手がガスっている。今日は景色はダメか、、、

まあ、とにかく進もう。

文殊岳(もんじゅだけ)に到着。先にいた人に撮影をお願いして記念撮影。

ガスってはいるが青空も見える。次は伏拝岳(ふしおがみだけ)だ。あと0.6km。

ハシゴが見える。こういうのは大好き。急なほど面白い。ワクワクしてくる。

ハシゴを登る。

もう一つ。

稜線を歩く。左側はガスで何も見えない。

これから歩く稜線が見える。右手から左手に向かって山の一番上の稜線を歩くのだ。ガスってはいるが青空が透けて見える。まだ望みはあるぞ。

しばらく歩く。と、彼方に御室小屋。山の斜面にへばりついている。ひえっ~、あそこに泊まるのか。

伏拝岳(ふしおがみだけ)に到着。ここでも人に頼んで撮っていただく。登山者が多いので頼む人には事欠かない。後方、遠くの、ギザギザした山が新山だ。ガスが少し晴れてきた。

海側の景色はよく見える。雲の形が面白い。

青空が広がってきた。いいぞ。

雲の下には荘内平野と日本海。

広すぎて広角でも入らないので、パノラマで撮ってみた。

《パノラマ写真のベストな見方
スマホではなくパソコンで、写真をクリックして拡大し、上下が画面一杯になるように調整して、左右にスクロールしながら見る。現場にいる気分になれる。保障する。

稜線を歩いて七高山に向かう。三脚を立てている登山者もいる。風景写真か。

山のような雲海。山と山。ツーショットを撮ってみた。

アップで。まるで新山。

パノラマ第2弾。

ガスが晴れて御室小屋がはっきり見える。赤い屋根だ。向かって右が七高山、左が新山。

全体としては険しくないが、ときどきハシゴが。ここを降りる。

岩が多くなってくる。上にいるのはさっき撮影をお願いした人だ。遠く見えるが5分もあれば行ける距離、、、5分じゃ無理か、7分にしよう。

ハシゴの2段掛け。いいね! アスレチックみたいで超楽しい。

ハシゴを登ると、また稜線を歩く。

雪渓が見える。ここの雪渓は「心」に似ているというので有名らしい。でも真上から見ないとわからない。

稜線に立つ2人。なかなか絵になっている。

パノラマ2連発。上のと下のを左右につなぐと連続した風景になる。

あの尖ったのが七高山。

七高山の頂上付近で追いついた。高山植物がお出迎え。

赤いリュックがよく目立つ。わかりやすくてグッド。

お互いに撮りっこして記念撮影。

さて、新山の前に、いったん御室小屋に立ち寄ろう。

七高山から御室小屋へ向かう。少し下って、、、

雪渓の脇を通り、、、

もう一度登ると、、、

御室小屋だ。あとはあそこまで降りるだけ。

1530 御室小屋に到着。手続きをし、不要な荷物を小屋に置く。

1545 新山山頂に向けて出発。

全体が岩でできている感じ。

ここにあるのは2つだけ。岩と岩。

ひたすら岩を登る。

ほぼ垂直な岩。これが登れるから不思議。

今度は岩の裂け目を谷底に降りる。ほぼ垂直。ひえっ~、ここを降りるの?

半分ほど降りたところ。降りられるから不思議。

降りる途中で、上を見上げると、、、

ほぼ垂直な岩の壁。ここまで降りられたのが不思議。写真を撮る余裕があるのも不思議。もっと怖いと思ったが、余裕あり。こういうのは得意だ。

下まで降りると岩の外へ出られる。一安心。

と思いきや、、、

まだまだ岩場が続く。ここもほぼ垂直。ガスって来たし、、、

見えた。あれが頂上だ。

ガスが濃くなってきた。どんどん登ろう。

あの尖ったところが頂上だろう。もう一息。

「 ↑ 頂上」の文字が。ここを登れば、、、

1609 新山山頂に到着。めでたし、めでたし。

ここでもお互いに撮りっこして記念撮影。持っている板に「鳥海山」とあるのをお見逃しなく。背景はガスだけだが、それもよしとしよう。

この人たちと一緒でよかった。狭くて三脚を立てるスペースなどなかった。

周りの風景。パノラマで撮ったが、意味ないじゃん! という気が、、、

さて降りよう。

ほぼ垂直に降りる。降りる方が怖い。

降りたと思ったらまた登る。山頂から御室小屋まで20分。

1630 御室小屋へ戻る。

夕飯まで間があるので、敷地内を散策。

ギャラリーがある。

写真のレベルは高い。プロ級。プロかも。

そうこうしているうちに日没の時間に。果たして夕日は見られるか???

空と夕日と雲海と新山の稜線。最高の一日です。

【本日のデータ】
山小屋では隣の人のイビキが強烈だったが耳栓で問題なし。耳栓は役に立つ。

7月28日(土)56日め 阿寒湖から糠平へ:タウシュベツ川橋梁を見に行く

糠平(ぬかびら)にタウシュベツ川橋梁というものがある。糠平湖(ぬかびらこ)の中にあるため、湖の水位の変化によって姿を現したり水没したりするので有名だ。アーチ形をしたコンクリート製の橋梁で、1939年に士幌線が開通する際に作られた。その当時は糠平湖は存在しなかったが、その後ダム建設によって糠平湖が生まれ、湖底に水没する運命となった。

冬から春にかけて姿を現し、夏から秋にかけて水没していくらしい。7月なら上のほうだけでも水面に出ているだろう。行ってみよう。

というわけで、阿寒湖から糠平に向かう。約110km、3時間ほどの距離だ。

阿寒湖にさよならを告げる。向こうに見えるのは雄阿寒岳。

阿寒富士とお別れのツーショット。

足寄(あしょろ)に向かう241号線はもろこし街道と呼ばれている。

あちこちにトウモロコシ畑が広がる。

足寄の道の駅。

野外ステージ?ではコンサートらしきものが開かれていた。歌っているのは素人だろう。垂れ幕も貼り紙も何もないので、何のイベントかは不明。

足寄は松山千春の出身地。千春コーナーがある。

ふるさと銀河線に関する展示コーナーも。

足寄から士幌(しほろ)に向かう。

トウモロコシ畑が続く道を快調に走る。天気はいいし、爽快だ。こういう感じ大好き。

道の脇にチラッと朽ちて置き去りにされたバスを発見。通り過ぎたが、戻ってツーショット撮影。マニアにはたまらない光景だ。茶道のわびさびに通じるものがある。

3ショット、どれも捨てがたい。ポスターにするなら最後のやつかな。2枚目のも、バスのタイヤが半分埋まっているのが分かるのがいい。

糠平に入ると士幌線の橋梁が川の上に姿を現す。タウシュベツ川橋梁だけでなく、さまざまな橋梁が残っているのだ。

これは第三音更川(おとふけがわ)橋梁。1936年建造。コンクリート製だ。

下に降りて近くから見てみよう。

橋梁に近づく。迫力がある。

橋梁のほうへ降りる細い道がある。かなり急だ。木にロープが掛けられている。これがないと降りるのはいいが、登れないだろう。

降りる途中、坂道の真ん中あたりから撮影。何枚か撮ったうちのベストショット。

川岸から。上から見るのとは違う迫力がある。

少し走ると、糠平ダムが出現。

このダムが建設されて糠平湖ができた。

宿の近くで、ひがし大雪自然館という施設を発見。資料あるある系の施設だ。立ち寄ると、駐車場で記念撮影をしている人たちがいる。自転車関連のイベントっぽい。

5人1組、8チームがレースをして、170kmを走ったとのこと。

アップダウンが激しいからたいへんだったろうが、いい天気だし、空気もいいし、楽しかっただろうなあ。お疲れさまでした。

さて、宿はすぐそこだ。早く行って、温泉に入るとするか。

タウシュベツ川橋梁は明日のお楽しみにしよう。

7月27日(金)55日め 雌阿寒岳に登る:初めての活火山

予想どおりよく晴れた。絶好の登山日和。今日は雌阿寒岳(めあかんだけ)に登る。

阿寒岳には、雄阿寒岳(おあかんだけ)と雌阿寒岳(めあかんだけ)がある。

上がそのマップ。阿寒湖を挟んだ対の雄と雌らしい。雌は日本百名山だ。雄は残念! で、雌に登る人が多いらしい。私もそう。なお、上のハートマークは宿泊地点。左下のハートマークは登山口。

登山口は、雌阿寒温泉にある。宿は阿寒湖畔なので、17km、20分ほど走ることになる。

0730 宿を出発。

0800 雌阿寒温泉の駐車場に着く。相棒を日陰に停め、準備。

0830 登山口に着く。駐車場から5分ぐらい。

今日のルートは、まず、案内板マップの上端に赤く「現在地」と書かれた地点から、グリーンのルートを時計周りで歩く。グリーンの文字で「■雌阿寒温泉コース」と書かれているコースだ。雌阿寒岳頂上まで3km。頂上はマップの右寄りの中央やや上。

次に、頂上から時計回りで、下→左と歩いてオンネトー(年老いた沼という湖)に向かって下山する。青い文字で「オンネトーコース」と書かれているコースだ。

さらにそこから、オンネトーの湖畔を少し歩き、オンネトーの中央(赤点)から右上の雌阿寒温泉登山口に向かう。紫の文字で「オンネトー探勝路」と書かれているコースだ。これで、グルっと一周することになる。

頂上から同じルートを引き返すよりも、違うルートを下山するほうが楽しいので、歩く距離は長くなるがこれでいく。

さて、登山届に書いて出発だ。

登り始めはカラマツの林。

すぐに根だらけの道になる。

ちょっと歩くと1合目。3kmを10で割ると300m。1合の間隔は狭いのだ。

根の道が続く。

2合目。

3合目。

石の道になる。

すぐ見通しのよい道になる。こういう道が好き。

4合目。緑があって見晴らしがいい。

岩場になる。

6合目。あれ、5合目の写真がない。どうやら見逃したようだ。

岩と緑のハーモニー?

7合目。

振り返るとオンネトーが見える。

しだいに岩が多くなってくる。

8合目。完全に岩だらけ。

ガレ場を登る。細かい砂利と土なので、ちょっと気を抜くとズルっと滑る。登りにくい場所だ。

可憐な花がところどころに。花に気づくうちはまだまだ余裕。

岩場を登り続ける。かなり急なので手をついて支えながら、ヨイショ、ヨイショ、という感じ。

9合目。頂上はもうすぐだ。

岩より瓦礫が多くなる。滑る。慎重に進む。

右手に突然、噴火口が現れる。覗いていると吸い込まれそうだ。

左手も噴火口。確かに活火山だ! 火口の向こうに阿寒湖。その向こうに雄阿寒岳。

頂上が見えた! 青空に突き出ているのが頂上の標に違いない! この瞬間が好き。

到着。

例によって記念撮影。

虫が多いので昼食は食べずにすぐ下山。

右手に阿寒富士と青沼が出現。

稜線が登山道。カーブしながら右のほうへ進む。

もう一度、火口と阿寒湖と雄阿寒岳のスリーショット。

稜線に沿って歩く。上は右手を振り返ったところ。

下るにつれて、阿寒富士、噴火口、青沼の位置関係がどんどん変わる。上の写真が「作者が勝手に選ぶ今日のベストショット」

火口と青沼のツーショット。

火口のアップ。

9合目。阿寒富士が迫ってくる。

では阿寒富士の単独ショット。登山道がはっきり見える。この位置からだと1時間ほどで登れるようだ。ちょっと迷ったが往復2時間は辛いので素通り。

ガレ場を下る。

8合目。登りのコースとはずいぶん景色が違う。

ここには、こんな注意が。「ここを渡ったら噴火時には下に逃げる地域に入ります。★登って逃げるのはここまでです。」とある。う~む、ここで噴火したらどっちにしろ助からないと思うけどなあ。

少し下って振り返ると登りの人に向けた注意が。逃げる方向が逆になるわけだ。どっちにしろ助からないと思うけどなあ。

7合目。オンネトーが見えた。

背丈ぐらいの樹木の道になる。

さらに進むと大きな樹木の林になる。やっと日陰になった。全身が汗でびちょびちょ。昼食もまだだし、ひと休みしよう。オニギリはいつも明太子(またはタラコ)と鮭。

林の道が続き特に険しい場所もなく下山完了。写真は人が通過するのをセンサーで感知する装置。入山者と下山者を常にモニターしているのだ。このようなエリアだと何かあって下山できず連絡もできないときに早く救助してもらえる可能性が高い。

オンネトー湖畔の登山口に着く。マップ左下に赤く「現在地」とある。残るは紫色で書かれた「■オンネトー探勝路」だ。

オンネトー湖畔を歩く。

水の色が変化して美しい。

歩道にはこんな橋も。ちょっとオシャレでいい感じ。

湖畔から雌阿寒温泉に向かう分岐点。分岐点に気づかず通り過ぎると道に迷ってしまう。ドキドキしていたが、標識があってよかった。

根元が折れて倒れていたので、指している方向はデタラメだったけどね。感謝の気持ちを込めて、正しい方向へ向けておいた。

雌阿寒温泉へ向かう。最初は(たぶん)シダの道が続く。

登り始めたところもアカエゾマツだ。雌阿寒温泉は近い。

(たぶん)17:00 建物が見えた。到着。

初めての活火山、とても良かった! ちょっと長いが最初から最後まで楽しめるいいコースだ。これだから登山はやめられない。