7月3日(火)31日め 初代リトルカブで旅する若者の笑顔がGood

昨日は一本松から北上して宮古に泊まった。今日は、浄土ヶ浜を観てから盛岡に向かう予定。

浄土ヶ浜ビジターセンターに相棒を停め、浜に降りる準備をしていると若者に声をかけられた。

こんにちは、川越からですか。ボク、大和市からです。

大和市ってどこだっけ?

神奈川県です。

ああ、思い出した。昔、日本IBM大和研究所があったところだ。

若者の相棒は初代リトルカブだった。

動かないやつをもらって自分で直したとのこと。人なつこい笑顔がいい。

意気投合していろいろお話しながら浜へ向かう。

日本一周してるんですか。ボクも長期旅行中です。とりあえず北海道に行く予定ですが、日本一周してもいいかも。特に期限は決まっていないので。

期限なしかぁ。それは羨ましいな。でも期限なしって、、、仕事は? 今、いくつなの?

23歳です。バイク店で営業系の仕事していたんですが、どうしても旅に出たくなって。仕事を辞めて出てきたんです。

そうか。若いうちにいろいろやるのはいいよね。時間がタップリあるから、あとからどうにでもなる。オレなんか、66だからあと10年しないうちに後期高齢者と呼ばれるんだぜ。

浜に出る。海が透き通って美しい。

浄土ヶ浜に着く。記念写真を撮りっこする。

するとこんな奇跡のワンショットが ↓  奇跡って頻発するもんなの?

廃墟系が好きだということで、おススメ廃墟を教えてもらったり、秋田出身だということで、ババヘラアイスなる秋田名物を教えてもらったり。楽しい時間を過ごした。

ということで、例によって記念撮影。ビジターセンターの職員さんに撮っていただいた。図々しくお願いしてすみません。

相棒たちのツーショットも。カップルみたいでいい感じ。

じゃあ、お互いに気を付けて。北海道で再開するかもね。するといいね。と若者を見送る。

人なつこい笑顔が素敵な若者だった。まあ、人には言えない悩みや迷いやいろいろあるだろう。でも、その笑顔があれば大丈夫! みんなが味方になってくれるさ。カモメまで味方につけてミラクルショットを撮るのだから。

おーい、若者! 撮影したとき、カモメが写っていることに気づいていた? たぶん気づいていないと思うのだが。私は写真をよく見るまで気づかなかった。このブログを読んだらコメントちょうだい。果たして正解やいかに?

Bon Voyage! 良い旅を!

若者は二戸を目指し、老兵は盛岡に向かう。

浄土ヶ浜を出たとたんランドアバウト(環状交差点)に出会う。こんなところにあったとは!

信号機も一時停止標識もないロータリー交差点で、典型的な「現代的なランドアバウト」だ。交通量が少ない交差点にはメリットが多い。もっとたくさん導入されるといいと思う。

盛岡までは川沿いを走るいい道だったが、工事用の大型トラックが多く、道幅いっぱいの車体をビュンビュン走らせているので、恐怖で生きたここちがしなかった。もちろん、写真を撮る余裕はゼロ。無事に着いただけでよしとしよう。

【本日のデータ】

秋田ではババヘラアイスがおススメ。

7月1日(日)29日め 平泉散策(その4):素晴らしきマイナーエリア(後編)中世の姿をそのまま残す骨寺村荘園遺跡

柳之御所遺跡から19km、約30分のところに骨寺村(ほねでらむら)荘園遺跡がある。今回、一番見たかった場所だ。

例によって、まず資料あるある系に行く。骨寺村荘園交流館 若神子亭(わかみこてい)。

入り口や入ってすぐのところは、地方によくある物産センター。だが、奥に進むと展示棟があり、素晴らしい展示がされている。

展示棟の入り口。左右に木製の柱が立ち並び、別世界の雰囲気を醸し出す。

展示棟内の展示室。中央にあるのは、航空写真を使った骨寺村全体のマップ。正面の壁には「陸奥国 骨寺村絵図」の複製が。中世に描かれたもので、原本は中尊寺に保管されている。骨寺村は、現在も絵図とほぼ変わらない状態らしい。

ちなみに交流館で配布していた散策コース案内。絵図も掲載しているのがいい。

展示棟には展示室とは別に「風のシアター」という部屋がある。

上はシアターの入り口。見学者は私だけだったのだが、親切な学芸員さんが紹介ビデオを上映してくれた。

上空からモーターパラグライダーで撮影した映像に解説ナレーションを付けたものだ。上空から見る骨寺村の風景が素晴らしかった。

ここは資料類も充実している。

これは骨寺村を紹介するA5サイズ16ページの小冊子。とてもわかりやすい。

こちらは発掘調査の概要報告書。A4サイズ8ページ。

展示といい、シアターといい、資料といい、しっかりしている。何よりも資金がある感じ。そこで学芸員さんに尋ねてみたら、オーナー制度を取り入れているとのこと。オーナーの氏名が建物の脇に掲示されていた。やはりね。納得。

家が日帰りできるぐらいの距離ならオーナーになると楽しいかもしれない。

4時を過ぎたので、急いで荘園を見に行く。

これは途中で見たお宅。たぶん農家。2階が前にせり出した構造なのが面白い。初めて見た。

で、今回、一番見たかった荘園の風景がこれ ↓  荘園の中央から西を見た風景。遠く左手に見えるのは栗駒山。わが相棒も控えめに入れてみた。

相棒の右手のほう、田んぼの段差がカーブを描いている。地形を生かした形で畔が作られているのだ。これが荘園当時のままである特徴だ。

こちらは西の高台にある駒形根神社から東を見た眺め。前の写真とは反対向きの眺めだ。ドローンならもっといい写真が撮れるかも。

いい写真が撮れないか動き回っていたので、日暮れ近くなってしまった。これから今日の宿、気仙沼まで64km、2時間と少し。相棒、頼りにしてます。

【今日のデータ】

骨寺村荘園米オーナー会費:一口3万円 ※特典:ひとめぼれ40kg、農業体験、イベント案内

7月1日(日)29日め 平泉散策(その3):素晴らしきマイナーエリア(中編)冷たい水羊羹と柳之御所

無量光院跡後ろの高台から降りたところのお屋敷で草取り中の女性がいる。暑いですね、と声を掛け、しばらく立ち話。

すると、中へ入って休んでいかない? とのお誘い。女性からのお誘いは常に快諾。お言葉に甘えてお屋敷の中へ。

植え込みがよく手入れされているなあ、と思ったら、旦那さまがまさに手入れの最中だった。

品評会に出せそうな錦鯉がたくさん。

冷たい麦茶と水羊羹をいただきながら世間話。お二人とも中学校の教員だったとのこと。旦那さまは社会科、84歳、奥さまは英語、72歳。退職してから48カ国に旅行したそうだ。娘二人は嫁いで、お二人だけの悠々自適生活。東北のおススメスポットをいろいろ教えていただいた。

例によって記念撮影。バックに写るのは築62年の家だそうだが、よく手入れされていて、そうは見えない。お二人ともまめなのだろう。

水羊羹、ごちそうさまでした。冷たくて美味しかったです。

そこから5分ほどのところにある、柳之御所遺跡に着く。藤原氏の政治の中心だった場所ということなので、どんなロケーションなのか興味があった。

小高い丘になっていて周囲がよく見渡せる。高すぎないのでアクセスがよく、権威を示す効果もある高さだ。

発掘調査に基づいて建物の位置が示されている。上の写真の2つの黒いエリア(奥と手前)に中心建物があったらしい。

金鶏山(手前の山)を望むエリアには園地(池)がある。

金鶏山に沈む夕日を見たかったのだが、次の目的地が少し遠いので先を急ぐことにした。

(後編に続く)