2019/4/27 ボクネン美術館へ行く(D160)

名嘉 睦稔(なか ぼくねん)、愛称 ボクネン、という沖縄出身の版画家がいる。
Wikipediaはこちら
オフィシャルサイトはこちら

その美術館が宿から近いので、行ってみることにした。
アメリカンビレッジというベタな観光地の一角にある。

向かって右の建物がそれ。
1階はアカラギャラリーという無料美術館。実態は美術品販売所。
2階がボクネン美術館。

この人の作品(版画)は、いかにも沖縄的な色彩のものが多い。

今回の展示は沖縄以外の土地へ旅したときの風景なので、むしろ面白かった。
作風は同じだが、色彩が穏やかで繊細になっていて、こちらのほうが好みだ。

最上階が「瓦の波展望台」とのことなので登ってみる。「沖縄の屋根展望台」だったかもしれない。

美術館の隣の建物の屋根。この建物は美術館と一体的にボクネンさんが設計したものらしい。
波っぽい。

アメリカンビレッジのさまざまな建物はベタなアメリカン。
その中にあっては異色と言えるかもしれない。

【本日のマニアック】

撮影中に通り過ぎた三輪車。いいね!

【本日の宿】※2019/5/5追記

読谷村(よみたんそん)の58号線沿いにあるゲストハウス。2連泊の2日目。
詳しくは昨日のブログをどうぞ。

【本日のデータ】
ボクネン美術館:入場料 800円

2019/4/22 市場の古本屋 ウララ→軽便与那原駅舎(復刻)→ニライカナイ(D155)

今日は沖縄本島の南側の東端、南城市まで移動する。
途中でいくつか寄りたいところがあるので楽しみ。

まず、水上商店の一つ「市場の古本屋 ウララ」に行く。
きのう行ったのだが、日曜日は定休日だった。火・日が定休日。
なぜ、観光客が多い日曜日に休む?と思ったが、何か理由があるのだろう。

ここは、『蔡温の言葉』を書いた沖縄通の知人に教えていただいた。

店主の宇田智子さんの経歴が興味深い。
1980年、神奈川県生まれ→東京大学卒業→(大型書店)ジュンク堂池袋本店に勤務→同沖縄那覇店に勤務→古書店「ウララ」を開店→『那覇の市場で古本屋 ひょっこり始めた〈ウララ〉の日々』(2013年 ボーダーインク刊)を出版→第7回「(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞」を受賞。

ね。面白そうな人でしょ。
ジュンク堂って何?とか、どんな内容の本なの?とか、その賞って何?とか、何も知らなくても面白そうでしょ?

で、行ってみた。

二言三言お話。
、、、
、、、
会話が続かない。
そっけない。というのが最も妥当な表現か?
すごくシャイなのかもしれない。商売には向かないタイプ。
元日本兵の風貌だからな、とも思ったが、警戒されている感じはない。別のお客さんとの会話も似たような感じ。

完全にリサーチ不足。
まず、著作を読んで、もう少し理解してから改めて来よう。
早ければ3年後。
これでまた一つ楽しみが増えた。

会話が弾んだらツーショットを撮らせていただこう、と目論んでいたのだが、言い出せず。

ということで、ここまで写真なし。

何も買わずに帰るのもバツが悪いので、知人に薦められた書籍を買う。

『ぼくの〈那覇まち〉放浪記』新城和博著 ボーダーインク刊

知人の著書『蔡温の言葉』の担当編集者が書いた本。
表紙の写真(上)は例のジオラマ(昨日のブログ参照)。

※「新城」は地名なら「あらぐすく」だが、人名だと「しんじょう」。日本語は難しい。というより沖縄・琉球の発音が独特。

新城(しんじょう)さんのサイン本。価格は定価。
宇田さんが私を歓迎してくれた証に違いない。
3年後じゃくて、沖縄本島を離れる前に宇田さんの著書を買いに来ようかな。
もちろんサイン入りで。

次は、軽便与那原駅舎
軽便鉄道開業100周年を記念して復元された。2014年4月完成。
「軽便」とは「軽便鉄道」の略。詳しくはWikipediaで。

元々がコンクリート製。
最初は木造だったが、昭和6年にコンクリート製に建て替えられた。
それを復元したもの。

入り口。日付が重要。来訪年月日の証明。
平成最後の月。と言い出したらキリがないけど(笑)

受付。かわいい知的なお嬢さんに受付をしていただく。
それだけで好感度アップ。男はいくつになっても単純だ。

切符形入場券。
下の切り込みは改札鋏(かいさつばさみ)で自分で入れた。細かい演出がグッド。

だが、改札鋏が2つあり、切り込みの形状が異なる。
(しまった! 改札鋏の写真を撮るの忘れた)
切り込みの形は駅によって異なる。2つの改札鋏がこの駅のものなら形状が異なるのはおかしい。この駅のものなのか? 気になる。

受付のお嬢さんにお伺いしたところ、
この駅のハサミは残っていないんです。ほかの駅のハサミです。寄贈されたものを置いています(ニコッ)
とのこと。
残ってないなら仕方ないよね。その笑顔だけで十分ですよ。

駅舎の歴史。

寄贈された船の模型。電車とは無関係だが、寄贈されたので展示。
こういうの好きです。入場者のみなさん、展示理由は問い詰めないでほしい。

馬車。寄贈品。鉄道馬車ではなさそう。鉄道馬車なら前輪と後輪の左右の間隔が同じはずだが、厳密に観察しなかった。

ジオラマ。昭和6年当時の駅舎前。
街っぽく撮ってみた。メインストリートをアップで撮ったほうがよかったかも。

木造当時を描いた絵。かなりシンプルな建物だ。

なぜ、最初の木造駅舎ではなく、そのあとのコンクリート製を復元したんですか?
と、かわいい知的なお嬢さんに尋ねてみた。

お嬢さんいわく、
当時はモダンな最先端の建物でしたので。
当時、コンクリート製はこの駅だけだったんです。
他はみな木造でしたので、復元するなら当時注目を浴びたコンクリート製を、ということですね(ニコッ)

なるほど。
絵で見る限り、木造駅舎はシンプルすぎて、復元の意味がないのかもしれない。

ニライカナイへの道、の手前に展望台がある。写真左手の道を歩いていく。
ニライカナイ:異界、他界、神界、理想郷。詳しくはWikipediaで。

展望台から見るニライ橋とカナイへ橋。手前がニライ橋。向こうがカナイ橋。
ニライ橋を走るミキサー車の塗装が海とマッチしていたので入れてみた。

う~む、上の写真、今見ると、ジオラマっぽい。ミキサー車がおもちゃみたいだ。
だんだん何が現実かわからなくなってきた、、、

展望台へ向かう途中の風景。自衛隊のミサイル車とレーダー。ジオラマではない。
鉄条網の下に、ドローン飛行禁止の注意書きがある。ジオラマを作るならこれも再現したい。

草刈りをする若い自衛隊員。

正門に行ってみる。
知念分屯(ぶんとん)基地用地区。

正門警備の自衛官とお話。
分屯基地って何ですか?

分屯基地っていうのは実戦部隊がいる基地っていうこと。指揮官がいる基地は別のところにあるの。

そうなんですか。どうもありがとうございます。

戦闘になったとき、ここは攻撃されるけど、指揮官のいるところは攻撃されないんですね(と心の中でつぶやいた)

さっきの若い自衛官がずっと草刈り。
この人が戦うような事態が訪れないことを願うばかりだ。

ニライ橋を渡り、、、

カナイ橋に差し掛かる。遠く青い海が見える。

気持ちよく走り、知念岬公園に着く。

観光バスでやってきた外国人団体さん。
なぜか赤Tシャツ&赤キャップの人が多い。理由は聞きそびれた。

宿に向かう。

パラグライダーが飛んでいる。知念岬公園の方角。
海風が崖にぶつかってできる上昇気流に乗ってずっと飛んでいた。
いいなあ。頑張って今年中に飛べるようになりたい。

宿に着く。

三線(さんしん)を練習する宿泊客。
のどかな(少しぎこちない)歌声が聞こえてきた。

【本日の宿泊地】※2019/5/5追記

斎場御嶽(せーふぁうたき)の近くのペンション。久高島へ行く船のターミナルも近い。70歳前後のお母さんと娘さんとで運営。お母さんがとても親切。糸満市出身。糸満高校応援のTシャツを着ていた。
高台にあるので海がよく見える。
夕飯はベランダから海を見ながらコンビニ弁当を食べた。
朝食付き。地元の食材を使っていて美味しかった。久しぶりのまともな朝食。
2連泊の1泊目。

【本日のデータ】
軽便与那原駅舎(復元)資料館入場料:100円
受付のかわいい賢いお嬢さんの笑顔:(何度でも)無料

2019/4/21 国際通り&壺屋やちむん通り界隈を歩く(D154)

今日は、国際通り&壺屋やちむん通り界隈を歩く。
美術展、博物館、レッドカーペット、暗渠(あんきょ)、壺屋など、予定は盛りだくさん。

那覇市民ギャラリーでやっている山田武さんの展示会に行く。
宿から徒歩7分。
この人、沖縄の絵を水彩画で描く。知人のブログのヘッダー画像に使われていて、いいな、と思っていた。
たまたま山田武さんのブログを見たら、今日まで展示会と書いてあるではないか。
きっと会場にいるに違いない、と思ったら、大正解。

いろいろお話して、本人の油絵を中心に記念撮影。
油絵もたまには描くと言っていた。

この写真の私、山の中で発見された元日本兵、みたいになっている。
何とかせねば。

次は、那覇市歴史博物館。沖縄に詳しい知人が、見たい、と言っていたジオラマがある。知人は(たぶん)見ていないと思う。

うふふ、私のほうが(たぶん)先に見ることになるのだ!

ジオラマの解説。

「沖縄のなは」復元模型。
「昭和初期の那覇のメインストリート 大門前通り
 昭和7~12年頃を想定 縮尺 1/100」、とある。

銘板。
「大門前」は「ウフジョーメー」と読む。
「通り」は何と読むのだろうか。フリガナが無い。惜しい!
「トオリ」なのか「ドオリ」なのか、どちらも違うのか?

精密なジオラマなので、本物の風景のように撮影してみる。

路面電車と車引とお店の看板。
路面電車の前の日傘のご婦人。日本的顔立ちの整った美人です。

少し違う角度から。路面電車の運転手が日傘の美人を見つめています。
後ろからでも美人はわかる。

街のシンボル的建造物。名称不詳。
左手の黄色い車は商談相手、建造物のオーナーは右の黒い車。

違う角度から通りに沿って。

電柱 or 電信柱が細かく作られている。
作った学芸員さん、マニアだねぇ。
※電柱(でんちゅう):電力会社の所有物。
 電信柱(でんしんばしら):通信会社の所有物。
 正しく使い分けるのは至難のわざ。

国際通りでは沖縄国際映画祭レッドカーペットの真っ最中。

写真を撮る手と手と手と手。それを撮る私。それしか撮れない私。
腕があまりにもサトウキビ畑。
ザワワ、ザワワ、、、かすかに歌が聞こえてきた気がした。

レッドカーペットの終点は、てんぶす那覇という施設の広場。
写真右下にステージが設けられている。
この写真はてんぷす那覇の3階から。ここが特等席かも。

こちらは2階から。ここもいいね。

こちらは4階。ラジオ中継中。みなさん、ノリノリでやっていた。

レッドカーペットはこのくらいで十分。街を歩こう。

国際通りで見かけた「那覇市の小さな芸術家絵画作品」
小学生の絵にはときどき驚くような個性的なのがある。
向かって右端の運動会の絵もそう。この遠近感! この構図! 素晴らしい!

てんぷす那覇1階のコンビニでおにぎりを買い、裏の希望ヶ丘公園で食べる。

目の前にはこんな展示物が。

那覇大綱挽(なはおおつなひき)

こんな感じで綱を引く。
那覇大綱挽:那覇大綱挽まつりのメインイベント。詳しくはWikipediaで。

希望ヶ丘公園のすぐ西側に「水上店舗」と呼ばれる商店街がある。
店舗の下が暗渠になっていて川が流れている。商店街を歩いても流れは見えないが。

水上店舗:詳しくは沖縄タイムス+の記事をどうぞ。
川の名前はガーブ川(ガーブがわ、我部川)。詳しくはWikipediaで。

どこから暗渠が始まるのかを調べたら、のうれんファームという施設の隣。
行ってみよう。

ここがそれ。ごくフツーのさりげない雰囲気で暗渠が始まる。
水はきれい。魚がたくさん泳いでいる。
写真右上に小さく「太平商店街」の文字が見える。
あの商店街の下を川が流れているのだ。
面白いね。

この画像には alt 属性が指定されておらず、ファイル名は P1320484-1280x853.jpg です

のうれんファームで昼食。
手巻きオニギリで、水上店舗に乾杯!

周辺をブラブラする。

飲み屋さんが集まったビル。
「大人の駄菓子屋」というのが妙に気になる。

青い建物がおでん屋さんとは思えない。看板は効果的。目につく。

昼間から飲む人たちで賑わうお店。龍の絵のヘタウマ感がいい。

壺屋やちむん通りの那覇市立壺屋焼物博物館に入ってみる。
※やちむん:焼物。

やちむんには、上焼(じょうやち)と荒焼(あらやち)の2種類がある。
上焼は釉薬(ゆうやく)を使い、荒焼は使わない。
ということをここの展示で知った。
細かいことは忘れても、これだけ覚えておけばいいだろう。

3階には個性的なやちむん製シーサーが展示されている。
館内は写真撮影禁止なのだが、ここだけはOK。

ということで、シーサー写真展。

通りを歩く。

伝統工芸士 新垣 修 氏の作品。
ド迫力。

指先ぐらいの花器。玄関に置いたらいい感じ。

手書きの案内マップ。
琉球料理 ぬちがふう までの道案内(20歩約1分)
※「ぬちがふう」は「命果報」と書く。
 20歩を1分ということは1歩3秒。ゆっくり過ぎて歩くのたいへん。

新垣勲窯・陶美館の壁。いい味出してる。

まじる商店。赤い自転車がアクセント。いつも置いてあるわけではない、と思う。

通りから見える風景は、それぞれ趣がある。

クロトン。和名は変葉木(へんようぼく)。沖縄のイメージ。

東(アガリ)ヌカー。村の共同井戸。

壺屋やちむん通りの終点 or 出発点。

同じ通りを引き返す。来るときに見逃したところを見て回る。

通りから少し外れたところの塀。やっぱり通りから少し入るといいね。

新垣(あらがき)家住宅。
壺屋地区に残る陶工の住宅。施設のほぼ全容を残しているらしい。
右手に見える屋根が東ヌ窯(アガリヌカマ)。登り窯だ。
左手にちょっと見えるのが井戸の水を汲む滑車。
登り窯:傾斜地を利用して上部を高くしてある窯。詳しくはWikipediaで。

私有地で公開されていないため、外から写真を撮るしかない。

正門から敷地内を見たところ。

(おそらく)住居部分。お一人で暮らしている方がいるらしい(※)
※すぐ近くの新垣陶苑のご主人が親戚。この人のお話による。

南窯(ふぇーぬかま)という名のカフェ。
この隣に登り窯がある。

昼寝をする猫を睨むシーサーを眺めながら裏手に回り込む。

屋根の下が本物の窯。

下から見たところ。
長さ約20m、幅約3m。カマボコ型で、粘土造り。こちらも登り窯。

【本日のマニアック】

TOYOTA Origin(オリジン)。
トヨタ自動車生産累計1億台達成記念車。1000台限定車。2000年発売。
初めて見た! レトロ感がいいですねぇ。

【本日の宿泊地】※2019/5/5追記

那覇市街。ゆいレール 県庁前駅 徒歩7分。駐車場が離れた場所で1日300円。
3連泊の3泊目。

【本日のデータ(やや脱線)】
戦国武将・古田織部を主人公としたコミックに『へうげもの』というのがある。
焼物の話がメインストーリーで、「登り窯」はそこで知った。

へうげもの 山田 芳裕 著  モーニングコミックス 2005/12/22
※第1巻はkindle版で無料閲覧可能。

【本日(公開日)の思索】4月27日18時30分追記

これを書いて公開した今日は4月27日14時ごろ。
内容は4月21日だから6日遅れだ。

当日の意識と書いている今日の意識との差を感じつつ、両方を織り交ぜながら書く。
これが面白いなあ、と今日は強く感じた。
なので、忘れないように、そのことを書いておくことにする。

6日経つと、クールダウンするというか客観的になる感じ。
それが良いか悪いか、面白くなるのかつまらなくなるのか、それはわからない。

写真を見て、撮影したときには気づかなかった発見もある。
それを、あたかもわかっていたふりをしてさりげなく書く、というのもけっこう楽しい。
一粒で二度美味しい、という(今は忘れ去られた)キャラメルの宣伝文句みたいだ。