7月6日(金)34日め 八幡平:濃霧に包まれた廃墟松尾鉱山

小岩井農場でアイスクリームを買ったあと八幡平へ向かう。天気がよければ爽快なルートだ。

八幡平温泉郷の近くに松尾鉱山跡がある。ここは、廃墟マニアに人気のエリアの一つだ。浄土ヶ浜で出会った若者に強く推奨されたので興味がわいていた。

まず、八幡平温泉郷の手間にある松尾鉱山資料館に行く。

これは当時、掘って精製した硫黄を運んだ電気機関車。

こっちはその隣の展示物。なんでしょうね? よく調べなかった。失敗。

資料館内は撮影禁止なので入り口だけ許可をいただいて掲載。写真や説明や日常生活品など当時の状況がよくわかる展示品が満載。学芸員さんの説明も丁寧でわかりやすい。松尾鉱山跡に行く前に立ち寄ることを強く推奨!

松尾鉱山跡で一番のスポットは緑が丘団地。団地の廃墟が立ち並んでいるのだ。高いエリアにあるのでガスって見えないかもしれないが、ダメ元で行ってみる。

団地の手前にある1棟だけ独立した集合住宅。窓から顔を出す樹木。裏の窓(写真右下)からチラッと見える樹木。これだけで廃墟感満載。

残念だが、ここから先は立ち入り禁止。団地に近づくことはできなかった。

晴れていれば右手の濃霧のところに団地が見えたはず。残念!

【編集後記】

平泉も松尾鉱山も、「夢の跡」という点では同じなのだ。一方は世界遺産と呼ばれ、一方は廃墟と呼ばれ、、、

若者や私が世界遺産より廃墟に引き付けられるのはなぜだろう?

7月1日(日)29日め 平泉散策(その4):素晴らしきマイナーエリア(後編)中世の姿をそのまま残す骨寺村荘園遺跡

柳之御所遺跡から19km、約30分のところに骨寺村(ほねでらむら)荘園遺跡がある。今回、一番見たかった場所だ。

例によって、まず資料あるある系に行く。骨寺村荘園交流館 若神子亭(わかみこてい)。

入り口や入ってすぐのところは、地方によくある物産センター。だが、奥に進むと展示棟があり、素晴らしい展示がされている。

展示棟の入り口。左右に木製の柱が立ち並び、別世界の雰囲気を醸し出す。

展示棟内の展示室。中央にあるのは、航空写真を使った骨寺村全体のマップ。正面の壁には「陸奥国 骨寺村絵図」の複製が。中世に描かれたもので、原本は中尊寺に保管されている。骨寺村は、現在も絵図とほぼ変わらない状態らしい。

ちなみに交流館で配布していた散策コース案内。絵図も掲載しているのがいい。

展示棟には展示室とは別に「風のシアター」という部屋がある。

上はシアターの入り口。見学者は私だけだったのだが、親切な学芸員さんが紹介ビデオを上映してくれた。

上空からモーターパラグライダーで撮影した映像に解説ナレーションを付けたものだ。上空から見る骨寺村の風景が素晴らしかった。

ここは資料類も充実している。

これは骨寺村を紹介するA5サイズ16ページの小冊子。とてもわかりやすい。

こちらは発掘調査の概要報告書。A4サイズ8ページ。

展示といい、シアターといい、資料といい、しっかりしている。何よりも資金がある感じ。そこで学芸員さんに尋ねてみたら、オーナー制度を取り入れているとのこと。オーナーの氏名が建物の脇に掲示されていた。やはりね。納得。

家が日帰りできるぐらいの距離ならオーナーになると楽しいかもしれない。

4時を過ぎたので、急いで荘園を見に行く。

これは途中で見たお宅。たぶん農家。2階が前にせり出した構造なのが面白い。初めて見た。

で、今回、一番見たかった荘園の風景がこれ ↓  荘園の中央から西を見た風景。遠く左手に見えるのは栗駒山。わが相棒も控えめに入れてみた。

相棒の右手のほう、田んぼの段差がカーブを描いている。地形を生かした形で畔が作られているのだ。これが荘園当時のままである特徴だ。

こちらは西の高台にある駒形根神社から東を見た眺め。前の写真とは反対向きの眺めだ。ドローンならもっといい写真が撮れるかも。

いい写真が撮れないか動き回っていたので、日暮れ近くなってしまった。これから今日の宿、気仙沼まで64km、2時間と少し。相棒、頼りにしてます。

【今日のデータ】

骨寺村荘園米オーナー会費:一口3万円 ※特典:ひとめぼれ40kg、農業体験、イベント案内

6月29日(金)27日め 一関散策:日本刀と厳美渓

一関駅前の宿から一関博物館に向かう。街の何気ない風景がいい。

酒蔵の風景もいい。

一関博物館。まず相棒とのツーショット。

となりの、もちと湯の郷 都市農村交流館 博物館。写真にはないがこの右手に道の駅厳美渓がある。

博物館で撮影許可証に記入。ブログへの掲載許可もいただく。

岩手は日本刀の始まりともいわれる舞草刀で有名だ(知る人ぞ知るなのか、有名度は不明) 少なくとも私はこの刀が見たくてこの博物館にやってきた。平泉より楽しみにしていたくらいだ。

これは南北朝時代の刀。

銘がはめ込まれているのが珍しい。「額銘」という。解説はこちら。

展示品の中で一番気に入ったのがこれ。

波紋が繊細で美しい。「宝寿」という銘が入っている。

指定文化財になっているのか。納得。でも解説を読んでも意味がまったくわからない。解説の解説が必要だ。時間をかけて調べればわかるのだろうが。

日本刀製作過程の展示。ビデオもある。

舞草刀のほかに和算など一関と関係が深いものの展示もある。

これは和算の展示の一部。魔法陣の問題。写真ではわかりにくいのでアップで。

3×3×3=27 のボールがあり、それぞれに数字が書かれている。直線で連続するどのボールの3つの数字を足しても同じ値になる、というのが魔法陣だ。縦・横はもちろん斜めの3つ合計も同じになるのだ。

下に引き出し(正解)の写真を記載した。自分で考えたい人は下は見ないで。※博物館から苦情が来たら削除します。それまでの限定公開(笑)

↓ 3

↓ 2

↓ 1

↓ 0

博物館を出て厳美渓に向かう。

これは旧鈴木家住宅。250年前に建てられたもの。今は農林漁業資料館。

雉を発見。ボケているが、赤い頭が見える。

お医者さんの旧住宅。昭和の香りがする。隣に新しい医院がある。

厳美渓に降りる。水位を測る杭が並ぶ。

御覧場橋。歩くとなかり揺れる。

では、厳美渓の風景をいくつか。

左上奥に見えるお店と手前の東屋を結ぶラインが見える。お団子を注文するとこのラインを滑ってお団子がやってくるらしい。空飛ぶ団子、というそうな。

で、注文しようとしたらこんな掲示が、、、

いやな予感。そっとお店のほうを注視すると、、、 

あっちゃ! やっぱりね。生まれつきこういう運は持ち合わせていない。どうも土日限定の営業らしい。こちらを見ている人がいる! と思ったら木彫りの人形。う~む、芸が細かい。

全体を案内図で把握後、散策コースに沿って歩く。

平日(金曜日)のためか、観光客はそれほど多くない。このくらいの客数だとお店はたいへんだろうな、と思って周囲を観察すると、こんな光景が。

「休業中」の貼り紙。ずっとなのか平日だけなのかは不明。

どう見ても廃業したとしか思えない宿泊施設。

シャッター通り風の風景。営業しているお店で尋ねたら2件とも廃業したとのこと。

こんなお店も。

老朽施設に挟まれた伏見稲荷大明神が妙に気になったので行ってみる。

稲荷大明神の周りの風景がとても不思議だ。昔、ここで楽しんだ人たちは今どうしているのだろう。このテーブルいいですね。ピカピカに磨いて庭に置きたい。

どうちがうんですか? とお店のおねーさん(アラウンド70歳)にお伺いしたら、きんくらは薄めであかくらは少し濃いけどくろくらが一番濃いよ、というご説明。

じゃあ、ということでこの2缶を買う。

ホテルに戻ってスーパーのお弁当を食べながら飲むのが楽しみだ!

【本日のデータ】

一関博物館入場料:300円(大人)

地ビール2本:680円