沖縄の世界遺産群でまだ行っていないのが識名園(しちなぬうどぅん)。
首里城の南にあるので南苑(なんえん)とも呼ばれる。
琉球王国最大の別邸で保養や接待に使われていた。
今日はここにいく。
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入口。右手がチケット売場。観覧料400円。
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入るとすぐ番屋がある。門番さんたちの詰所。
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正門に向かう。沖縄では大きいガジュマルがどこにでもある。
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いわゆる回遊式庭園なので、中心となる池に向かう道を進む。
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池の前に出る。
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池の左手にある、育徳泉(いくとくせん)。
水が信じられないほど透き通っている。
この水はどういうルートでここに来るのだろうか?
雨水が入って濁ることはないのだろうか?
不思議だ。
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水の中に黒く見えるのは、シマチスジノリ。
淡水に育つ紅藻類(こうそうるい)。もずくみたいな感じ。
育徳泉のこれは天然記念物に指定されている。
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御殿(うどぅん)。
国王などが過ごす建物。525平米、159坪もある。
建物の中を覗き込んで、入ろうかと迷っていた。靴が登山用なので、脱いだり履いたりがめんどくさい。
すると、こんな声が聞こえてきた。
すみませ~ん。廊下に座っての飲食はやめていただけますか。汚れるとまずいので。
私、ここの学芸員です。休暇中なのでこんな(ラフな)格好ですけど。
見ると、数人の年配者グループが注意されている。
すみませーん。そう言って年配者グループは素直に飲食をやめた。
おっ、学芸員さんか、チャンスだ。そう思い、質問。
あのぅ、休暇中のところ、すみません。ちょっとお教えいただけますか。
パンフレットに、明治末期から大正のはじめころ増改築された、ってありますが、具体的にはどのような内容だったんですか。
ああ、そうですね。ちょっとこっちへ来てください。と言って靴を脱いで廊下に上がる。
そこで靴を脱いで廊下に上がって。そう言って先に進んでいく。
しまった。これじゃ、上がるしかない。
靴を脱ぎ、廊下に上がる。
はい、こっちへ来て。これ見て。
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ほら、この図のね、この部分。
※赤線の部分。赤線は写真に追加。現物にはない。
この、台所などの部分が増築されたと考えているんです。
増改築よりも古い時代の図面にはこの部分がないんですよ。
なるほど、そうなんですね。
もう一つ、いいですか。ここに「あめはし」ですか、「雨端などに民家風の趣を取り入れています」って書かれていますが、これはどの部分のことですか。
ああ、「あまはじ」ですね。「雨端」はここです。
![この画像には alt 属性が指定されておらず、ファイル名は P1353528-e1557745988883-853x1280.jpg です](https://fusoki.com/wp-content/uploads/2019/05/P1353528-e1557745988883-853x1280.jpg)
外へ大きく突き出した庇(ひさし)がありますよね。この部分のことです。このような部分を「雨端」っていうんです。
なるほど。庇が二重になっていますね。面白いですねぇ。
そのあとも少しお話。
ここは最近まで尚国王の末裔が所有していたらしい。
先の大戦で破壊されたのを復元したのは尚家末裔とのこと。補助金は出たようだが。
ニュースTV取材撮影が入る予定なども教えていただいた。
学生の姉妹がここで琉球舞踊を踊るらしい。
QAB琉球朝日放送、5月14日18時からのニュースで放映予定。
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と、ここまで書いて、今の日時を確認。
5月14日19時07分。
ああ、過ぎちゃった。
奄美大島に向かうフェリーの中なので、電波が届かず、TVは映らないのだが。
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せっかくのお休み中、お時間取らせてすみません。ありがとうございました。
せっかく上がったので、一通り見ることにした。
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正面玄関から右手を見たところ。向こうに雨端が見える。
手前の部分は、雨戸を跳ね上げて庇のようにする造り。合理的だ。
工夫すれば今の住宅にも応用できそう。
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雨端に面した部屋。写真左手の明るいところが雨端。
手前から向こうへ、大広間、二番座、三番座。
台所や雪隠も撮ったが、長くなるので割愛。
※雪隠(せっちん):トイレ。語源はいろいろある。当時の琉球でこの言葉を使っていたかはわからない。
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御殿の前から池を見たところ。
左手に六角堂、右手に石橋。
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2つの石橋。こういうの、なぜか渡りたくなる。
石橋を渡る。アーチの一番上を通るときが楽しい。
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六角堂。
向こうに御殿が見える。
手前の橋はRを描く3段が1つの石。継ぎ目がない。
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橋の手前が花壇になっている。
この花は今までにも何度か見かけたが、ランタナという名前だと初めて知った。
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御殿と反対側の小高いところからの風景。
回遊式庭園は景色の変化が面白い。
うちも回遊式庭園にしようかな。
う~ん、広さが少しばかり足りないか。
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滝口。
池からあふれた水が落ちる。
落ちるのは水だけにしてほしい、ということなのか、私の前には柵がある。
写真は手を思い切り伸ばしてノーファインダーで撮ったもの。
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舟揚場(ふなあげば)。
池に舟を入れたり揚げたりするところ。
舟から見る風景も面白そうだ。オプション料金が必要でもいいから、「識名園で舟遊び!」みたいなサービスがあるといいなぁ。
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勧耕台(かんこうだい)からの風景。
勧耕台は、沖縄本島の南部地域を見渡せる展望台。
ここから見えるのは海が全く見えない大陸的風景だ。
ということなので、本当なのか、パノラマで撮ってみた。
確かに海は見えない。ような気がする。雲か水平線か見分けが難しい。
さて、識名園の近くには、面白そうな関連遺跡がある。
厳選して、いくつか行ってみることにした。
まず、沢岻(たくし)親方の墓へ向かう。
※親方(うぇーかた):琉球王国の称号の一つ。王族の臣下中、最高位。
Googleマップにセットして向かったのだが、付近まで行ったあと見つけられない。
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やっと見つけた。
写真の正面、階段を登ったところに解説らしきものが見える。
入口はこの道だけなので、発見したときの満足感が大きい。おススメスポット。
ただし、車だと停める場所がない。こんなとき小さいバイクは便利だね。
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沢岻(たくし)親方の墓。
石と苔のハーモニーが絶妙。ビジュアル的に好きなタイプの遺跡。
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ハンタガー。
ハンタ(端)にあるガー(井戸・泉)だからハンタガー。
地域の飲料水や生活用水として利用されていた、との解説がある。
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ヒジ川橋。
石造りアーチ橋。17世紀半ば以前の建造。
アーチが一つなので単拱橋(たんきょうきょう)という分類。難しいね。
アーチが二つだと眼鏡橋(めがねばし)。これはわかりやすい。
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橋の手前の石が敷かれたところが「取付道路(とりつけどうろ)」。
橋に取り付けられた道路、ということ。
アーチを描く橋を渡りやすい、いい感じの角度になっている。
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反対側。
アーチ状の石に相方積み(あいかたづみ)の石が乗り、その上に布積みの石が乗る。石の組み合わせ方がよくわかる。
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金城町(きんじょうちょう)石畳道(いしだたみみち)。
首里城から識名園に向かうために造られたかのような場所にある。
まあ、実際にそうだったと思う。
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識名園側から首里城に向かって登る。
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途中にある分岐点。
![](https://fusoki.com/wp-content/uploads/2019/05/P1353611-1280x853.jpg)
左に進むと、金城(カナグスク)大樋川(ウフ フィージャー)。
共同井戸。
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金城村(かなぐしくむら)屋(やー)。
分岐点にある建物。住民に開放されているらしい。子供たちが遊んでいる。
自治会館みたいなものか。
さて、気になり始めたのが「金城」の発音。
金城町は、きんじょう ちょう。
金城大樋川は、かなぐすく うふ ふぃーじゃー。
金城村屋は、かなぐしく むらやー。
「金城」と書いて、「きんじょう」「かなぐすく」「かなぐしく」の発音。
漢字だけ見て、正しい発音をするのは至難のわざ。
と言うことは、さておき。
分岐点まで戻り、右手に向かう。
少し登ると、金城町 大アカギ、と標識がある。こちらに行ってみよう。
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百合が咲く、歴史の散歩道。
![](https://fusoki.com/wp-content/uploads/2019/05/P1353652-1280x853.jpg)
内金城(うちかなぐすく)の御嶽(うたき)。
石が円形に積まれているところがそれ。
右手前の樹木は5本ある大アカギのうちの一つ。
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近くの御嶽(うたき)。名称不詳。
こちらも、裏に回ると石が円形に積まれているのがわかる。
後ろに見える樹も大アカギ。
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奥に進むとさらに大アカギが2本。奥の太いのは樹齢300年。
ロープが張られていて、これ以上は進めない。
石畳を戻る。
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同じ道なのに、戻り道は違う風景に感じられる。特に坂道はそう。
いい感じの門がある。
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格子の間から覗いてみた。
音楽喫茶 Music cafe
音猫 OTONEKO
休み CLOSED
OPEN 日曜日&気分曜日
Time 10AM~夕方(evening)
いいねぇ、このアバウトさ。
中から音楽が聞こえてきた。(たぶん)ご主人は在宅。
今日は土曜日。気分曜日ではなかったわけね。
【本日の宿】
那覇フェリーターミナル付近。2泊め。
【本日のデータ】
観覧料:400円(おとな)
学芸員:休暇中、担当エリアに遊びに来る。勤務外でも真摯な対応が素晴らしい。