2021/08/29 隈研吾デザイン建築を見て、四国カルストを走る(D311)

昨夜宿泊した梼原町(ゆすはらちょう)には隈研吾(くまけんご)がデザインした建築が複数ある。どうしてここに?と不思議だが、行けばわかる、かもしれない。

0500 起床。ブログ書き。昨夜は熟睡できなかったので眠い。

0700 朝食。宿の食事なので、食べながらブログ書きはできない。

0730 ブログ書き継続。

0850 終わりそうもないので、とりあえず速報をアップ。出発準備。

0900 昨日はよく走ったのでガソリンの残りが少ない。まずは入れないと。
周囲のガソリンスタンドをGoogleマップで検索。
すると軒並み休業。えっ、このあたり、日曜日は休業なの。
必死で探すと20Km先に1店舗だけ営業中。ギリギリ行けそうだ。
まずは確認の電話をする。
行ってみたら休業! だったら最悪だ。
営業中であることを確認。ほっと一息。

0920 出発。

神在居の千枚田(かんざいこのせんまいだ)と呼ばれる棚田に向かう。
ガソリンスタンドへの途中ならガソリンは無駄にならない。

神在居の千枚田。

棚田の橋に標識が立っている。
ここもオーナー制度をやってるのかな?
と近寄ってみると、、、

はい、正解。千枚田オーナーの名前が記されている。
神在居の千枚田について詳しくはこちら ↓ が詳しい。
※ニッポン旅マガジン  神在居の千枚田

隈研吾デザインの「雲の上のホテル・レストラン」「雲の上のギャラリー」も通り道だ。
寄って行こう。

雲の上のギャラリー。
枕木を敷き詰めたようなアプローチ。

階段の上が入口だ。
休館なのだが行ってみる。

右手にギャラリーが長く伸びている。

ガラス越しにエントランスを撮影。
展示室が見られないのが残念。

近くから展示棟を見上げる。独特の木造構造だ。

展示棟を横から見る。

ガラス張りのエレベーターを完備。
面白い。

真横から。造形の美しさが際立つ。

雲の上の温泉・雲の上のプール。

雲の上のホテル。
白く見える部分はほぼ木製。金属パーツとの組み合わせ。

エントランスの横は水鏡(みずかがみ)
意表を突かれた。いいね。

木造の柱が水に浸からないよう、金属パーツを組み合わせてある。
こんなところが隈研吾的合理性。いいと思います。

ガラスの外から見える範囲を撮影。
たぶん廊下の天井部分。

ライダーズイン雲の上。
バイクが屋根の下に入る。

客室の正面。
金属製の円筒は何だろう? シャワー室&トイレの可能性が高い。
ホテルより少し下がった谷あいにあり、「雲の上」という雰囲気はない。
安いんだから、このあたりでいいだろう、という意図が感じられて、いい気分はしない。

1010 ガソリンスタンド到着。

昨日は坂道が多かったので、燃費はだいぶ悪いだろう。
前回は、60km/Lだったので、
10%減として、54km/L
20%減として、48km/L
中間をとって、50km/Lぐらいか。

22091ー21900=191km

191km ÷ 3.29=58.05km/L
(58.05ー60)÷ 60×100= ー3.25%

う~む、あれだけ坂道を走ったのに、燃費は3.25%悪くなっただけ。
相棒バイク、優秀だぞ。わが友、絶好調です。

ルンルン気分で走り始めると、、、

気をつけろ、と言わんばかりに睨む鬼。
はい、気を引き締めて走ります。

ゆすはら座。
1948年築。伝統的芝居小屋の様式を備える。現在は使用されていない。
隈研吾がこの町のデザインをするきっかけになった建築物。

見学無料らしい。入ってみよう。
ん、開かない。
コロナで見学中止、という貼り紙はない。日曜日だから? 残念。

チケット売場。
木戸銭「中学40円」とチョークの文字が。
いたずらだろうが、憎めない。

梼原町役場。

梁の演出が隈研吾流。

初代町役場。隈研吾デザインではない。
初代を保管しておく梼原町は素晴らしい。

梼原町社会福祉協議会。
(おそらく)隈研吾デザインではない。
が、木材を多用したグッドデザイン。

梼原川の「つきいけばし」
木造の橋も残してある。

構造が独特で面白い。

渡ってみた。
通行禁止の表示がないので、いいのだろう。

梼原のメインストリートには、木材を活かしたセンスのよい建物が並ぶ。
(おそらく)これは一般住宅。

手前の二階建ては(おそらく)一般住宅。
向こうの低いのは駐在所。
古い町並みとは違う、センスのいい新しい町並み。

まちの駅「ゆすはら」
隈研吾デザイン。

「雲の上のホテル別館 マルシェ・ユスハラ」の表示も。
特産品販売所と宿泊施設を兼ねている。
鉄製の文字が板から少し浮いている。手の込んだデザイン。隈研吾流。

中に入る。
う~む、いいね。
鏡のような板(ガラスか金属か不明)を組み合わせて広く見せるのが隈研吾流。
富山市のガラス美術館兼図書館で使っている技法と同じだ(※)

※風走記:11月17日(土)109日め 「富山ガラス大賞展」&「刀をめぐるダンディズム 刀と拵展」

名物「あいすくりん」を買ってみる。
カップと最中がある。ゴミが少ない最中を選択。190円。
東屋風の休憩所で、まちの駅を眺めながら食べる。
ほぼシャーベット。
だから「くりーむ」ではなく「くりん」なのね。賢い。

雲の上の図書館に向かう。
休館なのは覚悟の上。覗くだけでも。

複合福祉施設「YURURI ゆすはら」
図書館のすぐ隣。隈研吾デザイン。

雲の上の図書館。
隈研吾デザイン。

中を覗く。
斜めの木材が天井を支える構造か。入りたかった。残念。

外と中の景色が重なる不思議な写真が撮れました。

向かいの建物。
「郵便局の簡易保険 融資施設」の表示あり。

隈研吾デザイン風だが、未確認。
梼原案内パンフレットには記載なし。

神幸橋(みゆきばし)
三嶋神社に向かう参道にある。

比較的新しい木造だ。
(おそらく)隈研吾デザインではない。
案内パンフレットに記載なし。

ホンダのバイク「ゴリラ」が並んでいた。
通称、ゴリラ軍団。

隈研吾デザインの建築はよかった。
他にもよい建築が多く、町の雰囲気がオシャレで落ち着いている。
それにしても、各施設の中が見られなかったのは残念だ。

1200 梼原をあとにして、四国カルストに向かう。

1250 姫鶴平に到着。観光客がいっぱい。車もバイクも大混雑。

アイスクリーム屋さん、大繁盛。

ゆっくり走り、カルストを見て回る。
カルストは、石灰岩が溶けて、残った部分が露出してできた地形。
白いのが露出した石灰岩。

牧場なので牛さんがいる。
私の葉っぱ、食べたよ~! って振り向く女の子。
ファミリーとカップルとバイク軍団が多い。
オジサン一人は、レア中のレア。

以下、カルストの風景をどうぞ。

1410 天狗高原に到着。四国カルストで一番高い場所。

相棒バイクを停め、歩いて散策。

胸丈ほどの草の中に散策道がある。
散策中の頭が2つ見える。

小高い場所で写真を撮るカップル。
青い空と白い雲と青春の輝き。いいね。

東屋が見える。天狗高原で一番高いところ。
爽やかな風が吹く。爽快な気分。

遠く風車が見える。

四国カルストもなかなかよかった。
石灰岩を見るというより、高原を味わうのがここの楽しみ方ですね。

■本日の思索
梼原町(ゆすはらちょう)は新タイプの町創りの代表かもしれない。
「古い町並み」タイプには課題が多いが、梼原町はそれを回避している。
課題は山奥なのと地名の読みがわからないことだ。
「梼原」を読める人は少ないだろう。
案内パンフレットのタイトルも「ゆすはら」だ。
山奥なのはどうしようもない。
多くの人が魅力に気づけば、もっと有名になるだろう。

■本日のデータ
隈研吾デザイン:外から見るのは無料。コロナ禍が収まるまではほぼ休業。
梼原町:「ゆすはらちょう」と発音する。とてもいい町だ。宇和島から50Km、土佐から60km、1時間半ぐらい。もっと注目されてもいい町だ。
スーパーカブの燃費:58km/L.山道が多かったのにこの燃費は予想以上。

■本日の宿
中津渓谷の近くの民宿。二食付き。2連泊。
周囲に売店が少ないので、素泊りは無理と判断。
とても気さくなご夫婦がやっている。

9月1日(土)79日め 鳥海山に登る、はずだったのに

今日は鳥海山に登る。山頂の御室(おむろ)小屋に1泊して翌日下山する予定だ。
山小屋に泊まるのは富士登山以来だ。う~、ワクワクする。

0530 起床、準備

0730 予定では7時から食べ始める予定だったのに、準備に時間がかかって30分遅れ。

0800 朝食後、出発しようとすると、あれ? 相棒バイクの鍵がない!

焦るな。落ち着け。ポケットを探す。ない。ポーチを探す。ない。リュックを探す。ない。あとは? あとはどこだ? 朝からの行動を順に思い出す。

ズボンのポケットに入れたはずだ。部屋の鍵と朝食券とバイクの鍵、確か3つを入れた。部屋の鍵はフロントに返した。朝食券は朝食ルームで渡した。とすると、落としたのか! 落としたのなら、朝食ルームあたりの可能性が高い。

あわてて地下1階の駐車場から10階の朝食ルームまで引き返す。

エレベーターを降り、廊下を探しながら朝食ルームに行く。

見つからない。

座っていたテーブル周辺を探す。ない。

朝食ルームの係員に届いているかも。係員を探す。いない。

フロントに届いているかも。1階まで戻ってフロントで尋ねてみよう。エレベーターに向かう。朝食受付の前を通りかかると、、、

向こうから来た女性の手に相棒の鍵が!

あっ、それ、私のです。探してたんです。

あっ、そうなんですか。

そうなんです。良かったあ~。どうもありがとうございます。
どこに落ちてたんですか?

そこのエレベーターの入り口。ドアのすぐ前。

そうですか。あって良かったです。本当にありがとうございました。

エレベーターで地下1階まで降りながら、深く反省。

ポケットには入れないことにしていたのに、うっかり入れてしまった。
いいか、二度とするなよ。
首から下げるか、持ち物にカラビナで掛けるか。単体にするな。
わかったか!
わかりました。もう、二度としません。

0840 なんだかんだで40分のロス。併せて1時間10分の遅れ。登山口まで相棒で走って1時間10分はかかる。10時前後に到着かあ。とにかく急げ。

走り始めて10分ほどすると雨が降り出す。泣きっ面に蜂。カーナビにしているスマホにビニールカバーを被せ、レインウェアを着る。15分のロス。このあと、コンビニに寄ってお弁当と水を買うのに10分かかる。着くのは確実に10時過ぎ。10時30分ぐらいになるかも。

山頂の山小屋までは少なくとも6時間、写真を撮ったりしてると7時間。16時30分から17時になる。山小屋からは16時30分までに来てくださいと言われている。ギリギリだ。

う~む、登山初心者にはリスクが高くなりすぎた。写真も撮らずに急いで登るだけというのも面白くない。

カッチン。頭のスイッチを切り替える。よし、今日はやめよう。明日、明後日は今日よりも天気がよさそう。無理して今日登る必要はない。

そうと決めたら道の駅で宿泊先の再調整をしよう。

10~15分走ると道の駅。山頂の御室小屋に電話し、宿泊日変更の連絡。下山後の宿を1日ずらし、今日の宿を手配。すぐに登山開始できるよう、山麓の山荘に泊まることにする。

よし、これでオッケー。さて、このあとどうしよう。

1030 由利本荘市で登山用品店を探して登山用小物をいくつか買う。

1130 ツタヤを探し、コミックを3冊借り、マクドでコーヒーを飲みながら3時間ほど過ごす。

借りたコミックはこれ。

『映像研には手を出すな』第3巻 大童 澄瞳、小学館
1巻、2巻は読んだので3巻を借りる。
面白い! 設定が複雑な上、面白さも複雑。いろいろな賞を受賞しているが、納得できる。タイトルと表紙の絵を見て、面白そう、と思った人にはおススメ。

『理系が恋に落ちたので証明してみた。』第2巻、第3巻 山本アリフレッド、フレックスコミックス
1巻も借りたかったが貸し出し中。4巻も出ているが、まだレンタルしていない。なので2巻と3巻を借りる。恋という状態を一般化して定義しようとする、好意を抱きあう理系の男女をコミカルに描く。面白いと思うか、好みが分かれそう。私は理屈っぽく考えることを笑いにする、というのは好きなタイプ。

1500 鳥海山麓の山荘に向かう。

途中の風景。秋田の段々畑。

写真を撮っていると農家のオジサンが一休みしているのに気づく。
こんにちは~、と話しかけ、いろいろお話。

ここは少し段々畑になっているんですね。

そうなんだ。水が溜まらないんでたいへんなんだ。雑草が生えるし。
ほら、雑草だらけだろ。

えっ、稲だけと思っていたんですが、確かに雑草が混ざってますね。

どこから来たの?

川越です。埼玉の。

そうなの。オレ20年ほど前だけど川越に住んでた。新河岸。
仕事やめてこっちに帰って来て農家やってる。農家はたいへんだぁ。

なぜ雑草が生えるのか、どうやって稲と分けるのか、どれだけたいへんなのか、いろいろお伺いしたのだが、長くなるので割愛。

私には、ほんとうにたいへんですね、という程度のことしか言えない。
実情を知ると何も言えなくなる。

ありがとうございました。お礼を言って走り出す。

しばらく走ると鳥海山が見えてくる。

鳥海山と夏の名残

鳥海山と秋の風

鳥海ブルーラインに入る。

傾きかけた陽の光が日本海に反射する。

遠くには風車。

山荘が近づく。

秋田から山形へ。

遊佐町に入る。

鳥海山は秋田と山形の境にある。山荘は山形だ。

1700 山荘到着

明日のために今日は寝る。おやすみなさい。

【本日のデータ】

マーフィーの法則:ポケットに入れた鍵は必ず紛失する。

7月13日(金)41日め 石狩から稚内へ:アクシデントにもめげず、走る、撮る

朝から雨。う~む。稚内まであと280km。走るしかない!

9:00 石狩出発。

しばらくして雨は上がり、陽が射してきた。海岸線を走る。走る。走る。

11:30 留萌でガソリン補給。

ついでにタイヤに空気を入れておこう、と考えたのが失敗だった。

ガソリンと空気を入れ、走り出したとたん、前輪の動きがおかしい。ふにょふにょして真っ直ぐ走らない。

道路脇に停まって、前輪をよく見ると、空気が抜けてぺたんこ。

うっそー、パンク? 今? ここで? 空気を入れたあと? パニック!!!

とりあえず駐車場を探して移動しなければ。あそこにコンビニが。よしあそこまで押していこう。

歩きながら頭をフル回転。そんなにタイミングよくパンクしないだろう。とすると、空気を入れたときにバルブを壊したか、バルブの動作不良か、どっちかだ。壊すようなことはしていない。バルブがスムーズに戻らなかった可能性が高い。どうかそうであってくれ! パンクだったらえらい面倒なことになる。

コンビニに停めたのはいいが、さてどうするか。空気を入れてみるしかない。ガソリンスタンドまで500~600mはある。押していくのは無理だ。よし、空気入れを借りてこよう。

※パンクのバイクを押したことがない方々へ:パンクしたタイヤの抵抗で必死でバイクを押しても動かないのです。荷物をたくさん積み込んでいるのでなおさらです。もちろん、エンジンをかけて走ったらタイヤとチューブがボロボロになるので自殺行為です。

ガソリンスタンドで事情を話すと、いいよ、いいよ、と快諾していただく。ありがとう!

借りた空気入れを持ってコンビニまで運ぶ。こんなやつだ。3kgぐらいはあると思う。

コンビニまで必死で運ぶ。雨の中を走ってきた装備のままなので、ライダージャケット、ウィンドブレーカー、レインウェアなど、ありったけ着込んでいる。陽が照り付ける。暑い!なんて言ってる暇はないのだ。

空気を入れる。う~む、何とか大丈夫そうだ。が、油断はできない。10分間、漏れないかきちんと測定しよう。空気圧ゲージを取り出し、測定。今回、初めて使った。備えあれば憂いなし? 備えあっても憂いあり?

10分後に測定。変化なし。やったー。パンクじゃなくてよかったあぁぁぁ~

ということで、最悪の事態は免れたものの、これで1時間のロス。もちろん、空気入れは丁寧にお礼を言ってお返ししました。

あとは走るだけ! と、しばらく走ると、絵になる風景が、、、次から次へと、、、

写真の誘惑には勝てない。遅くなるのを覚悟で撮影したのがこちら。

まずは牧草の風景。

次は風車のある風景。

下のほうに小さくたくさん並んでいるんですが、分かりますか? ※クリック/タップで拡大。

遠くに見えるのは利尻富士。かすかなオレンジ色の空、白くたなびく雲、立ち並ぶ風車。広重の絵のよう。

もう少し引いた絵がこれ。どちらがお好み?

一転してヨーロッパ調の景色。

宿に着くころには日が暮れてしまったが、けっこういい写真が撮れたので大満足。

【本日のデータ】

バルブが閉じないときがある。空気を入れたら漏れを確認!