せっかく下呂(げろ)温泉に泊まったのだから、ちょっとだけ観て回ろうと思い、相棒で朝の温泉街をトコトコ走る。
と、温泉街の外れに合掌村(がっしょうむら)というのがあり合掌造りの家が見られるらしい。
面白そうなので行ってみる。
屋根の存在感がすごい建物。
ここで入場料を支払えば、合掌造りの家を近くで見ることができるようだ。
中には入らず、エリアの周りをグルっと回ってみることにする。
屋根のてっぺんの紅葉が朝陽に光る。
隣の家は屋根の葺き替え中。
職人さん、ご苦労さまです。今日は天気いいので仕事がはかどりそうですね。
道からの風景。あまり大きくはないが、合掌造りだ。
高台にあるので、回り込むと見上げる形に。
紅葉と石垣が美しい。
さらに回り込む。紅葉はそろそろ終わりだが、落ち葉がいい感じ。
今日の宿、木曽福島に向かって走る。
ACコブラを発見。Continuation Cars(後継車)だろう。
480万円。
なかなか出会えないので、記念のツーショット。
※ACコブラ:1960年代にレースで活躍したアメリカのスポーツカー。排気量は4~7L(モデルにより異なる)。現在も道楽的に製作するコンセプトのContinuation Cars(後継車)が製造販売されている。日本でも新車が購入できる。1800万~2000万円。なお、Continuation Cars(後継車)のことをレプリカと表現する人たちもいるようだ。
運転席。
ナルディのハンドルは定番ですね。
昔、カブトムシのカブリオレに乗っていたとき、私も同じものを付けていた。
もう、30年ぐらい前の話。
クーラーはないし、幌の穴から雨が漏るしで、女王陛下には大不評。子供ができたときワンボックスカーに強制チェンジとなった。
※ナルディ:ハンドルといえばナルディ、というぐらい有名なイタリアの名門ブランド。なお、マニアはハンドルなどという表現はせず、ステアリング・ホイールと言う。
※カブトムシ:フォルクスワーゲン・タイプ1。ドイツ車。ビートル(ドイツ語)、カブトムシ(日本語)が愛称。丸っこくて、見た目が似てるから。生産は、1938年~2003年。累計生産台数2152万9464台は四輪自動車として世界最多記録。なお、2輪の最多記録はスーパーカブ。年初に1億台突破。記録更新中。
※カブリオレ:オープンカーのこと。アメリカではコンバーチブル、イギリスではロードスター、ドイツではカブリオレなどと言う。
55km、1時間半ほど走り、馬籠(まごめ)に着く。
馬籠宿の解説。明治28年と大正4年の大火で江戸時代の宿場の建物はほとんど消失したとある。現在の家屋はそれ以降に建てられたもの。
観光案内所で伺ったところ、それっぽく作っているが復元をしているとか、そういうわけではない、というお話だった。
坂を上る。長い坂の両脇に家屋があるのが馬籠宿の特徴だ。
石垣は火災で燃えないはず。江戸時代のものでは?と考えながら登る。
上り坂がずっと続く。
解説のとおりなら、この石畳は江戸時代のものということになる。
馬籠宿を通り抜けたところにある展望所からの風景。
右手下に馬籠宿の屋根が見える。
島崎藤村の『夜明け前』の一部が書かれた掲示板。
藤村は馬籠の出身。この小説の舞台も馬籠だ。
大学時代、藤村に心酔する友人が、「馬籠はいい、馬籠は素晴らしい」と力説していたのを思い出す。
別の友人は、「いや、妻籠のほうがいい」と主張し、大討論会になった。
私はどちらにも行ったことがなかったので、どちらでもいいから行ってみたいなあ、と考えていたような記憶がある。
2階の軒に下げられた干し柿。
知人に写真を見せたところ、皮むき器を使わず包丁で剥いている、と驚いていた。
よく見ると確かにそうだ。まったく気にしていなかった。
干し柿の剥き方に目が行くとは、そっちのほうが私には驚きだった。
こっちにも。やはり包丁剥き。
時代がかった家屋の写真を撮っても面白くない。
なので、造形的に面白い部分を撮ることにした。
手作りショップのディスプレイ。
干し柿の、ほどよく干された色が美しい。
のれんとの組み合わせもいい感じ。
ちなみに「きん」の下は「とん」です。
土産店の看板。
下半分の、時を経た変色ぐあいがいい感じ。
(おそらく)下水点検口。シンプルでいいデザイン。
「枡形」(ますがた)は、外敵が侵入しにくいように「く」の字形に曲げられた道。江戸時代の宿場には必ず設けられていたらしい。馬籠宿にもあり、観光スポットになっている。この下水点検口はそこにある。
時間がないので、馬籠はほどほどにして妻籠に向かう。
妻籠は1年ほど前に行ったので観る予定はないのだが、1カ所だけ寄りたいところがある。
これがここ。
関西電力 妻籠発電所
この設備が見たかった ↓
さっそく相棒とツーショット。
特にこの部分の造形が素晴らしい。
現役で稼働しているというのもいいですね。
いつまでも頑張ってください。
予定よりだいぶ遅くなった。木曾福島に向かって急ごう。
と、走り始めたとたんに、素敵な木造の橋が出現。
桃介橋(ももすけばし)
これは立ち寄るしかない。遅くなってもいいや。
相棒を歩道に停め、道の反対側に渡り、橋の脇を登る。
素晴らしい造形。
下は公園になっている。桃介橋も公園の一部だ。
桃介橋の解説。
※桃介橋についてはここをクリックしてウィキペディアをどうぞ。
付近のマップ。南木曾駅(なぎそえき)がすぐ近くだ。
電車で見学に来た10名ほどのグループと一緒になった。
南木曾にきたら桃介橋、という定番コースになっていてもおかしくない。
さて、今度こそ、本当に木曾福島に急ごう。
【本日のデータ】
コブラのレンタカーはないかな、と思って探してみたら、あることはある。
日本じゃないけど。
フランス、アメリカ、オーストラリアあたり。
う~ん、借りるとしてもだいぶ先になりそうだ。