今日は降るだけなので気楽だ。が、天気が心配だ。
昨夜、山小屋の人が「今夜は冷え込んでないからなあ。あしたは(天気が)崩れるかもしれん」と言っていたからだ。前日の夜に冷え込めば翌日は晴れ、温かいと翌日は曇りか雨、という経験則らしい。それは私も知っている。
問題は、曇りか、雨か、だ。曇りなら上等。雨でさえなければオーケーだ。
0500 起床。外へ出て空を見上げる。青空! よし!
0510 出発準備。といっても特にない。荷物を再確認して忘れ物がないようにリュックに詰めるだけ。
時間が余ったので隣のイビキ大王とお話。大阪から夜行バスと電車とタクシーを乗り継いでやってきた。67歳。現役バリバリ。
え~、日本一周してるの。バイクで? 業務用スーパーカブ? 知ってるよ。新聞配達のお兄ちゃんのやつだろ。郵便配達とか。
いくつ? 66かあ。退職したわけ? いいなあ。オレはムリ。まだ、仕事してるの。〇%&#△っていう冷凍機器のメンテナンスやってんの。特殊なやつ。仕事やめると困る人が大勢いるんだよ。だからやめられないの。
今回も3日しか休めないんだ。今日は12時までに下山して、乗り合いタクシーに乗らなきゃ。そのあとは、電車で酒田まで行って、夜7時ごろ夜行バス。14時間かかるから大阪に着くのは朝9時ごろ。そのあと仕事。
そこまでして山に登りたいんだ。凄いなあ。
自分のスケジュールを自分だけで決められる私ってすごい幸せ! だよね? 微妙かぁ。幸福とは何か? 人生の一大テーマだ。
0600 朝食。おでんが出た。朝から? 納豆に生卵に唐揚げ。朝食にしては量がある。エネルギーになれば何でもオーケーだ。いっぱい食べて頑張れよ!というメッセージだと受け取った。ありがとう!
0630 排泄。これ大事。ちゃんとスッキリして出発するのだ。私の場合、朝食の前だとNG。朝食を食べてキチンと上から下に押し出す。爽快!爽快!
0643 出発。青空! 爽快!爽快! ウキウキしてくる。
御室小屋に別れを告げる。お世話になりました。ありがとう。
帰りも外輪山コースにする。千蛇谷コースだと遠くが眺められない。いい天気なので、モ・ッ・タ・イ・ナ・イ
御室小屋から外輪山に登る。7~8分。
外輪山に登ったところで撮影。青空と日本海と雲海と外輪山。そして、朝日。いきなり素晴らしい景色。
遠く月山(がっさん)が見える。
これから歩く稜線が先まで見える。左から右へ、また左へ。雪渓の向こうには日本海と青空。朝の冷たい空気が心地いい。
雪渓、雲海、奥羽山脈、庄内平野、日本海。そして水平線と青い空。
上部、中央やや左に月山も。登った人だけが見られる風景。
さあ、歩こう。歩くの大好き。
遠くハシゴが見える。
ハシゴに着く。右手を見ると、雪渓と日本海と青空。
ハシゴを登る。
そこには可憐な花と岩と日本海と空と雲。そして朝の光。
爽快な気分で歩く。歩く。歩く。
振り返ると御室小屋。新山の麓に貼りつく。
かなたに海辺の風車。この角度、この距離感、鳥海山限定。
しばらく進む。稜線のかなたに日本海。これはパノラマ撮影しかないでしょ!
景色を堪能しながら、ゆっくりと進む。
青空と岩と仏像。こういう質素な仏像はいい。仏教本来の姿。
伏拝岳。誰もいないので三脚で記念撮影。素晴らしい景色を独り占め。
だいぶ降りてきた。登山道の脇には低木の(たぶん)松。
こちらにも風車。
文殊岳。お会いした人に撮影していただいた。
稜線の向こうに薄い雲が湧き出す。
七五三掛。
月山。広重風。
八丁坂。ここからのアップダウンは少ない。
御浜と鳥海湖周遊との分岐点。昨日とは異なる鳥海湖周遊に向かう。左方向だ。
整備された木道を進む。
岩と砂利になる。
バッタがピョンピョン。あちこちでピョンピョン。
分岐点。左へ行くと南にある登山口。これから戻る大平口は西方向。右手に登る。
鳥海湖に沿って歩く。と、、、
お尻の後ろに毛皮を下げた(たぶん)ご夫婦。
これ? 毛皮だよ。見りゃわかるか。あっはっは。毛皮座布団。いつでもどこでも座れるの。石に座っても痛くないし。濡れた草でも、ほら。便利だよ。オレのは1匹そのまま。こっちは四角に切ってある。
写真撮ってブログに載せてもいいですか?
いいよ。後ろからならな。顔が出るとすぐわかっちゃうからダメ。
わかりました。1枚だけ。
じゃ、向こう向いてください。もう少し二人が近寄って。もう少し右に向いて。毛皮がよく見えるようにしたいので。
いつもいつも注文の多い写真屋さん。
ありがとうございました。
鳥海湖をあとにして登る。ここも整備された木道。
日本海を見ながら歩く。
御浜から来る道と合流。左手に進む。
河原宿を過ぎたあたりで、道に倒れている人を発見。
写真を撮ると失礼なので写真はなし。代わりにfuso画伯の絵。
どうしたんですか? 大丈夫ですか?
ああ、今、救助要請をしたので大丈夫です。
そうですか。何かしましょうか。
大丈夫です。ありがとうございます。
下は草だし、少し広い場所だし、天気もいいし、トランシーバー持ってるし、35歳ぐらいで若いし、、、、などなどから、まあ、救助が来るならついてなくてもいいか。
救助隊が来るなら、ヘリか徒歩だ。どっちが来るか気にしながら歩く。
高山植物。心がなごむ。
振り返る。山頂はガスって何も見えない。
えっ、もうガスった! オレって運がいいかも。
登山中の団体さんが見える。ガイドさん付きの高齢者のツアー。10年後にはあれに参加しているかも。ゆく川の流れは絶えずして、、、、諸行無常。
ということは置いといて、今を楽しむのが大切。悪く言えば刹那主義。良く言えば悟りを開いた。
名前がわからないが、こっちにポーズをとってくれる。優しい。
下りが続いて飽きてきた。
眠気覚ましに写真撮りゲームを始める。
ルールは3つ。
(1)花を撮る。メインキャラ。
(2)登山道を入れる。親近感。
(3)海か空を入れる。広がり&解放感。
成功した3ショット。
清水大神に着く。一休み。
さて、降りよう。
ほっとする植物。ありがとう。
1232 見晴宿に着く。宿が見える。あと少し。
昼飯の代わりにブラックサンダーきなこ(非常食、48円)
トンボがこっちを見ている。
はい、ポーズ。なかなかのイケメン。
コンクリートの登山道になる。もう少しだ。
救助隊が登って来たら写真を撮る、と決めて、カメラを取り出し、スイッチを入れ、いつでもオーケー。スタンバイ。
こない、、、、こない、、、、、、、 ん? ヘリの音がする。
登山口に着いちゃった。残念! 救急隊と会えなかった。
登山口に降り立つ。右手を見ると消防の救急隊。パトカーも。
隊員が準備の最中。
こんにちは~。救助に向かうんですか? 私、救助を要請した登山者に1時間半ほど前に会いました。
頑張ってください。よろしくお願いします。私が言うのも変だけど。
いつまでもいると迷惑なので、早々に相棒を預けた宿に向かう。
1338 宿に到着。今日はいい一日だった。大満足!
宿のお風呂に入る(宿泊者は無料)。
酒田市に移動して宿に着く。
ブログ書きを少々。できると思ったのは甘かった。
ちょっと飲んだら疲れてダウン。ブラックアウト。
【今日のデータ】
ブラックサンダー:安くて美味しい非常食。チョコレート味、きなこ味など、3種類。