11月17日(土)109日め 「富山ガラス大賞展」&「刀をめぐるダンディズム 刀と拵展」

富山市にはいろいろな美術館がある。
いろいろ回りたいが、興味深い順に行くことにする。

まずは、富山ガラス大賞展2018。
富山市ガラス美術館で開催。この美術館は図書館も兼ねている。

1階受付でチケットを買い、2階に上がる。

2階はロビーになっている。

吹き抜けから上を見上げると、、、

木材を装飾に使った素晴らしいデザイン。

2階フロア。左手正面はエレベーター。ガラス張り。

3階フロア。

エスカレーターから吹き抜けを見下ろす。

図書館エリア。柱が鏡で覆われている。本が映るのでとても広く感じる。

面白いので記念撮影。

ここで問題。
(1)どれが鏡の映像でどれが実物?
(2)鏡に映る鏡の映像もあります。どこでしょう?

どこもかしこも本だらけに見える素晴らしいデザインです。

エレベーター前。ガラスに描かれた案内がお洒落。

現代ガラス美術の巨匠デイル・チフーリ氏の代表作が6階に展示されている。
これは撮影&私的利用はOK。

トヤマ・リーズ(Toyama Reeds)
※Reedは葦(あし、よし)のこと。富山県産木材を使用。

トヤマ・フロート・ボート(Toyama Float Boat)
笹舟は富山の神通川の漁で使用されていたもの。フロート(浮球)は117個。うち95個が富山で制作された。

トヤマ・ミルフィオリ(Toyama Mille Fiori)
※ミルフィオリとはイタリア語で千の花。

富山ガラス大賞展2018の会場入り口。

中は撮影禁止なので写真はありません。

大賞の作品はダントツで素晴らしかった。
ガラス芸術の範疇を越えて、新しい芸術分野を切り拓いていると思う。

大賞:Shieid II (ビョルク・アエサ、ノルウェー)

参考までにパンフレットを掲載。
写真ではこの作品の1000分の1も伝わらないのだが気休めにどうぞ(笑)
※苦情が来て削除するまでの期間限定掲載です。

作品は、背丈ほどのサイズの湾曲したガラス8枚を空中に吊り下げたもの。年輪のように4つの同心円を描くように配置。うち4枚のガラスに電極を貼り付け、振動板として使用。低いかすかな不思議な音を流す。同心円の最も外側のガラス2枚にゆっくりと動く人体(裸体)がプロジェクターから投影される。1枚のガラスは男性、もう1枚は女性。2人の動きはシンクロしている。音と人体の映像は作家の脳波をベースにしたものとの解説あり。

パンフレットの写真は、プロジェクターから投影された画像が映っている、一番外側のガラスを撮影したもの。人体は動き続けるので、写真はその一瞬にすぎない。

正直なところ、ガラス芸術がこんなに面白いとは思わなかった。何でも体験しないとわからないものだ。

次は、刀をめぐるダンディズム 刀と拵(こしらえ)展。
森記念秋水美術館で開催。

この美術館は、リードケミカル株式会社の創業者、森政雄氏のコレクションを公開するもの。日本刀が中心だ。秋水は、曇りの無い研ぎ澄まされた日本刀、の意味。

今回は、拵(こしらえ)にフォーカスした展示会なので、面白そう。
※拵とは、鞘(さや)、柄(つか)、鐔(つば)など、日本刀の外装のこと。

ロビーで甲冑がお出迎え。これは現代作家のもの。

兜の前立(まえだて)が黒いうさぎ? 何だかなあ。

越中の刀工には3派があるらしい。

展示室に入る。

写真撮影OKなので撮りまくり。

腰青貝微塵塗銀一分刻鞘(こし あおがい みじんぬり ぎんいちぶ きざみざや)
脇指拵(わきざしこしらえ)

黒小刻鞘脇指拵(くろこきざみざや わきざしこしらえ)

金梨子地葵紋散蒔絵鞘(きんなしじ あおいもんちらし まきえざや)
糸巻太刀拵(いとまきたちこしらえ)

竹塗打刀拵(たけぬり うちがたなこしらえ)
※漆だけを使い、竹に見えるよう仕上げたもの。

白檀笛巻塗鞘半太刀拵(びゃくだんふえまきぬりざや はんだちこしらえ)

※半太刀拵(はんだちこしらえ)とは、太刀(たち)としても刀(かたな)としても使用できるようにした造り。
※太刀(たち)は、刃(やいば)を下にしてぶらさげて身に着ける。平安~鎌倉~室町初期の馬上戦用。
※刀(かたな)は、刃を上にして腰帯に指して身に着ける。室町後期~江戸の歩兵戦用。

記録漏れ。

黒漆藍鮫研出鞘打刀拵(くろうるし あいざめとぎだしざや うちがたなこしらえ)
※藍鮫(あいざめ)とは相模湾や駿河湾の深海に住むツノザメの皮のこと。藍鮫を巻き、漆を塗り、表面を研いだもの。

黒漆研出鮫鞘大小打刀拵(くろうるしとぎだしさめざや だいしょううちがたなこしらえ)
※大刀と小刀の2本組。粒の大きな鮫皮を使い、青貝の粉を蒔いて仕上げたもの。

朱漆塗桜花文散(しゅうるしぬり おうかもんちらし)
印籠刻鞘打刀拵(いんろうきざみざや うちがたなこしらえ)

黒漆紅葉文鞘(くろうるしもみじもんざや)
虫尽金具脇指拵(むしづくしかなぐ わきざしこしらえ)

記録漏れ。合口(あいくち)の脇指(わきざし)。
※合口とは、鐔・鍔(つば)がない短刀。柄(つか)と鞘(さや)がピッタリ合うから合口という。匕首とも書く。

記録漏れ。これも合口(あいくち)の脇指(わきざし)。こちらは小柄(こづか)がさせるタイプ。

小柄(こずか)も凄いのがある。

加賀象嵌(かがぞうがん)の小柄。
※象嵌は、地金を彫り、異なる金属を埋め込んで(埋金)絵柄を作る技法。加賀の象嵌は地金と埋金に凸凹がない平象嵌(ひらぞうがん)が多い。

30本セットで蒔絵の箱に収められている。贈答品だったらしい。

鐔・鍔(つば)も凄いのがある。

七宝紋螺鈿鐔(しっぽうもんらでんつば)
※漆と繊細な青貝で七宝模様を表したもの。

扇形鐔(おうぎがたつば)

七宝紋鐔(しっぽうもんつば)

一丁だけ展示されていた鉄砲。上部の金属に細かな模様が彫られている。

これらの拵はほとんどが江戸時代のもの。刀剣も平和な時代になると美しく飾られるようになるのだ。

七宝紋螺鈿鐔、ほしいなあ。

【本日のデータ】
富山ガラス大賞展2018:入場料1000円、図書館は無料。
刀をめぐるダンディズム 刀と拵(こしらえ)展:入場料1000円。音声ガイド付。

11月16日(金)108日め 魚津埋没林博物館へ行く、素晴らしい展示だ!

実は、富山と言えば「薬売り」というイメージしかなかったのだが、
ごめんなさい! と言いたくなる魅力に溢れていた。

その一つが埋没林博物館。魚津市(うおつし)にある。

魚津埋没林博物館の入り口。
右下の階段を進むと入り口だ。

チケットを買って入ると、通路の頭上にこんな案内図。
これを見ただけで、素晴らしい博物館の予感。
コミュニケーションデザイナーが、きちんと考えたわかりやすい案内図だ。

埋没林の説明。

むかしむかし、ここが陸地だったときに育った樹木。
その後、海面が上昇して樹木は海底に潜り、泥炭層が堆積。
さらにその後、再び海面が低下し、泥炭層に埋まった根っこが陸地で発掘された。
これが埋没林。

過去、海面の高さはけっこう変動しているらしい。上はその推移を表すグラフ。

まず、水中展示館へ行こう。
これがあるから見に来た。

水中展示館入り口。かっこいいね。

解説。
発掘した場所から根を動かさず、周囲に展示場を作ってしまった。
素晴らしい!!!

根が水の中に浸かっている。大きい。
写真だと水中なのがわかりにくいかもしれない。

次は乾燥展示館。こちらは普通の展示。

大きい根が2つ展示されている。

これはその1つ。根をひっくり返して、下側を上に向けてある。
右上から左下に向かう真っ直ぐなやつは、根とは別の木の幹。
倒れた幹の上に根を生やしたもの、と解説にある。

これは杉の年輪と人間界のできごとをマッピングしたもの。
どの年輪ができたときに何が起こったかを示してある。
面白い発想の展示だ。

第二次世界大戦終結はこんなに外側なんですね。

ドーム館。発掘現場の再現。

出土した埋没林をそのままの位置で展示している、とある。

根の向こう側の壁に「0M」の表示が。青いラインが海抜0mということらしい。
つまり、この根は海抜0mのところで出土したわけだ。

実は埋没林は日本全国にあるらしい。海岸だけでなく、内陸にもあるのが興味深い。
海岸とは異なるメカニズムなのだろうか。海水の上下ではなく、陸の上下なのかもしれない。

一覧を載せておきます。拡大すれば文字が読めます。興味があれば行ってみてください。

富山市の近くでは「41 入善吉原沖海底林」がある。スキューバダイビングをしないと見られないだろうが、面白そうだ。

最後に、屋上展望台からの風景。

朝日岳 2418m

剱岳 2998m

【本日のお酒】

銀嶺月山 槽前酒(ふなまえざけ)

普段は純米酒しか飲まないが、名前が気に入ったので本醸造だが買ってみた。
醸造用アルコールが添加されている。ちょっとドキドキ。

【本日のデータ】

今日で67歳になった。
ブログのヘッダーを「66歳が~」から「67歳が~」に更新した。
これからは、この数字が増えるのを楽しむことにしよう。