2019/9/10 種子島にロケット打ち上げを観に行く(D204)

今日は種子島に渡り、明日のロケット打ち上げに備えるのだ。

0530 起床。

0650 宿を出発。

0700 宮之浦港フェリーターミナル到着。チケットを購入、待機車の列に並ぶ。

フェリー はいびすかす。これに乗る。
トラックがバックで乗船していく。

とても年季が入った船だ。錆び具合に味がある。

相棒バイクと記念撮影。

0740 乗船。

このフェリーは、屋久島ー種子島ー鹿児島を結んでいる。

0810 出航。

今日はいい天気だ。これほど雲がない屋久島は珍しい。

こちらには、ポッ、ポッ、ポッ、という形の雲が。
屋久島、さようなら。

船は、一路、種子島に向かう。

左手には馬毛島(まげしま)

右手には種子島。

西之表港に到着。

1010 下船。ロケット打ち上げ場に向かう。

ルートはマップの青線。
展望台(場所取り)→ ロケット発射場付近(ロケットの移動を撮影)→ 宇宙センター(情報収集)→ 宿。

西海岸からの風景。

1310 展望台付近に到着。

明日はこの道は通れない。なるほど。

1330 展望台の一つ、恵美之江展望公園に到着。
小高い丘になっており、ロケット打ち上げ場がよく見える。
駐車場は見学者で満杯。みな車中泊をする様子。
テントを張っている人もいる。
みな三脚をフェンスに括り付けて場所取りをしている。
さっそく私も同じようにして場所取り。
興奮していて写真を撮るのをすっかり忘れた。

たまたま場所取りをしていた人とお話。
今回で14回目だそう。マニアだ。
展望台は3カ所あるが、ここが一番いいそうだ。よし、狙い通り!

1350 ロケットの移動がよく見えるところを探して出発。

1400 小さな展望台に到着。

移動を撮影しようとカメラを構える人たち。
明日はここには入れないが今日はオーケー。

1450 ロケット移動開始。

組み立て施設からロケットが姿を現す。
こうのとり8号機を載せたH2Bロケット8号機だ。
発射台ごとゆっくりと右手へ移動している。

発射台を含めた全体がよく見える。

赤と白の鉄塔(避雷針)にゆっくりと近づく。

避雷針を少し過ぎたあたりで停止。移動完了。

1600 宇宙センター到着。目新しい情報はなし。

1700 宿に到着。

夕飯を食べながら明日の行動計画を立てる。
明日は4時起床だ。早く寝ることにしよう。

【本日のデータ】
フェリーはいびすかす:かなり古いタイプの作り。ラウンジ、イスなど、まったくなし。雑魚寝用の部屋があるだけ。屋久島→種子島は2時間だから我慢できるが、鹿児島→屋久島は13時間(夜間は種子島に停泊)。とても辛いと思う。

【本日の宿】
南種子町(みなみたねちょう)にある民宿。80歳台のご夫婦がやっている。
打ち上げ場所から10km、30分ほどのところ。

2019/9/09 島を半周、海中温泉で夏を満喫(D203)

今日は、島を時計回りに半周ほどツーリング。宮之浦まで走る。

マップの★印から出発して●印まで、青い線を走る。
見どころは、平内海中温泉、西武林道、屋久島灯台だ。
ウミガメの時期なら永田いなか浜も見どころ。今は時期ではないのが残念。

宿を出てしばらく走る。と、こんな光景が。

美人のおねーさんが田んぼで、じっと海を見ていた、、、

宿から10km、15分ほどで、海岸の露天風呂「川内海中温泉」に着く。
ビーチサンダルに履き替え、タオルを持ち、海岸に向かう。

海中温泉入口。料金は志(200円)

料金箱に200円を入れ、海岸に向かう。

先客がいる。写真の許可をいただき撮影。
いくつか湯船がある。手前の2つは掛湯用。奥の3つが入浴用。

海岸に近い湯船で記念撮影。
底が藻でヌルヌルしていて滑らないように必死。
恐る恐る1回だけ手を挙げてみたものの、2度は無理。
ここで溺れたら恥ずかしい。

湯船の底から源泉が湧き出してくる。
真夏の太陽がジリジリと照りつける。
お湯は熱く、空気も暑い。
屋久島の夏、日本の夏。

岩の間でカニがチョロチョロ。

駐車場脇の神社の前に「西日本一周中」の看板が。

平内海中温泉から17km、30分ほど走り、西武林道に入る。
舗装はされているが道幅は狭くカーブが多い。
ジョギング程度の速度でゆっくり走る。

いた。オスのヤクシカ。

ここにも。恐れる様子もなく、こちらを見ている。

こちらは母子。カメラで撮影し続けても、完全に無視。餌を食べ続ける。

今度は猿の集団。道路を占領中。

あ~あ、いい気持ち。

西武林道を抜けると屋久島灯台。

青い空と白い灯台と黄色いバイク。絵になるね。

屋久島灯台付近は口永良部島(くちのえらぶじま)に最も近い。

「きょうは口永良部島が見えますか?」
見えますよ。とっても良く。

宮之浦の宿に到着。
ここに2連泊して、明日は白谷雲水峡を歩く。
と考えていたのだが、、、

夜のTVニュースで、明後日の朝6時33分に種子島でロケットが打ち上げられる、との報道が。こうのとりを宇宙ステーションまで運ぶH-IIBロケットだ。

なに~い。明日、種子島に渡れば間に合う。これは行くっきゃないでしょ。

と言うわけで、宿の2泊目をキャンセル。フェリーの時刻を調べ、種子島の宿を探し、夜中まで計画立案。

行き当たりばったりだが、意外と何とかなるもんだ。

【本日のデータ】
平内海中温泉:入浴料は志。200円。混浴だが女性はまず入らない。
西武林道:100%ヤクシカに出会える。車が通るといったん道路の外に出るのだが、すぐに戻ってくる。
TVニュース:ごく稀にとても貴重な情報が得られることがある。

【本日の宿】
宮之浦市街。釣り具店の3階。

2019/9/08 ローカル温泉は楽しい(D202)

わが家の女王陛下が帰宅するので空港まで見送りに。
飛行機が1時間遅れるというアクシデントはあったが、無事に出発。

相棒バイクと共に一人旅の再開だ。

早めに宿に着いたので、近くの温泉に行ってみることに。

尾之間温泉。
ローカル感満載だ。いいね!

入口に貼られた掲示の数々。入浴料金は200円。

着替え室に入ると、、、

万国共通銭湯の心得。キャラクターは(たぶん)西郷どん。

こちらのキャラクターはコミック『テルマエ・ロマエ』の古代ローマ人。
作者のヤマザキマリに描いてもらったのか? パクリか? 真偽不明。
下側の絵の説明が切り取られている。なぜ?

罠かけます。
温泉にこの貼り紙! さすが屋久島。

子猫捨てたらダメでしょ。保護してる方の身にもなってくださ~い。

この温泉は熱いので有名。我慢して入る。
浴槽の下には、こぶし大の玉石が敷き詰められている。

いいお湯だった。

宿への帰り道、スーパーマーケットで買い物をしていたら、突然の夕立。
しばらく雨宿り。ぼーっと雨を眺める。

やんだあとの空には虹が。涼しくなって気分爽快。
のんびりとした田舎の午後でした。

【本日のデータ】
尾之間温泉:入浴料200円。
鹿・猿に困ったら:スタートラップへ連絡。罠をかけます。
子猫が生まれたら:温泉前には捨てないで。みんなが困ります。
夕立が来たら:しばらく待ちましょう。虹が見えます。

【本日の宿】
千尋の滝近くの民宿。ご主人は県外からの移住者。元は工業製品の設計者。
居合せたお客さんの一人は消防隊の救急救命士。消火活動エピソードが面白かった。

2019/9/07 屋久杉自然館&滝巡り(D201)

屋久杉自然館はバスに乗るために行っただけだったので、じっくり中を観ることにした。そのあとは滝巡り。

AM 屋久杉自然館を見学

手前のは屋久杉を運んだトロッコ。
後ろの建物は屋久杉自然館。円柱形。屋久杉をイメージした意匠だ。

料金600円を支払って中に入る。

縄文杉の折れた枝。普通の杉の幹ほどの太さ。別格、という言葉が浮かぶ。

トロッコで杉を運ぶ写真。
あんなヨレヨレの線路でこんな重いものをよく運べたと思う。いろいろな事故もあったのではないか。

杉を切るチェーンソー。ムチャクチャ重い。
20.5kg! 2.08m! オレより大きい。
よくこんなもの使えたなぁ。驚愕。

杉を切るノコギリ。
目視で1.5mはある。

歯の形が独特。R状に深くえぐれているのは、木くずをかき出しやすくするため。

PM 滝巡り

大川の滝。
なかなかの迫力。

千尋(せんぴろ)の滝。

花崗岩の岩盤を落ちる。
この花崗岩、千人が両手を広げて並んだぐらいの幅があるらしい。

仲間ガジュマル。
沖縄にはもっとすごいガジュマルがあったが、ここのは形が独特。
映画の舞台にもなったらしい。

トローキの滝。
落差はたいしたことないが、海に直接落ちるので有名。
轟きの滝→とろろきの滝→とろーきの滝→トローキの滝、ということらしい。

駐車場から滝までの道には小さなカニがたくさん。
穴から出たり入ったり。
素揚げにしたらカリカリで美味しそう。

夕飯は宿の近くの有名なお店に。

カメノテと言う甲殻類を食べてみた。こちらでは有名。

一つだけアップで。
指でキュっと押すと、パキっと割れて身が出る。それを食べる。
貝と言えば貝だが、ちょっと独特。甲殻類ミョウガガイ科。
まずくもないが、美味しくもない。話のネタ、という感じ。

【本日のデータ】
すべての滝は見学無料。
トローキの滝は、見学スポットを探すのに苦労する。

【本日の宿】
昨日と同じ。安房市街の小さなビジネスホテル。

2019/9/06 ヤクスギランドを歩く(D200)

ヤクスギランドは屋久杉の中をお手軽にトレッキングできるエリアだ。
80分コース、150分コースなど、いくつかのコースがある。

入口で入林協力金500円を支払って中に入る。
小雨模様だったが、せっかくなので一番長い150分コースを歩くことに。

大小の切り株が点在する。

樹齢千年を超えたものだけが屋久杉と呼ばれるらしい。

吊り橋がいくつかある。ゆらゆら感が好き。

流された倒木。ここも歩道の一部だ。ロープに沿って歩く。

コースの分岐点。150分コースは細い山道を登るのだ。

道がしっかりと登山っぽくなってくる。いいね。

またまた大きな切り株。別の新しい樹が根を下ろしている。

ひげ長老。小学一年生が考えた名前だ。苔が髭のように見えるから、だそう。

天柱杉。天を支える柱なのか?

母子杉。二本の杉の根元がくっついている。
なぜ父子杉じゃないのか、などと野暮なことは言わないでおこう。

150分コースを3時間かけてゆっくり回った。
縄文杉ほど体力は使わないので、手軽に屋久島の雰囲気を楽しめる。お薦め。
ヤクスギランドという軽いネーミングのせいで損してる気がする。

ヤクスギランドを出て車に乗ろうとしていたら、警備員のおじさんに紀元杉を観に行くことを勧められた。

紀元杉は車で10分ほどだから行ってみなぁ。
触れるよ~。パワーがもらえるよ~。

触るの? そりゃいいね。
ということで、行ってみた。

樹高19.5メートル、胸高周囲8.1メートル、推定樹齢3000年。
すごい迫力。

遊歩道が近いのでこのように触れる。パワー、いただきましたぁ。

宿に戻る途中、5月の大雨で崩れた場所を確認。
バスが立ち往生して314人が帰れなくなった場所がここ。
現在は通れるが、まだ工事中。

【本日のデータ】
ヤクスギランドまでは車で行ける。
紀元杉まではそこから車で10~15分。
いずれも屋久島を味わえるお薦めスポット。
ヤクスギランドは500円、紀元杉は無料。

【本日の宿】
昨日と同じ。安房市街の小さなビジネスホテル。

2019/9/05 縄文杉に会う! 往復10時間30分歩き通しでヘトヘト(D199)

さあ、今日はいよいよ念願の縄文杉だ。
今回は3度目のチャレンジ(注)。何とか成功させたい。

(注)
1度目:島に渡る前日、屋久島に降った大雨で崖が崩落。荒川登山口(縄文杉への出発点)に通じる道路が通行不能になった。縄文杉に行っていた314人が荒川登山口で一夜を明かした。詳しくは「2019/5/18 鹿児島行きフェーリーに乗る(D181)」参照。
2度目:屋久島に渡ったその日にドクターヘリで鹿児島の病院に運ばれた。詳しくは「2019/7/22 (後編)ドクターヘリで屋久島から鹿児島に!(D192_2)」参照。

0330 起床。出発準備。宿に頼んでおいたお弁当(朝・昼)を受け取る。

0420 レンタカーで宿を出発。

0430 屋久杉自然館に到着。交通規制があり一般車は荒川登山口までは行けない。ここからバスで行くのだ。

0500 バス出発。

0540 荒川登山口到着。
朝食弁当を食べ、準備体操をし、トイレに行く。

0600 記念撮影をして出発。

はたして無事に往復できるのか? 不安でいっぱいだった。

トロッコの軌道を歩き始める。
前を歩くのは、わが家の女王陛下。公務がないので私も行く、ということで同行。

インディジョーンズ風のトンネル。
写真を撮っているのは、山ガールとガイドさんのグループ。

じゃあ、私も、ということでパチリ。

朽ち果てたトロッコの車両。おそらく展示品。

斜面から流れ落ちる水。屋久島らしい風景。

花崗岩剥き出しの山肌。

手すりがなく、幅が狭いトロッコ橋。よろけると落ちそう。慎重に渡る。

小杉谷小・中学校跡。
案内板を見ているのは前を歩いていたグループ。
私たちはガイドさんなしだったが、ガイドさん付きのグループが多かった。

と、ヤクシカ発見!
ラッキー!と思いつつ写真を撮る。
動きが速く、まともに撮れたのはこれ一枚。

手すりがある幅広いトロッコ橋。
いい雰囲気なので記念撮影。

トロッコの引込線。
分岐ポイントの切替ハンドルが渋い!

0900 大株歩道入口に到着。ちょうど3時間歩いたことになる。
トロッコ軌道はここで終了。ここからは登山道になる。
トイレに行く。この先にはトイレがない。

0910 登山道を歩き始める。
これからが本番だ。ここから縄文杉まで往復4時間の予定。

岩と根の道が続く。

翁杉(おきなすぎ)

0950 ウィルソン株

屋久杉の切り株だけが残ったもの。中は空洞。胸高周囲13.8m
豊臣秀吉の命令により大坂城築城のために切られたと言われている。
アメリカの植物学者アーネスト・ヘンリー・ウィルソンが西洋文化圏に紹介したので、この名が付いた。

ウィルソン株の中からの風景。
ハート形に見えるのは特定の一カ所だけ。その場所を探すのがポイント。

アップダウンが延々と続く。

ところどころに木製の階段が設置されている。
階段はつらい。歩幅が強制されるからだ。
膝を手で押し下げ、ウン、ウンと言いながら登る。

1045 大王杉

1050 夫婦杉

2本の杉の枝がつながっていて、まるで手をつないだように見えるから夫婦杉。
う~ん、手をつなぐ夫婦はあまり見たことがないのだが、、、

1120 老木に食べられそうになる。

何とか脱出成功(笑)

1135 メドゥーサの杉

メドゥーサはギリシャ神話に登場する髪の毛が毒蛇の女性。
確かに似ている。見たことはないけど。

1140 縄文杉に到着!

やったー!

展望デッキが少し離れていて、これ以上近づけないのが残念!
もっと近いところから、周囲16.1mという太さを感じたかったのだが。

1200 下山開始

帰りはつらい。
黙々と登山口を目指して歩く。
疲れて足がもつれる。転ばないよう慎重に歩く。
トイレに行きたくなってきた。ガマン、ガマン。

1350 大株歩道入口に到着。登山道はここで終了。
トイレに駆け込む。
お弁当を食べる。
沢の水を飲む。ペットボトルにも入れる。
屋久島の水は美味しいので有名だ。確かに美味しい。

1410 出発
ここからはトロッコ軌道を戻る。
荒川登山口到着目標を1630と決め、ドンドン歩く。

1620 荒川登山口到着。10分後に帰りのバスが出ると言う。ラッキー。

1630 バス出発

1710 屋久杉自然館に到着。車に乗り換えて宿に向かう。

1730 宿に帰還。
無事に往復できてよかった。女王陛下、お疲れさまでした。

【本日の夕食】

トビウオの姿揚げ。
羽がパリパリで美味しかった。

トビウオのすり身の薩摩揚げ。弾力性があって美味しかった。

【本日のデータ】
歩行時間:10時間30分(休憩を含む)
歩行距離:35.7km
歩行歩数:4万4599歩(起床から就寝まで)
登った階数:88階(換算値)

【本日の宿】
昨日と同じ。安房市街の小さなビジネスホテル。
夕食はこの宿で食べた。

2019/9/04 屋久島から再始動(D198)

さあ、いよいよ再始動だ。
まずは屋久島に戻り、相棒バイクを受け取らねば。
そのあとは、縄文杉までのトレッキング。今度こそ、やりとげたい。
わが家の女王陛下が夏季休暇なので一緒に行くことになった。

羽田空港から鹿児島空港まで行き、屋久島行きの飛行機に乗り継ぐ。

屋久島行きの双発プロプラ機。
沖縄の島を飛んでいるのとは違う機体だ。

離陸直後。桜島が見える。

桜島がこの角度で見られるとは驚き。
まるで遊覧飛行だ!

雲にかかる丸い虹。

薩摩富士と呼ばれる開聞岳(かいもんだけ)。
夕陽に浮かぶシルエットが美しい。
山頂の一筋の雲がこの写真のポイントなのでお見逃しなく。

屋久島空港到着。
レンタカーを借りる。

病院に行き、お礼を述べ、相棒バイクを受け取る。
ひと月以上もの間、ありがとうございました。

エンジンは1発で始動。幸先いいぞ。

明日は縄文杉まで歩くので朝が早い。
早いところ宿に行って、さっさと寝よう。

【本日の宿】
安房市街の小さなビジネスホテル。4連泊の予定。

【本日のデータ】
屋久島行きの飛行機が飛ぶコースは、風向きによって異なる。今回、桜島の上空を飛んだのは、とてもラッキーだった。
座席が胴体の右側か左側かによっても見えるかどうかが分かれる。飛ぶコースを予想して左側の座席を確保したのだが、大当たりだった。

2019/7/22 (後編)ドクターヘリで屋久島から鹿児島に!(D192_2)

昨夜、深夜に10分間ほど呼吸が苦しくなることがあった。
今年の冬にも似たようなことがあり、近所のお医者さんに行ったところ、軽い気管支喘息(きかんしぜんそく)の兆候があると言われていた。
気管支喘息は冷たい空気を吸って気管が収縮し狭くなるために起こる。だから温めて広げてやればいい。
昨夜もそうだった。クーラーで室温が下がりすぎたせいだろう。お湯を沸かしてペットボトルに入れ、タオルで包んで胸に当てていたら、しばらくして治った。

昨夜はそれでよかったが、明日は縄文杉まで往復する予定だ。縄文杉は島の中央部にあり、登山口から徒歩で往復10時間ほどかかる。もし、その間に雨に会い、空気が冷え込んだ場合、喘息が起きる可能性がある。万が一に備えて、喘息の薬(気管拡張剤)を処方してもらうことにした。

Googleマップで調べると、宿に向かう途中に大きな病院がある。
よし、ここに行こう、と決めた。

1415
屋久島環境文化村センターを相棒バイクで出発。

1420
5分ほど走り、病院に着く。

1440ごろ
診察開始。今は喘息の症状は出ていない。念のため心電図をとることに。

1520ごろ
再び診察開始。

(心電図を見ながら)う~ん、この部分の波形が気になるなあ。

えっ、どこですか? 波形整ってますよね? 不整脈じゃないですよね?

うん、不整脈じゃない。全体的な波形は問題ないんだけど、、、
ほらここ。上にピンと大きく跳ねたあと、波が下に落ちるだろ。落ちたところのv字の部分。ここが微妙に気になるなあ。

どう気になるんですか?

う~ん、狭心症(きょうしんしょう)の可能性がある。

きょ、きょうしんしょう? きょうしんしょうって何ですか?

心臓があるでしょ。その周りに冠動脈(かんどうみゃく)っていう動脈が3本あるのね。こっち側に2本、反対側に1本。その3本のどれかが詰まりかけているかもしれない。まだ詰まりかけだから狭心症。完全に詰まったら心筋梗塞(しんきんこうそく)。

完全に詰まってるわけじゃないんですね?

詰まってたらね。苦しくて、こうやってしゃべってられない。
ま、倒れてるね。

でも、今、バイクで日本一周中で、山へ登ったり、トレッキングしたり、けっこう動いてますけど、胸が痛くなったり、昼間に呼吸が苦しくなったりすることは一回もなかったんですけど、、、
呼吸が苦しくなったのは夜だけなんですよ。温めたらすぐ直ったし、、、

狭心症の場合ね、人によっていろいろなの。まったく何の自覚症状もない場合もあるし、歯が痛くなったり、肩が凝ったりね。
詰まっていると血液の通り道が狭くなってるでしょ。そこに何かがごく短時間だけ全部詰まって、すぐに流れて行ったりすることもあるわけ。夕べも、ちょっとの間だけ詰まって、そのときに呼吸が苦しくなったのかもしれない。

そ、そうなんですか。

まあ、今の段階では、あくまで可能性だけどね。
ただ、もしそうだったら、今、この瞬間に完全に詰まって心筋梗塞になる可能性もあるよ。

血液検査とエコーをやろう。それではっきりするよ。
それで何ともなければ安心でしょ?

はい。そうですね。

1610ごろ
三度目の診察開始。

(血液検査の結果を見せながら)はい、この項目、見て。
この項目の数値がこれだと、ほぼ間違いなく狭心症ですね。

ええっ、そうなんですか。

うん。
心臓がダメージを受けてると、この項目の数値に現れるの。ダメージを受けたときにこの成分が分泌されるわけ。
夕べ、呼吸が苦しかったって言ったでしょ。そのときに心臓がダメージを受けた可能性があるね。

エコーで見た心臓の動きもね、このあたりが少し動きが鈍いかな。ほんのちょっとだけどね。

心臓がダメージを受けるとね、ダメージを受けた部分の筋肉は元には戻らないの。今はまだ比較的軽いダメージだと思うけど、もう一度夕べと同じことが起きたらもっと大きなダメージになるかもしれない。万が一、心筋梗塞になったら大きなダメージになるよ。

そうなんですか、、、
どうすればいいですか?

カテーテルを入れて精密検査をした方がいいな。
万が一のことを考えると、ここよりも鹿児島の病院のほうがいいな。
今日、鹿児島に戻れる?

きょ、きょうですか? もうフェリーもないし、ちょっと、、、

そう。じゃあ、明日のフェリーで戻って、すぐ病院に行って。
今からその病院に電話しておくから、ちょっと診察室の外で待ってて。

はい。わかりました。

まいったなぁ。狭心症かぁ、、、
明日からの屋久島歩き、アウトかぁ、、、
でも、ま、精密検査の結果、詰まってませんでしたぁ~、っていう可能性もゼロではないし、、、

と、先生が鹿児島の病院と電話している声が漏れ聞こえてくる。

はい、はい。う~ん、そうですか。
ドクターヘリで、、、
はい、わかりました。説得してみます、、、

ドクターヘリ? 説得してみます?
えっ、オレ、これから説得されるの?

1630ごろ
診察室のドアが開く。
はい、入ってきて。
あのね。ドクターヘリですぐ来た方がいいって。
万が一、今夜、宿で寝てるときにまた起こるかもしれないし。今度は完全に詰まって心筋梗塞になるかもしれないしね。まあ、可能性は低いと思うけど、絶対にない、とは言い切れないからね。
どうする?

(ドクターヘリとは、急に大げさなことになったなあ、、、)
ちょ、ちょっと考えさせてください。

いやいや、考えてる時間はないよ。暗くなるとヘリは飛ばないから。
今すぐに決めないと間に合わないよ。

(はぁ~、確かにこれ以上の心臓へのダメージは避けたいし、、、日本一周中止なんてことになったら最悪だし、、、昼過ぎに屋久島に着いたと思ったら夕方には鹿児島にトンボ帰りかぁ~)
わかりました。じゃあ、お願いします。

よし、じゃあ、すぐに準備して。必要最小限のものだけ持って。
準備ができたらベッドに寝て。ヘリが来るまでの間に運ぶ準備するから。

1650ごろ
荷物準備完了。
救急ベッドへ。
点滴開始。

1720ごろ
ドクターヘリ到着まであと5分、との連絡あり。
治療室からヘリポートまで救急車で搬送される。5分ほど。
そのままドクターヘリに運び込まれる。

ドクターヘリを見たかったが、頭を上げるのが難しい。上を向いたまま視線の片隅でローターの一部と機体上部をわずかに捉えたのみ。

記憶に基づく再現図。
機体の上部が白、下部がピンクだったのは鮮明に覚えている。

1730ごろ
防音イヤーパッド装着。
ドクターヘリ離陸。

1800ごろ
ドクターヘリ、鹿児島到着。ヘリポートから救急車で病院へ。

1815ごろ
病院到着、カテーテル処置室へ。
カテーテル検査&手術の準備開始。
家族への連絡、処置内容の説明、同意書などなど。

先生が妻と電話で話している声が聞こえる。

今すぐ来られませんか、、、
今すぐは無理ですか、、、もう飛行機がない?、、、
、、、数%もありませんが、、、万が一ということが絶対ない、とは言いきれません、、、
、、、では、処置に同意していただいたということで、、、

1930ごろ
処置開始。
局部麻酔注射。足の付け根に打つやつが猛烈に痛い。
麻酔注射が痛くなくなる麻酔を先にやってほしい!
カテーテルを右足の付け根と右手首の2カ所から入れる。
まずは冠動脈の詰まりを検査。
2本はきれいだが、1本は90%以上詰まっているとのこと。
詰まっている箇所にステントという網状のチューブを挿入。

処置中、先生たちの話し声が聞こえる。
余裕たっぷり。たくさんの症例をこなしている感じ。
最初は緊張していたが、だんだん安心してきた。

気が緩んだのだろう、ふと大きな呼吸をしたとたん、、、

あっ! 今、大きな呼吸したね。
いまデリケートな作業中だからねぇ、、、らく~に、ゆっ~くり呼吸して~、、、
返事はしなくていいよ~、、、声は出さないでね~、、、
もうちょっとだからねぇ~

2030ごろ
よしよし、よし。いい感じだね。
ハイ、オッケー、終了!

という感じで、手術完了。
ICU(Intensive Care Unit : 集中治療室)に移動。

こうして激動の1日は終わった。

心臓にどれだけのダメージがあったのか?
はたして日本一周はいつから再開できるのか?
そもそも日本一周、継続できるよね?

不安は尽きないが、まずは命が助かったことに感謝しよう。

屋久島の先生、鹿児島の先生がた、看護師や技師のみなさん、ドクターヘリの救助隊とパイロットの方々、本当にありがとうございました。

【本日の宿】
鹿児島の病院(相棒バイクは屋久島の病院)
※バイクをお預かりいただきありがとうございます。何から何まで感謝です。

【本日のデータ】
鹿児島←→屋久島:フェリーで4時間、ヘリで30分

2019/7/22 (前編)屋久島へ渡る(D192_1)

※あいかわらずスパムコメントが猛烈なため、コメント不可にしました。たいへん残念なのですが、ご了承ください。

今週は天気が回復しそうだ。いよいよ屋久島を歩けるぞ。

0650
フェリー乗場到着。乗船手続き。

これから乗るフェリー屋久島2をバックに記念撮影。

0730
乗船

0830
出航

桜島雲に覆われるをバックに記念撮影。外国人のお兄さんと撮りっこしたやつ。

鹿児島湾を抜ける。

青空が広がってきた。嬉しい。ずっと曇&雨だったので青空が身に染みる。

フェリーに展示されていたウミガメの赤ちゃん。
超かわいい~~~~~
5匹ほどいて、水槽の中を元気に泳ぎ回っていた。

1230
屋久島宮之浦港到着。

島の上は雲で覆われている。屋久島らしい風景。

まずは情報取集だ。

1250
港から2~3分走り、屋久島環境文化村センターに到着。
通常は月曜日は休館日だが、夏休み中は休館日なしとのこと。

まず、館内にある観光案内所で情報収集。
マップをいただいたり、一般車通行禁止区間のバスチケットを買ったり。

チケットを買い、センターの展示室に入る。

屋久島の立体模型。

白骨樹。台風の強風などによって樹皮が剥がれ、白くなった樹木。

樹齢857年の杉。年輪の緻密さがすごい。

「ヤクシマ」表記のいろいろ。こんなにあるとは知らなかった。面白い。

シアターで映像も上映され、これもなかなか良かった。

1410
さて、今日の宿泊地、安房に向かおう。
途中で寄るところもあるし。

と、向かった先で、予想もしない展開が待っていた、、、(後編に続く)

【本日のデータ(前編)】
フェーリー料金:片道 大人2等 5000円、二輪125cc以下 1800円
屋久島環境文化村センター:入場料 520円