11月21日(水)113日め 金沢をブラブラ、東山ひがし茶屋街に行く

今日は金沢に行く。
高岡から金沢までは45kmほど。1時間半もあれば着くだろう。

冬装備の一つ、レッグウォーマー。
3rd開始のときから持ち歩いていたもの。
黒部トロッコ電車に乗ったあと足がつって四苦八苦したので、それ以降、用心のため履いている。

膝の方に黒く見えるのはユニクロの超極暖(ちょうごくだん)というアンダーウェア。
この上に冬用登山ズボンを履き、さらにバイク用オーバーパンツを履く。
これで万全。

高岡市から金沢に向かう途中、突然、、、

田んぼの中に観覧車が出現!
近づいてみるとアウトレットモールだった。

さらに走るとこんな建物が、、、

(財)石川県津幡(つばた)漕艇(そうてい)競技場

※漕艇とはボートのこと。モーターじゃなく、手で漕ぐやつ。

ボートの格納庫。

初心者向けの説明が貼ってある。
「初めてのロウイング  市民レガッタ・初心者のための入門マニュアル」

※ロウイングは漕ぐこと。レガッタは競技会。

市民が参加できる競技会があるのだろう。

使用料の上に注意書きが貼ってあり、金額がわからない。
町外の人も利用できるのはいいね。

※ナックル艇:初心者練習用の安定性が高いタイプのボート。スピードはあまり出ない。スピードが出るタイプはシェル艇という。

川のほうに向かう。

川じゃなくて湖だった。河北潟

※河北潟:金沢市から河北郡内灘町にまたがる潟湖(せきこ、ラグーン)。湾が日本海沿岸の内灘砂丘で隔てられて湖になった。

利用ルール図中の黄色い部分は、釣り禁止、モーターボート徐行だ。ボート練習エリアだろう。

水辺に出てみる。青いフロートの脇にボートを着けて乗り降りするのだ。

レガッタのシーズンは過ぎたらしい。人影は全くなし。もう11月下旬だもんね。

金沢市街地に到着。

相棒バイクを宿に置いて、市街をぶらつく。

柿木畠商店街というエリア。写真の手前側は鞍月用水、その向こう側の道は21世紀ロード柿木畠。十字架は金沢教会

振り返ると鴎外の俳句。

犬の子の 鳴くに目ざめし 霜夜かな

石川四高記念文化交流館。
レンガをバックに雪吊(ゆきづり)が美しい。

晩秋の風景。向こうは金沢市役所。

金沢城跡。

東山ひがし茶屋街に向かう。

梅ノ橋。
二人の女性は私の専属モデル(笑)

梅ノ橋の側面。緩やかな曲線を描く造りが美しい。

梅ノ橋から天神橋(卯辰橋)を望む。下は浅野川。

徳田秋聲記念館の前を通り、茶屋街へ向かうと、、、

塀の上に焼き物?の黒い鳩?カラス?が一羽。何とも不思議な光景。

東山ひがし茶屋街に着く。

美しい木造の茶屋が並ぶ。

二階のガラスに空が映る。

とりわけ美しい家屋をいくつか。

自撮りをする女性の影が映る。こういうのもいい。

着物の女性がたくさん。

仲間と記念撮影。綺麗に撮ってね。

箔座ひかり蔵というお店に入ってみる。

金箔の蔵。外も中も金箔塗り。

蔵の中。

お皿。

バッグ。

美容マスク。

他の店も覗いてみる。

アンティークショップ。

さて、陽も暮れそうだし、宿へ戻ろう。

森忠商店。

黒田香舗。

香林坊という繁華街に出る。

一帯にイルミネーションが輝く。
お洒落な店舗とグッドマッチ。

片町きらら。
金沢でもいろんなところにイルミネーシ。
東山ひがし茶屋街とは対照的だが、これはこれでいいものだ。

5kmほどをブラブラと3時間半。のんびりした半日だった。

【本日のデータ】
片町の宿から東山ひがし茶屋街まで約2.5km。

9月16日(日)94日め 大地の芸術祭(1)星峠の棚田&美人林&蛇モニュメント

大地の芸術祭が、新潟県 越後妻有(えちごつまり)で開催されている。越後妻有は、十日町、津南町あたり。

芸術祭は3年に一度。しかも、明日で終了。これは行くしかない。

宿を津南町から30km、1時間ほどの湯沢に確保。これで今日明日の2日間楽しめる。

長岡から、十日町まで50km、津南町まで60km。2時間弱で着くだろう。

よし、出発。

ずっと田んぼが続く。さすが新潟。

稲が倒れている。向こうは倒れていない。何が違うのだろう。品種か?

十日町市内に入る。

市街地を少し走ったところでハプニングが発生!!!

うわっ! 相棒バイクが車の横腹に激突、、、、、、、

な、なんと、車を跳ね上げ、下に潜り込んでしまった!!!

相棒も私も無傷だが、証拠写真は撮っておこう。で、撮ったのが上。

相棒、すごい。

、、、

なんてね。

芸術祭出品作品K-093 カードリフターズ。
タイヤの下に車体を支える支柱が埋め込まれているのだろう。

さて、芸術祭参加作品の一つ「星峠の棚田」に行こう。

この芸術祭には、祭のために作られた作品だけでなく、自然や建造物作品として参加している。そこが面白い。

十日町周辺には実にたくさんの棚田がある。

Googleマップの検索結果。

数ある棚田の中で星峠の棚田は美しいことで有名。最優先で見たい作品だ。

向かう途中の風景。少し山中に入れば、田んぼはみな棚田だ。
稲木干しを見ると、なぜか相棒バイクとのツーショットを撮りたくなる。

はんぱない美しさ 星峠の棚田 1.5km先 右折

わかりやすい表現、味のある文字、自然と調和するカラーリング、大きさ、設置位置、すべてがグッド。

棚田が続く山道を登る。

到着。相棒バイクを停め、徒歩で写真スポットに向かう。

撮影スポットの案内板。
周囲の多数の棚田を「越後松代棚田群」と呼ぶ。知らなかった。

メインの撮影スポットから。
手前の雑草もいい。あえて入れて撮る。美しさだけではないリアルな風景。

少し左手の撮影スポットから。
手前の青いのは野菜栽培ネット。
観光棚田と生活リアルネット。
観光写真はリアルを切り捨て、私は残す。
あなたはどっちが好き?

ハート形の田んぼ。大きすぎて入りきらない。こういうのも好き。

さらに左手に進んだところから。真ん中あたりは刈り入れが終っている。

見るからに作業しにくそうな田んぼ。やはり雑草が多い。

ほぼ雑草。刈り入れ後がたいへんそう。棚田は本当にたいへんだと思う。
観光客がどれだけ増えても、ここで稲作する農家の人たちの収入には全く関係がない。迷惑のタネが増えるだけだろう。

われわれ観光客は農家のみなさんへの感謝が足りない。

「美人林(びじんばやし)」が近い。
行ってみよう。どんな美人なのか楽しみ。

美人林に着く。

迫力満点。はい、注意します!
左手が林の入り口。

これが美人林。ブナ林。白神山地よりもずっと若い。

少し奥に入ったところ。スラっとして確かに美人だ。人間なら十七歳~二十二歳?

田んぼアートがあるというので20分ほど走って行ってみた。

ガクッ! これに往復40分もかけたとは。残念!

陽が傾き始めた。作品は多いが時間が限られている。
ぜひ見たい作品を優先しよう。

次の作品に向かう。

しばらく走ると、道路脇に大きな建造物が出現。

磯辺行久「土石流のモニュメント」
巨大だ。

駐車場の案内板。

モニュメントは砂防事業の一環として作られたものらしい。
山腹斜面崩壊があった際、大きな4つの円柱が土砂を防ぐということらしい。

駐車場に作られた共通チケット売り場。
この芸術祭では、美術館などの有料施設が会場になっている。共通チケット3500円を買うとすべての会場に入れるのでお得だということらしい。
ここはチケットなしでOK。

チケット売り場うしろの階段を登ると別のモニュメントが見られる。

チケットなしでOKなら、もちろん登る。

出た! 赤いシマヘビ。
じゃなくて、磯辺行久「サイフォン導水のモニュメント」

ここまで20km以上の長さの水力発電用の導水路(地下水路)が走っている。
その水路がこの地点で道路と川の下をくぐる。
くぐるためには水路をU字形に曲げないといけない。
U字の底まで下がった水を再び上げるためにサイフォンの原理を使っている。
モニュメントは、地下にあるそのような水路の存在を暗示するもの、だそう。

導水路の解説掲示。長さ21km、落差110m。建造当時は東洋一、とある。

係りのお兄さんとお話。

車の誘導、お疲れさまです。運営関係者ですか?

いや、ボランティア。土日に来ていろいろ手伝ってる。

そうなんですか。
いよいよ明日で終わりですね。ひと段落ですね。
あの土石流のは常設ですよね。
このヘビみたいなのも常設なんですか?

いや。明日、ソッコー片付ける。
この間の台風のときは、たいへんだったよ。
ビニール製で空洞だからさ。風に飛ばされて。
あの少し高くなってるところ、あそこから千切れちゃってさ。
直すのがたいへん、大仕事。
また、台風が来るって言ってるだろ。来る前に片付けなきゃ。

うわ、千切れたんですか。あれだけでかいと直すのたいへんでしょ。

メチャクチャたいへん。次の台風が来る前に終わるんで、よかったよ。

そうですよね。終わったら一安心ですね。

どこから? 川越か。遠いところからようこそ。気をつけて。

ありがとうございます。あと少し頑張ってください。

シマヘビにギリギリまで限り近づいてツーショット。

そろそろ陽が沈む。さあ、宿に向かおう。

しばらく走ると素晴らしい作品が、、、
それがこれ。

名付けて「廃屋(はいおく)のある空間」

白い壁、赤茶色の枠、裏の緑が見えるスクエアな窓、配置バランス。
後ろの木々と周囲の雑草。
素晴らしい廃屋と緑の空間とのコラボレーション!

これぞ芸術祭参加作品「廃屋のある空間」

3年後に出品します。
それまで壊さないでほしい。関係者のみなさん、よろしくお願いします。

【本日のデータ】
磯辺行久:アーティスト、環境設計プランナー(だと思う)。芸術祭はこの人の影響を強く受けている(と思う)。
磯辺行久記念 越後妻有清津倉庫美術館(通称SoKo/ソーコ)には、この人の作品が多数展示されている。

9月15日(土)93日め 金山遺跡を観る(2)大間港跡

雨がパラつく中、金山遺跡の最後のエリア、大間港跡に行く。

土木学会選奨土木遺産。初めて知った。

左端が大間地区。

解説に、明治20年から25年まで、5年間をかけて完成した、とある。当時は5年もかかったのだ。当時の最新技術「たたき工法」が用いられた、とある。今、どんな状態なのか、興味深々。

※たたき工法:消石灰と土砂を混ぜて水で練ったもの(コンクリートではない)と石積みを組み合わせる技術。

大間港周辺の詳細図。

大間火力発電所跡、トラス橋、クレーン台座、ローダー橋脚、防波堤(大)、防波堤(小)。見どころ満載。

火力発電所跡。外壁だけ。立入禁止の看板が目につく。
左下にリアカー(牽引方式の人力運搬車)。

火力発電所跡から海の方を見たところ。これがほぼ全体像。

リアカーの右手に下に降りる石段がある。

降り始め。上部中央の鉄骨がトラス橋。

トラス橋の解説には、鉱石をこの橋から下の小船に落下させて積み出した、とある。

階段を降りたところ。
あの鉄骨の下に小船が入ると、上から鉱石が落とされる。
合理的な設計。

防波堤(大)の上で若者が記念写真を撮りっこ中。こういう風景もいい。

たたき工法で造られた堤。なんとも美しい!

陸地側(発電所側)。石の配置と色の混ざり具合が絶妙!
これだけでも来た甲斐がある。

グルっと回り込んでトラス橋を観る。
手前にはガシッと挟んで運ぶやつ。名称不明。

トラス橋のアップ。傷みが激しい。早急な対策が必要では? 傷みすぎると世界遺産は難しい。

記念のツーショット。小雨なので色彩が冴えない。まあ、良しとしよう。自然には逆らえない。

ガシッと挟むやつ(名称不明)からクレーン台座を見る。
1つめは中央の大きいやつ。2つめは右側のやや遠いやつ。3つめは鉄骨の間から小さく見える左側のやつ。

台座の間にローダー橋脚が2つ見える。

ローダー橋は貨物を運ぶクレーンやトロッコが通った橋。
その橋脚だけが残っている。

近くで見たい。
海に突き出ているので、歩いて向かう。

取り壊された残骸がある。遺跡の一部のようだ。
何を壊したのか? なぜ壊したのか? 疑問が膨らむ。
世界遺産にしようとするなら壊しちゃだめでしょう。
しようとする前に壊しちゃったのか?

この微妙なチグハグ感。最初に大立竪坑を見たときからずっとある。
持ち主(企業)と行政がうまく嚙み合っていない感じ。

ローダー橋脚。3つが並ぶ。
橋脚だけ残して上の橋(鉄橋?)は壊したのか?

防波堤(大)。
たたき工法の石積みが美しい。
向こうには3つめの小さいクレーン台座。

この「(大)」「(小)」というのが笑える。
私なら「海側防波堤」「陸側防波堤」とか、機能がわかるネーミングにするけどなあ。

防波堤(大)の中央あたりから陸側を見る。クレーン台座とトラス橋。
台座の石積みが美しい。
たたき工法っていいですねぇ。

防波堤(大)の先端から陸側を見る。

右に見えるのが防波堤(小)。
向こうにトラス橋とクレーン台座。
が澄んでいて青い海底が見える。
絵になる風景。

とても狭い港だ。入れる船はかなり小さい。当時の規模が想像できる。

10時30分か。12時にフェリー乗り場に着けば、12:40のフェリーに乗れる。1時間半あれば行けるだろう。

よし、佐渡スカイライン経由で両津港まで突っ走ろう。

ルートはこう。☆が両津港。〇が大間港跡。

小雨がパラつく中、佐渡スカイラインを走る。思ったより急坂。路面が濡れているので滑りやすい。上りも下りも走りに集中。

景色はこんな感じ。快晴なら景色はいいはず。佐渡スカイラインの写真はこの1枚。

無事に両津港に着き、1240発フェリーで新潟に。

そこから70km、2時間ほど走り長岡の宿に到着。

【本日のデータ】
金山遺跡の5地区を堪能するなら最低2日。できれば3日を推奨。