6月23日(土)21日め いわき市から相馬へ(中編):福島原発周辺の今(その1)

海沿いに第二原発に向かう。そろそろというところで見えてきたのは広野火力発電所の煙突だ。火力発電所の煙突は今まで見たことがなかったので記念撮影。

少し走るとこんな風景が。

ここで田んぼアートと出会うとは。遊び心を持った人がいるようだ。

近寄るとこんな感じ。う~む、何だかわからない。

第二原発に着く。敷地の門まで問題なく到達。あっけなさすぎて写真を撮るのを忘れた。もちろん敷地内には入れない。

次の目的地、第一原発を目指す。

しばらく走ると低濃度PCB廃棄物保管エリアに遭遇。重機の向こうに黒く横たわるのが廃棄物が入った袋だ。

ものすごい数が周辺のエリア一帯に積まれている。

そこから少し走るとこのような標識が。

バイクは海側から内陸に向かっているので、これまで走って来たエリアにはすべて津波が来たということだ。この標識は、今後あちこちで見かけることになる。

いろいろな工事が行われている。これは新しい道路の建設。文字が入っていない標識を見たのは初めてだ。

第一原発まで4~5kmの地点でこんなディプレイを発見。

「テロ特別警戒実施中」と表示されている。

さらに進むと通行禁止の看板が現れる。

この写真を撮影して引き返そうとすると、パトカー風の車が1台追いかけてきた。

ゆっくりバイクを停めて待つ。

すみません。今、そこで何をしていたんですか? 写真撮ってましたよね?

はい、撮ってましたけど、何か?

撮影は禁止なんですよ。撮った写真を見せていただけませんか。

いいですよ、ほら。この2枚だけですよ。

撮影は禁止なので削除してもらえませんか。

敷地内には入っていません。撮影禁止なのは構内ですよね。「撮影禁止」って書いてある看板を外から撮影することも禁止なんですか。そんなことないですよね。機密事項なんか何も写ってませんよ。

60歳ぐらいの気のよさそうな男性が困った顔をして、「う~ん、これからどこへ行くんですか」と尋ねる。もちろん警官ではない。警備会社の人だ。

今日は相馬へ泊って、明日は仙台。そのあとは北上して北海道へ行く予定。

わかりました。じゃあ、気を付けて。

ありがとうございます。では。

ということで、それなりにしっかり警備していることがわかった。どうしても削除しろ、と言ってきたら、権限の確認→正式手続きの要求など、それなりの対応策を考えてあったのだが、あっけなく終わってしまった。喧嘩しにきたわけではないので、穏やかに終わってよかったのだが。ちょっと肩透かし。

次は第一原発のすぐ脇を走る6号線を通れるかどうかの確認だ。6号線を北上するとこんな看板が、、、

やっぱり。話には聞いていたが、車はOKだが二輪はNGというのは本当だった。行けるところまで行ってみようと思い、さらに進む。

まだまだ。さらに進む。

帰宅困難区域の境界だ。向こうに家が見える。ここからは見えない家がいくつあるのか、と思うと何とも言えない気持ちになる。

だが道はまだ完全にはブロックされていない。向こうに警備員らしい人が見える。よし、警備員に止められるところまで行ってみよう。ということで200mほど進む。

若い警備員に止まるよう声をかけられ、迂回路の地図をもらう。ずっとニコニコしていて愛想がいい。(下の写真ではチラッと制服が見える)

すみませんが、二輪は通れないんですよ。車なら大丈夫なんですが。囲われているかどうかで被爆量が違うみたいです。このまま行くと警察に止められますよ。パトカーが行ったり来たりしているので。

わかった。ありがとう。(お兄さんは剥き出しでずっと立ってるわけだけど、被爆量は大丈夫なの?)と思ったが言うのはやめた。若い人を困らせてもしょうがない。

さて、迂回するか。でもこの迂回路の地図どおりじゃなくてもいいだろう。もっと近い道がありそうなものだ。と、考えたのが大失敗。このあと大後悔することになる。

(後編へ続く)