2019/11/06 現存天守12城の一つ、松江城天守閣に登る(D261)

現存天守12城は、江戸時代以前の天守閣が現在も残っている12の城のこと。松江城はその一つ。有名なのは松本城や姫路城。

相棒バイクを駐輪場に停め、徒歩で天守閣に向かう。

下から見上げると存在感が凄い。登城する武士の気分になる。

野面積み(のづらづみ)の石垣が特徴的。

興雲閣(こううんかく)
城内に突然現れる洋風建築。ちょっとびっくり。明治36年築。

館内に入る。入場無料。

1階廊下。
窓からの光が美しい。

階段踊り場。

2階ホール。

貴賓室(きひんしつ)
手前は絨毯、向こうは畳。和洋の組み合わせが面白い。

バルコニー。
外壁がすべて同色のペンキで塗りつぶしてある。内装に比べて芸がなさすぎ。

興雲閣を出て天守閣に向かう。

派手さはないが、これこそ本物の天守閣。
1607年築。木造複合式望楼型 4重5階地下1階。
前に出っ張っているのは、附櫓(つけやぐら)。

何とも印象的な石垣だ。
野面積み&乱層積み。コストを抑えて実用性重視。
木造部分の黒色が、石垣とよくマッチしている。

附櫓(つけやぐら)の正面。
中央に矢狭間(やざま)、左右に石落としが見える。

下から見上げたところ。右が矢狭間、左が石落とし。

私が敵方なら、こんなに近くまで来ず、遠くから火矢で攻めるな。
木造なので火攻めには弱そう。

附櫓の入り口。鉄で覆われた門扉が渋い。

反対側。下側に小さい出入口が付いている。実用性重視の設計。

附櫓の階段を登り、振り返ったところ。右下から入ってきた。
壁沿いの通路は、石打棚(いしうちだな)。この上から鉄砲や矢を打つ。

天守閣の地下にある井戸。籠城(ろうじょう)用。

井戸を覗き込む。穴の周囲が石積みだ。しっかり作ってある。

祈祷札(きとうふだ)のレプリカ。本物は保管してある。
これに書かれた日付で天守完成時期が明確になり、国宝指定の要因になったとか。

上層階に登る。

矢狭間と石打棚。形が異なるものがあちこちにある。

一番手前の柱は通し柱。地階と1階を貫く。
通し柱は、地階→1階、1階→2階、2階→3階、というように交互に組み合わせてある。築城技術の一つだ。

包板(つつみいた)で包まれた柱。心材の周りに板が貼ってある。

包板を留めていた鎹(かすがい)

柱に「十ノ九下」と彫られているのがわかる。
彫込番付(ほりこみばんづけ)は部品番号。設計図で指定された場所に使う。

う~ん。梁がじゃまになって、上下が本当に1本の柱なのか、確認できない。

花頭窓(かとうまど)

外からだとこう見える。
実用性一点張りではなく、ちょっとした飾りもあったということ。

並ぶ柱が壮観だ。

外に張り出した梁の上に5階部分の柱を乗せている。
力を分散する構造なのだという。これも築城技術の一つ。

最上階の5階へ上る。

パッと視界が開ける。四方が大きく開かれていて、涼しい風が吹き抜ける。
最高の気分だ。
この松江城は「望楼型」に分類される。確かに。納得。

城下を見下ろす。しばし城主気分を味わう。

と、そこへテレビクルーが、、、

消火設備や消火体制の説明をする係員。
首里城の火災を契機に防火・消火体制を取材しているのだろう。
この城が燃えたら切腹もの。
消火器・消火栓だけでなく、スプリンクラーなども検討しないと。

松江城近くの武家屋敷。

武家屋敷裏手の蔵。扉が印象的だ。

松江城は堪能した。
今日の宿、境港に向かおう。

【本日のデータ】
興雲閣:入場無料。
松江城天守閣:登閣料 680円。(ボランティアの)ガイドさんは日曜日のみ。予約が必要かも。

【本日の宿】
境港市。ゲゲゲの鬼太郎のキャラクター像が並んでいる、みずきロードの近く。

2019/11/05 出雲大社&古代出雲歴史博物館を観る(D260)

神社系にはあまり興味がない。
のだが、出雲大社(いずもおおやしろ/いずもたいしゃ)は別だ。あと伊勢神宮も。
出雲大社は全国の神さまが集まる場所だし、伊勢神宮は20年に一度遷宮がある。
両方に共通するのは、朱塗りではなく木材の色のまま、という点。
自然のあらゆるところに神々がいる、という考え方としっくりくる意匠だと思う。

相棒バイクで宿から7,8分走り、出雲大社の駐車場に着く。

境内のマップ。駐車場は左手にあるので、いったん正面に回ることに。

境内に入るとこんな掲示が。

ここはホタルの生息地なのか! とビックリ。

松に埋もれる鳥居。いいね。
出雲大社にはいくつかの鳥居があるが、すべて茶色系。朱塗りは(たぶん)一つもない。こういうところもいい。
朱塗り自体がダメという意味ではなく、一貫した意匠なのがいい。

松の脇を歩き、拝殿に向かう。

バンドが巻かれた松。幹が裂けるのを防ぐためだろう。
これだけ松があると手入れはたいへんだろう。

動かないウサギがたくさんいるエリア。
因幡(いなば)の白兎(うさぎ)らしい。

縁(えん)むすびの碑(いしぶみ)
古事記に基づいた想像画が石にはめ込んである。
ここにはウサギはいらないと思うが、、、

因幡の白兎の像。
大国主神(おおくにぬしのかみ)がウサギを見下ろしすぎ、、、

ムスビの御神像。
手前は大国主神、金色の玉が幸魂奇魂。

銅鳥居から拝殿を観る。
鳥居の色と拝殿の色がよくマッチしている。

拝殿の注連縄(しめなわ)
存在感が凄い。神楽殿のよりも小さいが、こちらのほうが美しい。

拝殿全体。青銅色の屋根が印象的だ。
団体観光客とカップルがいたるところに。

御本殿。
近くまで入れないので、ここから撮るのが精いっぱい。
手前の木にはおみくじが巻かれている。

御本殿前の八足門(やつあしもん)
この向こうには楼門。さらにその向こうに御本殿。
御本殿へのダイレクトアクセスは難しいのだ。

御本殿の屋根。檜の皮葺き。
60年に一度、葺き替える。これを遷宮(せんぐう)と呼んでいる。
伊勢神宮の遷宮は20年に一度、建物すべてを建て替える。
出雲大社は建物は建て替えないのに遷宮と呼ぶのは、昔は建て替えていたなごりかもしれない。

古代出雲歴史博物館。
出雲大社のすぐ隣。徒歩5分。
ここには面白い模型があるのだ。楽しみ。ワクワク。

博物館を入ったところに展示されている発掘物。柱3本。
古代の出雲大社に使われていた柱。3本の柱を束ねて1本のように使っていた。
発掘調査で発見されたもの。学術的には一番の目玉。

面白い模型の一つめがこれ。
古代の出雲大社の仮説模型。5つあるうちの2つ。
5人の研究者の仮説に基づいた模型が並べられている。
1/100ぐらいのスケール。

別の2つ。高さと階段の長さが異なる。

面白い模型の二つめ。
これまでとは別の仮説模型。なんと1/10サイズ。
5つの仮説模型のうち一番高く階段が長いものを1/10サイズで作ってある。
高さ48mの1/10なので、4.8mということになる。
階段の白い人間2人と比較すると、その大きさを感じられる。

造りの異なる神社の模型が5つ。
一番手前は出雲大社。

豊受大神宮(とようけ だいじんぐう)正殿(しょうでん)
別名、伊勢神宮外宮(いせじんぐう げくう)正殿

住吉大社本殿(すみよし たいしゃ ほんでん)

宇佐神宮本殿(うさじんぐう ほんでん)

加茂別雷神社本殿(かもわけ いかづち じんじゃ ほんでん)
通称、上賀茂神社(かみがもじんじゃ)

春日大社本殿(かすがたいしゃ ほんでん)

神社の造りのこの多彩さ。いいね。
これから回るエリアにあるものには行ってみたい。

千木(ちぎ)、勝男木(かつおぎ)という名称が面白い。由来は未調査。

銅鐸(どうたく)
上を持ち、打器で叩いて音を出す楽器。

手前の明るいところは上からの照明。
なかなか良い演出をしている。

発掘調査で掘り出された銅剣(の写真)
すごい数だ。358本。

発掘された銅剣358本がすべて展示されている。
上部には同じ数の新品模造品。当時の輝きを伝えるためだとか。
派手な演出。壮観だが、模造品は1本で十分だ。と思う。
やり過ぎると逆効果になる。と思う。

発掘された358本すべてを展示しているのはグッド。
一本一本が、それぞれの銅剣の形に彫られた木板に収められている。
う~ん、芸が細かい。発案者は誰? 会ってみたい。

模造品。
ほらね。1本で十分でしょ。これだけでも過剰気味。

発掘された銅鐸。
ボロボロなのもあるが、形を留めているものが多い。

銅剣や銅鐸が発見された場所を示す展示。
展示方法&並べ方が美しい。どの展示も美を意識している感じ。いいね。
企画・設計した学芸員さんと会ってみたい。

出雲大社&博物館は堪能した。
松江市の宿に向かおう。

と、突然、、、

巨大なドーム、、、
なんじゃこりゃ!

出雲ドーム。
複合スポーツ施設。目立つのはいいね。場所がすぐわかる。

【本日のデータ】
出雲大社:境内への入場は無料。お賽銭の上限なし。下限もなし。
古代出雲歴史博物館:入場料 620円。出入回数の制限なし。
発掘された銅剣:358本。

【本日の宿】
松江市内。個人経営ホテル。安いが適正価格かな。部屋に湯沸かし器がないので、朝、コーヒーを入れるのがたいへんだった。

2019/11/04 世界遺産 石見銀山を経て出雲に(D259)

今日は出雲に行く。150kmぐらい。4~5時間か。

途中で出会った集落。観光地ではない、こういう風景が好き。

観光地ではない棚田。いいね!

途中で出会った典型的な里山の風景。

石見銀山(いわみぎんざん) 世界遺産センターに着く。
「石見」と書いて「いわみ」と読む。

銀山の坑道の模型。工夫された面白い展示だ。

銀山全体の模型。
右側の緑の部分は仙ノ山。左側が坑道。光っているのは坑道の一つ。

このボタンを押すと、該当する場所が光る。
どこを押したのか忘れてしまった。

石見銀山遺跡の範囲。けっこう広い。

石見銀山中央部の集落。伝統的建造物群保存地区(伝健地区)。
せっかくなので歩いてみよう。

駐輪場脇の自転車タクシー。VEL TAX.電動アシスト付き。

伝建地区入り口の地面に埋め込まれた案内マップ。
なかなか面白い。が、気づかない人も多いのでは。

木製ミシンの看板があるお店。

店内のオブジェが目を引く。いろいろ工夫されたお洒落なお店。

昔の町並みがずっと続く。

土壁が夕方の光に輝く。

軒先に下がった何か。単なる飾りではないような、、、

渋い。側面の造りが独特だ。

観世音寺がある高台。お寺は陰になって見えない。

登ってみる。

銀山の町並み。狭い谷あいに密集しているのがよくわかる。

大胆な色遣い。歪みがある窓ガラス。昭和初期、古き良き時代の産物。

熊谷家住宅。

中央の出入口から中を覗く。虎が描かれた屏風が印象的。

大森代官所跡。
今は石見銀山資料館になっている。集落の端にある。

来た道を戻る。

「酢醸造元」の看板がある家の二階。
障子の穴がとても気になる。きれいに四角く切り取られているのはなぜ?

代官所地役人 旧河島家。

一般の家の軒先。

大きな下駄が目立つ有馬光栄堂というお店。

元祖 手造り 銀山あめ、というのを買ってみた。350円。
銀の鉱石っぽく仕上げてある。

土と板の対比が美しい。土壁の落書きが残念。

剥がれた土の形が面白い。中央の小さな屋根がついた何かが独特。

自販機。木製カバーがグッド。

柿が熟している。こういう風景もいい。

だいぶ長居をしてしまった。さあ、出雲に急ごう。

途中で見かけ、何だろうと行ってみた。
立神岩(たてがみいわ)
巨大な断層が印象的だった。

【本日のデータ】
走行距離:約150km
石見銀山:龍源寺間歩(りゅうげんじまぶ)という坑道も見学できる。車が通行できない道を歩く必要がある。徒歩45分。往復+見学で約2時間。今回は時間不足でパス。

【本日の宿】
出雲大社の少し北西。海岸沿い。