7月27日(金)55日め 雌阿寒岳に登る:初めての活火山

予想どおりよく晴れた。絶好の登山日和。今日は雌阿寒岳(めあかんだけ)に登る。

阿寒岳には、雄阿寒岳(おあかんだけ)と雌阿寒岳(めあかんだけ)がある。

上がそのマップ。阿寒湖を挟んだ対の雄と雌らしい。雌は日本百名山だ。雄は残念! で、雌に登る人が多いらしい。私もそう。なお、上のハートマークは宿泊地点。左下のハートマークは登山口。

登山口は、雌阿寒温泉にある。宿は阿寒湖畔なので、17km、20分ほど走ることになる。

0730 宿を出発。

0800 雌阿寒温泉の駐車場に着く。相棒を日陰に停め、準備。

0830 登山口に着く。駐車場から5分ぐらい。

今日のルートは、まず、案内板マップの上端に赤く「現在地」と書かれた地点から、グリーンのルートを時計周りで歩く。グリーンの文字で「■雌阿寒温泉コース」と書かれているコースだ。雌阿寒岳頂上まで3km。頂上はマップの右寄りの中央やや上。

次に、頂上から時計回りで、下→左と歩いてオンネトー(年老いた沼という湖)に向かって下山する。青い文字で「オンネトーコース」と書かれているコースだ。

さらにそこから、オンネトーの湖畔を少し歩き、オンネトーの中央(赤点)から右上の雌阿寒温泉登山口に向かう。紫の文字で「オンネトー探勝路」と書かれているコースだ。これで、グルっと一周することになる。

頂上から同じルートを引き返すよりも、違うルートを下山するほうが楽しいので、歩く距離は長くなるがこれでいく。

さて、登山届に書いて出発だ。

登り始めはカラマツの林。

すぐに根だらけの道になる。

ちょっと歩くと1合目。3kmを10で割ると300m。1合の間隔は狭いのだ。

根の道が続く。

2合目。

3合目。

石の道になる。

すぐ見通しのよい道になる。こういう道が好き。

4合目。緑があって見晴らしがいい。

岩場になる。

6合目。あれ、5合目の写真がない。どうやら見逃したようだ。

岩と緑のハーモニー?

7合目。

振り返るとオンネトーが見える。

しだいに岩が多くなってくる。

8合目。完全に岩だらけ。

ガレ場を登る。細かい砂利と土なので、ちょっと気を抜くとズルっと滑る。登りにくい場所だ。

可憐な花がところどころに。花に気づくうちはまだまだ余裕。

岩場を登り続ける。かなり急なので手をついて支えながら、ヨイショ、ヨイショ、という感じ。

9合目。頂上はもうすぐだ。

岩より瓦礫が多くなる。滑る。慎重に進む。

右手に突然、噴火口が現れる。覗いていると吸い込まれそうだ。

左手も噴火口。確かに活火山だ! 火口の向こうに阿寒湖。その向こうに雄阿寒岳。

頂上が見えた! 青空に突き出ているのが頂上の標に違いない! この瞬間が好き。

到着。

例によって記念撮影。

虫が多いので昼食は食べずにすぐ下山。

右手に阿寒富士と青沼が出現。

稜線が登山道。カーブしながら右のほうへ進む。

もう一度、火口と阿寒湖と雄阿寒岳のスリーショット。

稜線に沿って歩く。上は右手を振り返ったところ。

下るにつれて、阿寒富士、噴火口、青沼の位置関係がどんどん変わる。上の写真が「作者が勝手に選ぶ今日のベストショット」

火口と青沼のツーショット。

火口のアップ。

9合目。阿寒富士が迫ってくる。

では阿寒富士の単独ショット。登山道がはっきり見える。この位置からだと1時間ほどで登れるようだ。ちょっと迷ったが往復2時間は辛いので素通り。

ガレ場を下る。

8合目。登りのコースとはずいぶん景色が違う。

ここには、こんな注意が。「ここを渡ったら噴火時には下に逃げる地域に入ります。★登って逃げるのはここまでです。」とある。う~む、ここで噴火したらどっちにしろ助からないと思うけどなあ。

少し下って振り返ると登りの人に向けた注意が。逃げる方向が逆になるわけだ。どっちにしろ助からないと思うけどなあ。

7合目。オンネトーが見えた。

背丈ぐらいの樹木の道になる。

さらに進むと大きな樹木の林になる。やっと日陰になった。全身が汗でびちょびちょ。昼食もまだだし、ひと休みしよう。オニギリはいつも明太子(またはタラコ)と鮭。

林の道が続き特に険しい場所もなく下山完了。写真は人が通過するのをセンサーで感知する装置。入山者と下山者を常にモニターしているのだ。このようなエリアだと何かあって下山できず連絡もできないときに早く救助してもらえる可能性が高い。

オンネトー湖畔の登山口に着く。マップ左下に赤く「現在地」とある。残るは紫色で書かれた「■オンネトー探勝路」だ。

オンネトー湖畔を歩く。

水の色が変化して美しい。

歩道にはこんな橋も。ちょっとオシャレでいい感じ。

湖畔から雌阿寒温泉に向かう分岐点。分岐点に気づかず通り過ぎると道に迷ってしまう。ドキドキしていたが、標識があってよかった。

根元が折れて倒れていたので、指している方向はデタラメだったけどね。感謝の気持ちを込めて、正しい方向へ向けておいた。

雌阿寒温泉へ向かう。最初は(たぶん)シダの道が続く。

登り始めたところもアカエゾマツだ。雌阿寒温泉は近い。

(たぶん)17:00 建物が見えた。到着。

初めての活火山、とても良かった! ちょっと長いが最初から最後まで楽しめるいいコースだ。これだから登山はやめられない。

7月26日(木)54日め 霧多布湿原でバイク番長とカヌー

(お詫び)7月分の通信量制限のため昨日まで写真をアップロードできず、写真無しで公開してしまいました。8月になったので写真が追加できました。

今日は霧多布湿原でカヌー。民宿ご主人のカヌー&ご指導つき。参加者は、民宿に泊まったご夫婦(夕食にはいなかった)、バイク番長、私。

車の屋根にカヌーを載せて出発。15分ぐらいで湿原の入り口に着く。

道路からカヌーを岸に降ろす。

ご主人がカヌーを水辺に降ろす。

ご夫婦とご主人は3人でカナディアンカヌーに。

バイク番長と私は一人ずつカヤックに。

(注)カヌーやカヤックには疎い。ここをクリックして参照してください。

最初は恐る恐る。空には強いが水には弱い。なかなか緊張が取れない。

写真など撮っている余裕なし。

1時間ほど海の方へ下ると幅が広くなる。

バイク番長と私のツーショットをご主人に撮っていただいた。

少し余裕ができる。最後に付いて漕ぎながら、ときどき撮影。

Uターンして戻る途中。

だんだん幅が狭くなる。

緊張したが楽しかったと言えなくもない。

う~ん、水遊びは微妙だ。

出発前にご主人とお母さんと一緒に記念撮影。

どう? 美人でしょ。性格の良さが顔に出ている(と思う)

さて。天気予報では明日は雌阿寒岳に登るチャンスかもしれない。

とりあえず、阿寒湖温泉に宿を取る。明日天気が良ければラッキーだ。

まず、霧多布岬に向かう。

展望台で出会ったバイク。

カワサキの6気筒。z1300。

エキパイが6本、横に並んでいる。ど迫力。

霧多布岬灯台と相棒のツーショット。ここに相棒を停めて歩く。

灯台に向かう道の両サイドは花でいっぱい。

灯台の脇を抜け、岬へ向かう。

岬に着くとカモメがお出迎え。

花と波しぶきの饗宴。

さて戻るか。

霧多布岬も花に囲まれたいいところだ。

岬をあとにして走ると昆布干しの風景が。

干すんですか、と尋ねると、いいや、切るために広げてるの、という。

隣のエリアでは切った昆布を束ねて車に積んでいた。

厚岸(あっきし)の漁業協同組合直売所で昼食。

バイク番長から、安いよ~、と聞いていた。

確かに安い。

欲しいものを言って、お刺身にしてもらえる。電子レンジもあるので、牡蠣やホタテはチンしてもいい。

今回はこれ。

ホヤ(小さめ)、赤つぶ貝、ほっき、マルえもん(牡蠣)3Lサイズ2つ。ご飯のパックも販売している。

峠を越えて阿寒湖に向かうと、、、

(たぶん)雄阿寒岳(おあかんだけ)が幻想的に出現。

いい締めくくりだ。

【本日のデータ】

ゆめぴりか(ご飯):130円
赤つぶ貝(中サイズ):200円
ほっき貝(中サイズ):200円
ほや(小さめ):315円
マルえもん(牡蠣)3Lサイズ:180円×2個=360円
お刺身手数料:50円×3個=150円
合計1463円(税込)

7月20日(金)48日め 宗谷丘陵を経て宗谷岬へ

次の目的地は知床。できれば羅臼岳に登りたい。ここも百名山の一つだ。

羅臼岳は、行程が長い(登山地図では片道6時間)、雲がかかっていることが多い、ヒグマが出る、などの理由で、登山初心者が1人ではリスクが高いかもしれない。まあ、とりあえず行くだけ行って、現地で考えよう。

ということで、宗谷岬に立ち寄ったあと、太平洋側の海岸線を南下することにした。

宗谷岬に向かう途中で、こんな看板が目に飛び込んできた。

メガソーラーか。話には聞いていたが実物を見たことはない。

よし、見てみよう。

ということで全体が見渡せる場所を探しながら走る。

全体はほぼこんな感じ。敷地は広く、写真の左右にも続いている。

1枚のパネルがデカい。鉄条網が上端で2mぐらいの高さなので、それから推測するとパネルの短辺が5mぐらいか。長編は4倍として20m、5倍だと25mということになる。うちの近所にある、畳20枚ぐらいのとは規模が違う。

宗谷岬に近づくと陸側が丘陵地帯になる。丘陵には発電の風車が立ち並んでいるらしいので行ってみることに。

宗谷丘陵の入り口。

「宗谷丘陵周氷河地形」とある。周氷河地形は地中の水分が凍ったり溶けたりを繰り返してできる地形で、山の部分も谷の部分も緩やかなカーブを描くことが特徴だ。

で、こんな感じ。穏やかな起伏が続いている。

少し走ると風車が立ち並ぶエリアに出る。

入り口の看板にあった宗谷岬ウインドファームの風車だ。57基の風車がある。

風車を過ぎると牧場に出る。宗谷岬肉牛牧場だ。「宗谷黒牛」が飼育されている。

う~む、だんだんテレビレポーターっぽくなってきた。

写真左手前は牛の水飲み場。右上に小さく黒牛が1頭。

写真を撮っていたら上にいた黒牛が近づいてきた。

水を飲んだあと、こっちを向いて長い舌でペロリ。耳に付いているのは個体管理用のタグだ。

たくさんの黒牛がいるが、風が強いので皆しゃがんで(寝そべって? 伏せて?)いる。

風がメチャクチャ強い。油断をすると相棒のバイクごと吹き飛ばされそうになる。こうでなければ風力発電はできない。

丘陵から宗谷岬に出る道を進むと、宗谷岬公園が見えてくる。

公園にある「あけぼの像」。左下に小さく「日本最北端の地の碑」が見える。

あけぼの像は北海道の酪農の夜明けを象徴しているという説明がある。畑作から酪農に転換するのは並大抵の苦労ではなかったろう。

上は公園内の公式な建造物の案内図。いろいろな碑や鐘や台や楼がある。

そこには記載がない建物がこれ ↓

間宮堂。ホタテラーメンで有名な店だ。

芸能人が多く訪れている。まあ、テレビ的には絶好の対象だ。

ホタテラーメン(塩)(普通盛り)

フツーに美味しい。グルメレポートはしない方針なので、以上。

間宮堂って間宮林蔵から取ったんですか? と尋ねたら、いいや間宮海峡から取ったの、という答えだった。

間宮林蔵が見つけたから間宮海峡なのだから、元は間宮林蔵だろうと思うが、
間宮林蔵→間宮堂、と
間宮林蔵→間宮海峡→間宮堂、とは違う、ということですね。

ちなみに間宮海峡の位置はここ ↓ 写真の左上。

「日本最北端の地の碑」と「間宮林蔵の立像」と相棒とのスリーショット。

間宮林蔵は間宮海峡の発見者として有名だが、実は江戸幕府の御庭番(おにわばん、政治の陰で動く忍者)でもあった。漫画『新・子連れ狼』では、大五郎の敵として間宮林蔵が登場する。像を見ながら漫画に登場する間宮林蔵を思い出して楽しかった。

(注)新・子連れ狼は、父の拝 一刀(おがみ いっとう)が亡くなったあと、息子の拝 大五郎(おがみ だいごろう)が一人で生き抜いていく物語。面白い。大五郎が賢すぎるのが欠点か。

日本最北端の地の碑から右に20mほど歩くと「宗谷岬音楽碑」がある。

ボタン(写真右下)を押すと、スピーカー(写真左上)から歌と音楽が流れる。

流水とけて 春風吹いて
ハマナス咲いて かもめも啼いて

フォーク調のゆったりしたいい曲だ。歌っているダ・カーポもいいグループだ。「結婚するって本当ですか」も好きな曲だ。ちょっと切ない、キュンとなる曲。

さて先を急ごう。今日は紋別泊まり。180kmちょっとある。

と、その前に、ガソリンを入れなくては。まだガソリンは半分以上残っているのだが、どうしてもここで入れないといけない理由があるのだ。

それがこれ ↓

日本最北端給油証明書。のようなもの。

宗谷岬にきてこれを貰わなかったらライダーとして恥ずかしい。 と言われているとかいないとか。

風が強い。吹き流しは真横になってバタバタとはためいている。

相棒ごと吹き飛ばされないようにバランスを取りながら走る。走る。走る。

風車を横目で見ながら走る。走る。走る。

パーキングシェルター。ドライバーが一休みできる。特に冬は助かるだろう。

自販機、トイレ、電話がそろっている。

でも、こっちは休まずに走る。走る。走る。

一直線に伸びた道。北海道の道のイメージがこれだ。

牧草地に出る。

そこでは牧草を梱包する風景が。

円柱状の牧草を白いシートで巻き始めたところ。牧草の周囲を機械がグルグル回転してどんどん巻いていく。

グルグルと巻き続ける。牧草が見えなくなった。

巻き終わると白いシートが切断される。上がその瞬間。白い梱包の左側がパンッと跳ねているのが分かるだろうか。切断されたシートの端っこだ。

巻かれた牧草が地面にゴロンと投げ出され、機械は次の牧草へと向かう。

さて、こっちは紋別へと向かおう。

乳牛がいる。強風対策なのか寝そべっているのが多い。手前の牛が、何だこいつ、という顔でずっとこちらを見ていた。写真を撮るとあわてて目をそらす。ちょっとシャイなやつ。

ベニヤ原生花園に立ち寄る。時間はないが、まあ、着くのが遅くなるだけだ。

ノハナショウブ(野花菖蒲)が見ごろ。栽培されている花菖蒲の原種だ。

群生している。

こちらはコウリンタンポポ(紅輪蒲公英)。ヨーロッパ原産の帰化植物。ということは元外来種? 長い時間が経つと帰化したとみなされるのだろうか?

出発しようとしたときにスクーターに乗ったライダーがやってきた。何となく話をしていると、なんと相棒カブのカスタムをお願いした岐阜のバイク店のすぐ近所だという。

オレもね、カブのカスタムの見積もりをとったことがあるの。頼まなかったんだけどね。クロスカブ風にしてるのか。ちょっと写真撮らせて。帰ったらバイク店に行って、こんな人と北海道で会ったよって話すから。覚えてるかな?

ということで、例によって記念撮影の2+2ショット。バイク店のご主人とおねーさんによろしくね。きっと覚えていると思うよ。

さあ、急がねば。

そろそろ紋別、というあたりでこんな光景が。ここまで来ればもう余裕だ。写真撮っておこう。

刈った牧草を、機械の後ろの回転する爪状のもので集めて、山脈状にしている。

正面から見たところ。機械に向かって右側に牧草が集められているのがわかる。

集めた牧草をグリーンの箱が飲み込んでいく。黄色い部分が飲み込み口だ。

一杯になると、パカっと開いて丸めた牧草を地面に落とす。なるほど。

今日は「牧草の束ができるまで」を学べてよかった。学ぶ順序は実際とは逆だったけどね。

【本日のデータ】

ホタテラーメン(塩、普通盛り):900円(税込)

日本最北端給油証明書(のようなもの)+ ガソリン1.6L:251円(税込)